3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

カテゴリ: 田口雅之

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本日紹介いたしますのはこちら、「ブラック・ジョーク」第5巻です。
秋田書店さんのヤングチャンピオン・コミックスより刊行、ヤングチャンピオンにて連載されています。

作者は小池倫太郎、田口雅之の両先生。
本作の今までの紹介は「田口雅之」のテーマにてまとめておりますので、そちらのほうもご覧くださいませ。

さて、カジノや売春などが合法となっている「ネオン島」と言う土地でホテルマンとして厄介ごとを解決していく2人の男を主役とした本作。
第4巻では肉体派の小玉がメインとなるお話が多数収録されていましたが、今回は逆に小玉の出番が控えめで、頭脳派の吉良が中心となったお話がメインとなっています。

吉良が社長に命ぜられた今回の任務は、いつもとは一風変わったものでした。
ホテルの顧客である青柳コンツェルンの御曹司がオカルティックな殺人事件を起こしてしまったとのことで、その調査に言って来いと言う……「名探偵」をやってくれと言うものだったのです。

吉良はあかりをパートナーにしてその青柳家へとたどり着きました。
被害者はこの青柳家の長男、天馬。
2階から転落したとのことで、警察は事故とみなしている様子。
ところが、次男の海斗は「自分がこの右腕で突き飛ばしてしまったんだ」と言うのです。
しかしその右腕は肘と手首の中間辺りから失われています。
普通に考えれば華奢な海斗がその右腕で、4歳も年上の天満を突き落とすと言うのは考えづらいところ。
ですが海斗は、自分の右腕には恐ろしい腕が生えていて、自分の意思にかかわらず暴れだし、兄を突き飛ばしてしまったと言うのです!
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海斗は一年ほど前の事故で右手を失ってしまいました。
絵画(萌え絵ですけど!)を趣味としていた海斗にとってはかなりの苦痛であったでしょうが、何よりも海斗の生活を様変わりさせてしまったのが幻肢、そして幻覚だったのです。
ないはずの右腕を感じたり、感じるはずのない痒みや痛みを感じると言う幻肢というのはよくあることなんだそうです。
ですが、「ピンクのパラソルを差した大きな女がビルを通り抜けていた」「小さな象の群れがテーブルの上を通っていた」という幻覚まで見ると言うのですから普通ではありません。
更に問題なのは、その幻覚なのであろう右腕で兄を2階から落としたのだと言うところ。
海斗本人は俺の秘められし力が……!!と言わんばかりの中二病な犯行を自供しているわけですが……だましだまされのシビアな大人の世界に生きてきた吉良にとってはそんなドリームは信じようと言う気すら起きないわけで。
ともかくもっと良く事情を知るべく、青柳家に縁深い人物に話を聞いてみることにするのです。

母親から聞けたことからわかったのは、どうも海斗はいろいろ情操教育のようなものを強いられたりの押さえつけられた生活を過ごしてきたと言うこと。
そして海斗と相当なかよしな巨乳眼鏡メイドさんからは、
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海斗は例の事故で頭の手術などもしたおかげで今の霊能力チックなものを手に入れたのに違いないと言うことと、「キリコ」というネット界隈で有名なスピリチュアルアーティストとやらに傾倒していることがわかりました。
何でもそのキリコは、生放送のネット配信の最中、海斗の怪我や能力のことを名指しであてて見せたのだとか。
その放送をきっかけに海斗の右腕はひめられしパウワを解放しはじめ、それ以来海斗がキリコの番組を見るたびに青柳家の建物が揺れると言う海現象が起こり始めたのだそうです!
そしてその放送視聴&建物揺れが2度続いた3度目の晩、件の事件が起こったんだそうで。
番組の視聴中に建物が揺れ、天馬は2階から落下、命を落とした……右腕の暴走で海斗は兄を殺してしまったと思い込んだわけです。

様々な情報を聞いて吉良が思案に暮れていた時、青柳家に訪問者が訪れました。
屈強な体つきの男、摩仁藤(まにとう)と、
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噂のスピリチュアルアーティスト、キリコその人が!!
どうも海斗の母親が気を利かせて(?)呼んだようで、こういったことを信じていない父親は苦々しい表情を隠しませんが、海斗くんはそりゃもう嬉しそうな表情です。
現われるなりキリコは部外者である吉良を指し、冷静に見えるけど物事の本質を受け入れず皮肉をこめて捉えることで自分を守ってると言うオーラが出てるよ!と軽いオカルティックジャブを放ってきました。
そんな先制パンチをもらった吉良、キリコにこう返すのです。
そういうのを不確実な主観で他人をディスって主権を握ろうとする霊的嫌がらせ、オカルト・ハラスメントって言うんだぜ!俺の造語だけど!と!!

いきなりキリコの仕事(?)の全否定にかかった吉良に、ボディーガード的ポジションらしい摩仁藤が掴みかかります。
そうなれば今度は吉良のボディーガード的ポジションであるあかりがだまってはいません!
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いきなり殺気むき出しで戦いを繰り広げる2人ですが、その戦いはキリコの唇をプルプルさせると言う謎行動で摩仁藤の気持ちを鎮めることによって中断することとなりました。
とりあえずその場が収まり、キリコはこの家にやってきた目的を果たすことにします。
それは、間もなく配信されるキリコの番組で今日も青柳家が揺れると予言しているのを確認し、そのゆれを止めて見せようと言うもの。
いつもはライブで配信される番組ですが、今日はわざわざその為に録画放送としているそうで。
要するにわざわざやってきた目的は、この録画した過去の放送での揺れの予言とその揺れを止めて見せることで自分の霊能力が確かなものだと証明しようと言うことなのです!

番組が始まって程なくすると、本当に建物が揺れだします。
そしてキリコが止みなさいと叫んだかと思うと、すぐさまその揺れは収まったのです!
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キリコの霊能力は本物であるとの確信を強め、信頼のまなざしで見つめる海斗。
吉良はその場では何もキリコを否定できず、その姿をため息をつきながら見つめるしかないのでした。

キリコの能力を見せ付けられ、付け入る隙はないかに見えたこの事件。
ですが、実はもう吉良にはこの事件の実態が見えているようです。
吉良が向かったのは幻肢に詳しい美人女医のもと。
そこで幻肢に関しての詳しい情報を掴み取る吉良。
その一方であかりには、どこか良くわからない地下の配管を調べさせて……
それらの情報を得た吉良はにやりと会心の笑みを浮かべるのです。
勝利を確信したかのような笑みを!!
そして吉良は不敵な笑みをそのままに、キリコの種明かしに挑むのでした!
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と言うわけで、一見オカルトな事件の謎解きに挑むと言う珍しい展開を迎える今巻。
この後とうとう謎解きパートとなるわけですが、本作らしいワイルドな仕掛けなんかが明かされつつ、揺れとか幻覚とかに直結しないあたりはスルーなの?というおおらかな謎解きが披露されます。
いやらしい吉良の追い詰めっぷりはまさに堂に入っており、見ているこっちもニヤニヤしてしまうこと必至です!!
もちろん素直に頭脳戦オンリーで終わる本作ではありません。
キリコの種明かしが終わった後は、見るからに只者ではない雰囲気をまとう摩仁藤とあかりとの直接対決が収録!
こちらはいつもどおりの色々飛び散るバイオレンスバトルとなっているのです!!
このほかにも珍しく吉良がバトルを担当するエピソードと、第2巻でハッスルしたアドミラル・ジョニーさんが再登場するエピソードを収録し、今回もボリューム満点!
しかもこのアドミラル・ジョニー再登場のお話では、田口先生作品のファンの方ならば思わずにやりとしてしまう場所が登場!!
いつにもましてファン必見の内容となっております!

今回も単純に楽しめる娯楽作品に仕上がっている「ブラック・ジョーク」第5巻は好評発売中です!
表紙の雰囲気ががらりと変わり、シックな印象を受ける今巻。
ですが内容はいつもどおりのハチャメチャでエロスでバイオレンスな作品となっておりますのでご安心ください!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ブラック・ジョーク 5 (ヤングチャンピオンコミックス)
秋田書店
2011-03-19
田口 雅之

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ブラック・ジョーク 5 (ヤングチャンピオンコミックス) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



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本日紹介いたしますのはこちら、「ブラック・ジョーク」第4巻です。
秋田書店さんのヤングチャンピオン・コミックスより刊行、ヤングチャンピオンにて連載されています。

作者は小池倫太郎、田口雅之の両先生。
本作の紹介は「田口雅之」のテーマにてまとめておりますので、お時間などございましたらご覧いただけますと幸いです。

頭脳派の吉良と肉体派の小玉が賭博特区ネオン島で巻き起こる事件をねじ伏せていく本作。
この第4巻では「紅の虎」と呼ばれる人物を中心に物語が展開します!

吉良たちが所属するホテルに新たな上客がやってきました。
とある王国のプリンセスとその関係者達です。
なんでもその国に革命がおきてプリンセスは追われる身になってしまいまして、革命政府から身を隠すためこのホテルにやってきたのです。
そんな身の上上、危ない目に会うことも多かったそうで、トラブルから守ることも吉良達の仕事のひとつ。
プリンセスを出迎えると、さっそく刺客……ではなく、たまたまカジノで大負けしたチンピラが八つ当たりとばかりに大暴れしながらその場に現れました。
直接の被害はなさそうですが、暴漢の登場に怯えるプリンセス。
吉良はすぐさま小玉に取り押さえさせようとしますが、そこに1人の男が颯爽と姿を現します。
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その男は暴漢をひっくり返すなり「お前の憤りの内側には哀しさがあるのか?」とかっこいいような決してそうではないような台詞を呟きます。
いきなり現れた彼、プリンセスのボディーガードを勤める京極銀次郎という人物。
現在の日本の体たらくを憂う言葉を吐いたかと思えば、川でおぼれる野良猫を真っ先に飛び込んで助けたりする絵に描いたような正義漢です。
更になんでも、かつてプリンセスの国の奥地にある村で隣国の悪漢が暴れていた際にたった一人で数十人を相手に戦い、勝利を収めたんだとか。
勝利の翌朝、返り血を浴び朝日に照らし出された彼の姿を村人は「紅の虎」と呼んで讃えます。
そしてその紅の虎の魔人のごとき強さを耳にした隣国は彼を恐れ、蛮行をやめたそうで……まさしく生きる英雄、という男なのです。
ですがその話を聞いた瞬間、
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いままで「俺様系(笑)」と京極を小馬鹿にしたように見ていた吉良と、彼の格闘術にちょっとだけ興味を惹かれていたし小玉になにか思うところがあった様子。
表情を険しくし、お互い目を見詰め合うのでした。

その後も京極の俺様っぷりを見下すように見つめ続ける吉良。
豪勢な夕食を終え、ホテルへと向かう帰路の途中事件は起こります。
一同の車を取り囲む数名の若者。
おそろいのライダースジャケットと妙にちゃちい銃を構え、プリンセスを渡すように迫ります。
革命政府の刺客にしてはあんまりにもアレな装備におもわず「そぐわなくね?」と呟いてしまう吉良ですが、相手は大真面目。
そして京極も大真面目にマントを翻して若者たちの前に立ちはだかります。
銃を持っている相手にして大仰に見得を切ってどうするんだとあきれる吉良ですが、その瞬間どこかから狙撃されました!!
狙撃手まで用意していたのかと驚く吉良ですが、なにやら襲ってきた若者達も「聞いていない」と戸惑っている様子。
そんな状況も構わず更に銃弾は降り注ぎ、
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吉良の胴を抉り取ってしまいました!!
ですがその衝撃のためその場にいるものが驚き、生まれたほんの一瞬の間に
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小玉が拳を爆発!!
あっさりと賊を退治してしまうのでした。
撃ち抜かれてしまった吉良も、実は腹に仕込んだ血袋のようなもので撃たれた様に見せかけていただけで、襲撃の犠牲は吉良のスーツ一丁だけ。
そんなトリッキーな方法で隙を生み出して勝利を収めた吉良に京極は「面白い戦い方だ」「名演技だ」と手を叩いて褒め称えます。
その賞賛を受けた吉良は京極に「芝居するのは色々と消耗するよなお互い(笑)」と返事を返します。
その言葉に京極は反応してしまうのですが、自分を憧れの目で見つめるプリンセスのおつきの少年のまなざしを受けていることに気がつくと、素直に吉良を賞賛する男前台詞を吐いてスルーするのでした。

その夜、先ほどのおつきの少年は自分の作った干し肉を京極に食べてもらおうと部屋を訪ねました。
部屋のドアは開いており、少年は中に入りますがそこには誰もいません。
ですがその部屋においてあるパソコンの電源は入っており、ディスプレイには京極の写真がでかでかと写ったウェブサイトが映し出されています。
内容までは良くわからない少年は素直に京極が載っててすごいや!!と喜びます。
その時、背後にあった京極の携帯が鳴り出しました。
これもなんだか解らない少年ですが、なんか光っててかっこいい!!と思わず手にとってしまいます。
瞬間、おいと声をかけられた少年が後ろを振り向くと京極が立っていました。
純真な瞳で干し肉を差し出す少年ですが、
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京極は人の携帯を見るなと激怒!!
容赦なく顔面をひっぱたき、部屋からたたき出してしまうのでした!!

紅の虎を怒らせてしまったと1人外で泣きじゃくる少年。
そこへ小玉がやってきました。
慰めようとやってきた、というわけでは勿論ありませんで、少年の持つ干し肉の臭いにひかれて分けてもらいに来たようです。
素直に上げる少年、そして美味いと食いまくる小玉。
とりあえず腹が膨れたからか、小玉は少年が泣いていることに気がつきました。
京極に、紅の虎に嫌われてしまったと涙をぽろぽろとこぼす少年。
そんな姿を見た小玉は、干し肉を一から作ることの出来る少年ならそいつに嫌われても生きていけると力づけるのでした。

翌朝、ホテルの屋上に吉良たちやプリンセスたち、そして京極が勢ぞろいしていました。
そんな場面で吉良の口から出たのは
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京極をプリンセスのボディーガードから解雇すると言う言葉でした。
吉良はお得意の頭脳とコネを持って京極を解雇する4つの理由を説明。
ひとつは昨夜のテロリストが思わずもらした「聞いていない」という言動から京極の仕組んだ狂言であろうことがわかるというもの。
二つ目はひとつめの証拠のようなもので、狂言テロリストが持っていた銃は低品質で安価なもので、テロリストが持つはずのないチープすぎるものだということ。
三つ目は更に決定的な証拠で、ある筋によって狂言テロリストたちと京極がメールのやり取りをしていることがわかったこと。
そこまで語ると、吉良はついでに調べた京極の生い立ち……大財閥の次男坊で、親の金で自分探しの旅なんかをして喜んでいる依存症のナルシストだと小馬鹿にするのです。
その言葉に京極は遂にブチ切れ。
なりたい自分を追い続けることを馬鹿にするのかと激昂します!!
ですが吉良はそんな熱い主張をもういいからとあっさり受け流し、悪あがきしたいならこいつとやってくれと小玉とバトンタッチするのでした!!

なんだかんだいって武術の心得がある京極。
小玉が負ける姿はあまり想像が付きませんが、一応珍しい武術を使いこなすようで油断は出来ない……かもしれません。
そんな二人が戦っている中、吉良の口から語られる4つ目の理由……
京極ではない、本当の「紅の虎」の正体が明らかにされるのです!!
物語はそのまま真・紅の虎誕生編へ突入!!
舞台や時が変わっても一向に変わらない、デンジャラスでバイオレンスなアクションげ再び幕を開けます!!


というわけで「紅の虎」尽くしとなる本作。
とにかく胡散臭い京極ですが、与太話にも思えた紅の虎が本当の話で、しかも今まで本作にでまくっていた人物が正体だというのですからまんざら単なるカッコツケマンではありませんでした!!(かませ犬ですけど!)
後半の紅の虎誕生編では語られたとおり、一対数十人の壮絶なバトルが繰り広げられるのです!!
更にそんな紅の虎関係意外にも、この「ブラック・ジョーク」の元となった読みきり、「KAORU」が掲載!
元といっても割としっかり関係があるようで、吉良や小玉なんかは登場しないものの、本編と同一の登場人物が出るなど、きちんとした番外編として成立しています!
こちらも本編に負けず劣らずバイオレンスでいい意味であほらしい作品にしあがっております!
更に更に今回は田口先生による「聞かれてもいないのに質問に勝手に答える」コーナーが収録!!
田口先生の熱すぎる情念のほとばしりはやっぱり必見ですよ!!

田口先生曰く、怖くてグロくてカッコ良くて奇妙でちょっと笑えるB級アクション「ブラック・ジョーク」最新第4巻は好評発売中です!!
とにかく勢い任せの楽しさが溢れだしている本作、漫画にテーマ性なんかを求めない人ならば一層楽しめる娯楽作品にしあがっています!!
ある種のナンセンスが溢れるストーリーに加え、迫力溢れる絵作りもすごいの一言!!
後半のエピソードで突然一部キャラの画風が変わっているところにも要注目(?)ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ブラック・ジョーク 4 (ヤングチャンピオンコミックス)
秋田書店
田口 雅之

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本日紹介いたしますのはこちら、「ブラック・ジョーク」第3巻です。
秋田書店さんのヤングチャンピオン・コミックスより刊行、ヤングチャンピオンにて連載されています。

作者は小池倫太郎、田口雅之の両先生。
本作の今までの紹介は「田口雅之」のテーマにてまとめておりますので、ご興味などございましたらご覧下さいませ。

賭博やカジノが合法である通称ネオン島で巻き起こるトラブルを独自の手段で解決していく本作。
今巻は今までと少し毛色が違う話が収録されています!

第3巻の収録内容は各キャラにスポットライトを当て、よりそのキャラを掘り下げる話がメインになっています。
仁義に熱い車椅子イタリアンマフィアのランオーバー、小玉に恋するゴスロリボディーガードのあかり(25歳)、吉良や小玉のボスである都々目社長と、メインどころはほぼ網羅。
これに加えて吉良と小玉が手を組むことになる過去のエピソードが語られるのです!!

吉良と小玉がつるむことになったのは17の時でした。
高校生であった当時から2人は学校のトップとして一目置かれる存在だったようです。
小玉はやはりそのあまりにも規格外な身体能力の高さと何を考えているかわからない危なさで恐れられています。
何でも高校1年のときに高校3年のチーム30人以上を全滅させてしまった上、そのうち数人は死んでしまっていたと言うのです!
そんなことになっても警察のご厄介にならなかったのもひとえに小玉家の尋常ならざるマネーパワー。
規格外のパワーに何でも揉み消す財力まで持っているんですからそりゃぁ一目置かれないわけありませんね!
一方の吉良はやはり喧嘩はたいしたことがないと認識されています。
ですが喧嘩の弱さなどがかすんでしまうような知力を持っていました。
パーティーの主催やドラッグの売買、援助交際の斡旋など様々な悪事を働き、金だけでなくそれ目当ての人脈までもガッチリキープ!
更には教頭先生の不倫の証拠まで握っており、学校でもやりたい放題しているようなのです!

ある日の昼休み、小玉は学校の中だと言うのになにやら物凄い豪華な食事を楽しんでいました。
吉良の方はと言うとポテトチップにアイスと言う不健康極まりないランチ。
これも格差社会なのか……と思いきや、小玉の目は吉良の食べているアイス、「メリメリ君」に向いていました。
どんな食感なんだメリメリ君……メリメリって……というのは置いておいて、ナリや行動は粗野そのものな小玉も実際は超お坊ちゃま。
家庭的に食べることを許されない安っぽいアイスが物凄くおいしそうに見えたのです。
熱視線に気がつく吉良ですが、何で見られているかわかるはずもなく愛想笑いをしながらメリメリ君の最後の一口を食べてしまいました。
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吉良は自分のアイスを食べただけだと言うのになぜかショックを受ける小玉。
学校をトップを狙うチンピラ学生にたきつけられてことをきっかけに、メリメリ君のうらみ(?)を吉良に対して爆発させる小玉!
いきおいにまかせて1対1のバトルを挑むのでした!

対峙した二人ですが、超人的にも程がある小玉の力を知っている読者としては吉良に勝ち目があるのかと心配してしまいます。
ところが吉良は高校生のみであるにもかかわらずいきなり拳銃を取り出し牽制!
普通ならば拳銃を出した時点で勝負は決まったようなものなのですが……なんせ相手は小玉です。
威嚇射撃にもひるまず、ならばと急所をはずして狙って打った弾も俊敏な動きで回避!
みるみると吉良との距離をちぢめ、あっという間に拳の触れる距離に
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届きませんでした。
実力差を十分知る吉良は落とし穴と言う罠を張っていたのです!
やたら深い穴の奥底に落ちた小玉に吉良はもしそこに剣山でも仕掛けていたらどうなっていたか、と自分の勝利を宣言します。
吉良は小玉のパワーを上手く活かすようにプロデュースするから組まないか、と誘いをかけるのですが、小玉はなんと落とし穴の壁に拳を突き立て、どんどん登ってくるではないですか!
もう笑うしかない身体能力で落とし穴から脱出する小玉!
華麗に飛び出して今度こそ小玉タイムが
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はじまりません。
もうひとつ仕掛けてあった落とし穴にぴったりと落ちてしまったのでした。
そこで吉良が取り出した次なる策略は
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「メリメリ君」でした。
小玉はメリメリ君をもらうと大喜びしてあっさりと組もうと言う提案を受け入れてしまいます。

他にもいろんな味があるけど食いに行くか?と問う吉良に「いく」とハートマーク付きで文字通り飛び出す小玉。
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こうして2人のタッグは結成されたのでした!!
……あれ……?全部メリメリ君のおかげ……?

当時から変わらない二人の運命の日という印象深いエピソードの他、前述した各キャラのエピソードも非常に面白いものばかり。
社長の話は彼の意外なエピソードが語られ、今まで受けていた底知れない印象を更に深めてくれます!
あかりは相変わらず小玉にぞっこんべたぼれでツンデレ(小玉意外にツン、小玉にだけデレという特殊な形ですけど!)っぷりを発揮!
ランオーバーにいたっては相変わらず美や仁を尊ぶイケメン振りを発揮しつつ、なんと車椅子なしでの戦闘まで披露してくれます!
ホント、アクの強すぎるキャラクターぞろいで濃いにも程がありますよ!
もっともっと!!もっとやってください!!

濃すぎるキャラのバイオレンスな活躍が癖になる、「ブラック・ジョーク」第3巻は好評発売中です!
テーマ性なんて関係ない、むちゃくちゃな暴れっぷりが楽しい作品になっています!
バイオレンス描写が多いので人こそ選びますが、そこら辺がクリアできればきっと楽しめるはず!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ブラック・ジョーク 3 (ヤングチャンピオンコミックス)
秋田書店
田口 雅之

amazon.co.jpで買う
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本日紹介いたしますのはこちら、「ブラック・ジョーク」第2巻です。
秋田書店さんのヤングチャンピオン・コミックスにて刊行、ヤングチャンピオンにて月1で連載中です。

作者は田口雅之、小池倫太郎の両先生。
小池先生の紹介、田口先生の他著作や本作品第1巻の紹介は「田口雅之」のテーマにまとめておりますのでよろしければご覧下さい。

さて、マフィアとホテルマンの取引やトラブルを描いているこの作品。
第1巻のキャラクター紹介的なシリーズとは変わって、第2巻では3話ほど使った中編のストーリーが掲載されています。

最初の話は裏世界の交渉人、アドミラル・ジョニーとその相棒ガンボートの話。
ジョニーはなんと主人公の吉良と小玉と過去に同じ海兵隊にいた、知り合いでした。
しかし実はとある理由によってジョニーは吉良を憎んでいます。
その理由というのは、吉良がジョニーに海兵隊の訓練中下剤入りの水を飲ませてうんちっちを漏らさせたというものでした!
突然のお漏らしに「赤痢ではないか」と誤解させ、面倒な訓練を中断させる為にやったことなのですが……
そりゃぁやられたほうは怨みますわなぁ!
偶然出会い、しかも次の取引の相手となった吉良とジョニー。
交渉なんて糞くらえとばかりにジョニーは吉良を殺す気マンマン!
ジョニーの相棒であるガンボートは物凄い精度を持つスナイパーで、超遠距離から針の穴を通すような的確なスナイプに吉良はジワジワといたぶられます。
小玉は最初の狙撃のとき真っ先に車で走り出し、しかも車を狙撃されスリップしてビルに突っ込み生死不明……
どうなる吉良!!生きてるのか小玉!!

そして次なるお話は実質反則無し、そしてドーピングまでなんでもアリアリの賭け格闘の話。
その賭け格闘を楽しんでいたのはランオーバーと中国マフィアのマダム揚。
しかしお互いの感情がヒートアップし、ついにはランオーバーの改造車椅子とマダム揚の両足をかけた大勝負にまで発展してしまいます。
新薬ドーピングで超パワーアップしている揚側の格闘家に対抗するにはやはり一流の格闘家に同じ薬を使ってぶつけるしかない、とランオーバーはクロアチアの超実力派格闘家を呼び寄せるのですが……薬の効果で暴走してしまったのです!
その格闘家が止まっているのは勿論ランオーバーも利用する吉良達のホテル。
そして暴れているとなればセキュリティ担当の小玉の出番。
強いものと見れば戦いたくなってしまう小玉、肉体と肉体のぶつかり合い、肉弾大バトルが始まります!!

相手はドーピングして凄まじいパワーを持っているわけですが、小玉の力はそれ以上でした。
ボロボロになったものの相手の心までへし折って勝利をおさめます。
相手は再起不能、小玉は重傷で戦うことは無理。
……ランオーバーの選んだ格闘家も、代役にふさわしいであろう小玉も潰れてしまったわけです。
このままじゃランオーバーさん直々にぶっころれますよ、と言うわけで吉良は代役を探します。
ですが当然勝負直前でドーピングまでアリアリのオファーを受ける競合格闘家など居るはずもなく……
都合がついたのはマイナー団体のチャンピオン。
はっきり言ってこの勝負にはふさわしくない、実力不足の男でした。
しかし吉良にはなにやら秘策があるようで、勝負の日をそのまま迎えます。
当日試合場に立ったのは……
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吉良でした!
肉体派ではないと自称する吉良、一体何の考えがあって勝負に立ったのでしょうか!?
とにかく、吉良らしい戦闘が繰り広げられることは間違いなし!

第2巻はこの2編のバトルメインの1冊になっていますが、小玉の生い立ちが明かされるストーリーも収録。
そちらの短編でも小玉が大暴れしていますので、とにかく今巻はバトル一辺倒となっています。
それにしても新キャラのジョニーとガンボートといい、
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ドーピングした二人の格闘家といい、
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ブサイク個性的な顔立ちのキャラクターが大勢活躍します!
小玉からしてあれですし、親御さんもこれですし、
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田口先生はイケメン意外も活躍させていてステキですね!!
俺だって……いつか活躍できるかも……知れないんですね……

正々堂々はかえって邪道、何でもありのマフィアアクション、「ブラック・ジョーク」第2巻は好評発売中です!
個性豊か過ぎる、アクが濃厚なキャラクターが続々登場し、それが皆叩きのめすか叩きのめされる快作!
「ねーよw」と突っ込みを入れつつもスカッと楽しめる作品です!
ヤンチャンだけに知名度は低いですが、楽しめることは間違い無しですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





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本日紹介いたしますのはこちら、「ブラック・ジョーク」第1巻です。
秋田書店さんのヤングチャンピオン・コミックスにて刊行、ヤングチャンピオンにて月一で連載中です。

作者は田口雅之、小池倫太郎の両先生。
田口先生の紹介は09年3月2日「バロンゴングバトル」の記事にて触れておりますのでそちらもご参照下さい。
小池先生は珍しい経歴を持つ方で、有限会社TELESCOPEの社長業をこなしながら、「メイドインドリーム」と言う成年向けゲームのシナリオを担当されたり、「ふらさせら」というPS2のノベルゲームのシナリオを書かれたり、マジキューで読者参加企画の構成を担当されているなど、かなりいろいろな仕事をなさっています。
漫画の原作も複数されていますが、萌えやエロスを前面に押し出していない作品を発表するのはこの作品が初めてのようです。

さてこちらの作品、簡単に言えば裏社会アクション漫画に分類されます。
舞台は日本、ですがいわゆるパラレルワールド的設定で、日本はアメリカの51番目の州として存在しています。
その中の東京市では風俗営業が全面禁止されてしまっているのですが、その代わり東京湾の埋め立て地に「きぼう島」が作られ、そこはカジノなどがの風俗営業が合法な特区とされています。
そのきぼう島は「ネオン島」と呼ばれ、ラスベガス以上の大人の遊園地として評価されている裏で様々な人種のマフィアが蠢く闇の島となっているのでした。

そのネオン島の日本人組織で唯一マフィアに対抗できる「TD温泉ホテル」で働く男、吉良潔(きらきよし)
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と小玉童示(こだまどうじ)
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が主人公。
彼らはホテル内カジノのボーイとして働いているのですが、本当の仕事は上司等から命令されれば殺しでもマフィアとの交渉でも何でもやる、いわば仕事人なのです。

場所が場所ですから仕事内容はどれもがバイオレンス。
「殺し屋を殺す」「ホテルの害となるスパイを泳がせ、黒幕をおびき寄せる」「イタリアンマフィアのボスを接待する」「本来なら手を出せない警察官を嵌める」等など、危ない仕事ばかり。
それでも頭の切れる吉良と、体術においては右に並ぶものがいない小玉にかかればどれもが難なく解決してしまうのです。
……ただ小玉の頭がちょっとアレなので手加減できずやりすぎちゃったりしますが。

本作のウリは裏社会を扱ったものならではの何でもありで滅茶苦茶な事件&解決法と、血生臭くもユーモラスでスマートなかっこよさが挙げられると思います。
ですが最大のウリは「キャラの濃さ」ではないでしょうか。
てはじめにTD温泉ホテルの社長である都々目。
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普通の漫画なら小悪党であっさりやられてしまうような見た目なのに本作ではどんなきつい仕事でも「頼むよう吉良ちゃーん」と気さくに話しかけてくるナイスミドルです。
普段は優しげな彼ですが、死の間際の相手に「何を話してもすぐ死ぬから問題ない」と愚痴を聞いてもらうのが大好きというゴイスな趣味を持っております。

そして車椅子を自在に駆るイタリアンマフィアのボス、通称ランオーバー。
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吉良が言うには「殺しが大好きなサディスト」なのですが、仲間に対する情は深くどこまでも追いかけて報復する恐ろしいお人です。
付き合わされた吉良達もたまったもんではありません。
なにせ「返事はスィ(はい)だけだ」と言いながら拳銃を突きつけて命令してきますからね!!

更に25歳のゴスロリさん、黒木あかり。
彼女は社長のボディーガードで見た目とは裏腹に高い戦闘能力を持ち、得意とするのは隠密行動+暗殺。
悪意を持って社長に近づくものを前もって殺す、という専守防衛型ボディーガードです!
……ボディーガードなのか、それ……?
性格は寡黙で何を考えているかわからない、不思議ちゃん系?なのですが、どうやら独特な恋愛センスをもってらっしゃるようで……
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縦につぶされて頭が体にめり込んだ男を見て「亀」と表現した小玉になんかフラグ立ててます。
……「トクンッ」じゃねえよ!!


連載がヤングチャンピオンということで、グロ描写はもうバッキバキにでてきます。
モツなんて当然のようにでてきます!
ところが意外にも直接的なエロス要素は無く、裸で抱き合ったりはするものの女性の裸体よりむしろ吉良のもっこりビキニパンツが気になるほどです!
でも濃厚なディープキスシーンならありますよ!!
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……男同士のですが……

個性豊かにも程があるキャラクターが縦横無尽もいいところに暴れまわる快作、「ブラック・ジョーク」第1巻は好評発売中です!
シナリオ面以外でもフルデジタル原稿(多分)で書き込まれつつもうるさくなっていない画面構成に、迫力のアクションシーン、ケバい女性キャラばかりだったといわざるを得ない田口先生とは思えない様々なタイプの女性キャラ、そして親父キャラのおっそろしくクドイ顔などなど見所は満載!
これは娯楽作品として非常に高いレベルにあるのではないでしょうか!
グロやら裏世界みたいなものに拒否感のない方ならきっと楽しめる作品ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





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