3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

カテゴリ: 古屋兎丸

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本日紹介いたしますのはこちら、「幻覚ピカソ」第3巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行されました。

作者は古屋兎丸先生。
古屋先生の紹介などは「古屋兎丸」のテーマにてまとめておりますので、ご興味お時間等ございましたらご覧くださいませ。

人助けを続け、同時に友人も増やしていっているヒカリ。
第3巻でもその人助けは続きます。
ですが今巻では少々毛色が変わってきまして、いまだかつてない長編ストーリーが展開します!

かつて心に潜り、いまはすっかりヒカリの友人となった杉浦。
彼は同じくヒカリの友人ある茜に片思いをしています。
当の茜はヒカリの事を好いていたりするのですが、杉浦もヒカリ本人もそのことは知りません。
友人としては非常にステキな3人ですが、杉浦は茜に片思い、茜はヒカリに片思い、ヒカリは色恋沙汰自体に興味なし……なんだか一方通行だらけな感じ。
そんな妙な関係であることなど知る由もない杉浦、近付いてきた茜の誕生日をきっかけに告白しようと考えたのでした!!

杉浦が茜を映画に誘った日曜日の翌日、2人の間にはなにやら明らかに嫌な空気が漂っていました。
今ひとつ興味の湧かないヒカリですが、いつもの「誰かの悩みをキャッチして、体が勝手に絵にしてしまう」発作が発症!
その絵は東京タワーをバックに降りしきる雨、そして空に浮かぶ大きな薔薇、というまた良くわからないものでした。そこに昼食を誘いにやってきた杉浦。
その絵を見るとみるみると顔色を変え、
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「何故このことを知っているのか」と驚きの声を上げます。
説明なんて出来ようもなく、逃げ出そうとするヒカリ。
ですが身体能力は杉浦が圧倒的に上であっさりと捕まってしまいます。
問い詰められるヒカリはもうこうなっては仕方ないと覚悟を決め、杉浦の心の絵へとダイブするのでした。

絵の中では巨大なスクリーン上のものがあり、そこでは一つの情景が繰り返されていました。
それは杉浦が茜に青い薔薇のネックレスをプレゼントしている場面です。
なんでも茜は青い薔薇が好きなものの、それは作るのが難しい幻の薔薇と言えるものでいつか見るのが夢なんだそうで。
杉浦もどこかでその話を聞いた事があるらしいのですが、それよりそのネックレスをつけた茜に目を奪われています。
なにやらいいムードになる二人。
杉浦はとうとう意を決してそっと茜の手を握り、後ろからそっと抱きつきます!
そしてついに好きだと告白し、唇を近づける杉浦!!
ですが
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茜は杉浦を突き放し、そういうことならこれは返すとネックレスを突き返して去っていってしまうのでした。

その光景を心の中で反芻し、悲しみにくれているらしい杉浦。
そんな折、現実世界ではクラスメイトの女子が杉浦に告白してきます。
傷心の杉浦はひとしきり彼女と遊んだあと、思わず自宅へと誘い込みました。
自分の気持ちを押さえ込み、一時の感情に流されてしまいそうになっている杉浦。
ですが心の絵の中ではヒカリがちょうどひときわ輝く記憶の泡を発見!
それは子供の頃、青い薔薇を探す少女と杉浦が出会った記憶でした。
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そしてその少女はなんと幼き日の茜!
杉浦はその記憶と共に茜への確かな想いを思い出し、素直にクラスメイトに付き合うことは出来ないと謝罪。
茜にその思い出と気持ちを伝え、しばらくは茜を好きなままだからと気が変わるのを待つことにしたのです。

とりあえず一件落着した2人の関係。
ですが杉浦からすればなぜヒカリが二人しか知りえないことを知っているとしか思えない絵を描いたのか、不思議でなりません。
真っ向から問い詰める杉浦にヒカリは観念し、杉浦だからすべて話す、事実を知っても嫌わないでくれとあらかじめお願いした後、全てを語りました。
一般的には死んだはずの千晶がここにいること、人の心を絵に描いてダイブすること、それで今まで茜たちを救ったこと、人助けをしないと体が腐っていくこと。
今まで描いてきた心の絵や、腐り始めている腕などを見せながらありのままを伝えたヒカリ。
そして心を見た面子の中には自分も含まれている。
それをきいた杉浦の反応は
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……生理的に受け付けない、お前とは絶交だという無情なものでした……

最初は平然を装うヒカリですが、やはりやっと出来た友達に絶縁を突きつけられた事は大きなショックでした。
その日は夕方まで河原で一人泣きつづけたヒカリ。
翌日も気はおさまらず、声をかけてくれる茜たちをいつも以上に冷たくあしらってしまうのでした。
もともとは友達なんていなかったんだと、気を取り直すため絵を描き始めるヒカリ。
すると突然誰かの今まで感じたことのないほど激しい心の闇を感じます!
出来上がった絵は歯車だらけの何かの機械の内部らしきもの。
ですが絵を描きあげても視界を覆うもやは消えません!
恐怖に怯えて悲鳴を上げつつふらつき、教室を出てどこかへと消えていってしまうヒカリ。
気がつくとそこは
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何も見えない真っ暗な闇の中。
誰かの心の中なのは確かなようですが、こういうときいつも隣にいる千晶の姿はありません。
闇に怯えて泣きながらさまようヒカリですが、へたり込んでいるとなにやら音が聞こえ始めました。
その音に混じってかすかに聞こえる千晶の声。
それをたどると微かな光の漏れてくる隙間を発見します。
こじ開けるとなんとその先には……!!

現実世界ではヒカリが昨日から家に帰っていないと大騒ぎになっていました。
絶交を申し渡してショックを与えた自分のせいかもと思い悩む杉浦。
その様子を見た茜に何かあったのかと問われた杉浦は、洗いざらいヒカリのことを話してしまったのです。
ですが茜は気持ち悪がるどころか、一生に関わることを治してくれたんだからとむしろ感謝を現します。
杉浦も落ち着いて振り返ってみれば、ヒカリの助けがなければ人生の道を踏み外してしまっていたかもしれないと思い直し、ヒカリの捜索に向かうことを決意。
そしてヒカリが今まで助けてきた生徒達を招集し、協力を要請します!
詳しい事情は明かされずとも、なんとなくヒカリに助けられていたことをわかっていた一同は快く捜索に参加。
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かつて誰一人友達のいなかったヒカリ。
いまや多くの友人達……心でつながった心友たちが探してくれるまでになっていたのです!

ヒカリの潜った心は誰のものなのか?
杉浦達はヒカリを見つけ、救い出すことが出来るのか?
そして人助けをしないと腐っていくという体や、天使のような姿となった千晶に隠された真実とは?
すべての謎は明かされ、物語は感動必至のフィナーレへと突き進みます!!

というわけで遂に完結を迎える本作。
300Pを超える大ボリュームの第3巻の半分を使って紡がれる最終エピソードは、完結編にふさわしい急展開の連続です!
クライマックスはとにかく盛り上がり、人によっては涙なくして読み進められない感動の渦を巻き起こします!
もともと全2巻予定だったらしい本作。
それを全3巻、それぞれかなりの厚さの為普通のコミックスなら4冊分ほどの分量にボリュームアップしているだけあって、かなり満足感の感じられるエンディングに!
読後感の良い希望に溢れつつもさみしさを感じさせるラストは必見ですよ!!

前述したとおり、300Pを超える分厚い一冊となった最終巻。
そんなおなか一杯になれる本文に加え、4Pにもわたるあとがき、折り返しまでしっかり描きこまれたカバー、エンディングのあとを感じさせるカバー下本体のイラスト、そしてカラーピンナップまで付いて、全面に渡ってボリューミーな仕上がりです!!

古屋先生の現時点での全てを詰め込んで生まれた「幻覚ピカソ」最終第3巻は全国書店にて発売中です!
今までの数々の人助けエピソードも十分面白かったのですが、この最終章は更に上を行く完成度!
思春期の悩みなんかを取り扱うタイプの作品を好まない方も、是非読んでみていただきたいエピソードですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


幻覚ピカソ 3 (ジャンプコミックス)
集英社
古屋 兎丸

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本日紹介いたしますのはこちら、「幻覚ピカソ」第2巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、ジャンプスクエアにて連載されています。

作者は古屋兎丸先生。
本作第1巻は09年2月4日の記事にて紹介しておりますので、よろしければそちらもご覧下さい。

第1巻で事故から命を救われた代償として、人を救わなければ体が腐っていくと言う状況に陥ってしまったヒカリ。
いっしょに事故に巻き込まれて命を落とし、妖精のような姿となった千晶とともに悩む人の心中を絵にして中に入り込み、中から心の傷を癒すと言う能力を使って今日もいやいやながら人々を救っていくのでした。

この第2巻でもその構造は変わらず、様々な少年少女の悩みを解決していきます。
ですが前巻とは違い、前後編で構成された長めのエピソードが多く収録されております。

今回の問題はなかなか多岐に富んでおり、アニメキャラのBLイラストを描いて楽しんでいる腐女子やら、ネット上でブログを運営している少女を勝手に脳内彼女に設定してしまう少年やらが登場。
さらにどう見てもネズミが活躍する夢の国をモデルにしたボリスワールドというテーマパークにハマりまくってはいるものの、心の中では
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キャラクターをズタズタに切り裂いていると言ういろいろな意味で危ないエピソードも収録されています!!

そして今回の第2巻で印象的なのはこの「菱田君の聖戦」と言うお話です。
クラスの誰にでもやさしく親しげに接する美少年、菱田。
ヒカリのような変人扱いされている異端のような存在でもごく普通に話し掛けてくる彼ですが、あるときヒカリは彼からものすごい悩みのオーラが出ていることに気が付きます。
早速その心理状態を描いてみると、
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中世の騎士のような人物達が戦っている絵でした。
もしこの絵の中に入ることになったら大変だと尻込みするインドア系少年のヒカリですが、その絵を通りがかった菱田に見られてしまいます。
菱田は一目見るなりその絵を気に入り、ヒカリに頼み込んで絵を譲ってもらいたいと懇願。
渡してしまえば絵に入り込めないのですが、「この絵を見れば頑張れる気がする」といっていた菱田自身に問題を解決してもらえばいい、とヒカリはむしろ喜んで渡すのでした。

数日後、ヒカリの体の腐敗は進んでおりまだ菱田の悩みは解決していない様子です。
何もしていないも同然なのですからあたりまえなんですけど……
そんなとき、菱田が授業中にトイレに行きたいといって教室を出て行きました。
直後に便乗して女生徒もトイレだと嘘をついて合法的(?)に授業をサボりに出かけます。
そしてその女生徒がある場所に入っていく菱田を目撃!
その場所とはなんと女子トイレだったのです!
現場を目撃され、何をしていたのかと糾弾される菱田。
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何か盗んだりしていたのではないかと荷物をひっくり返されるのですが、そこには化粧品や女性向ファッション誌、更にはスカートや女物の手帳まで入っているではないですか!
以前学校でスカートがなくなったことがあると言う女子まで現れ、犯人ではないかと疑われる菱田。
ずっとうつむいていた彼ですが、手帳を手にとられたときには顔色を変えました。
その手帳にはさまれていたヒカリの絵が開かれると突然ヒカリは絵の世界にダイブしてしまいます。
心の中で1人、多くの敵と戦っている甲冑の騎士。
この心の中があらわす菱田の問題とは何なのか。
菱田は本当に女子のものを盗んだりしていたのか。
そしてヒカリは菱田の手助けとなれるのか。
菱田の深い悩みが明かされ、ヒカリと千晶が真っ向からぶつかります!

古谷先生独特の緻密で繊細な絵柄は健在で、心の中のスケッチ風な絵柄では輪をかけてしっかりと描き込まれ、みるものを引き込む魅力を持っています。
取り扱った悩みは奇抜なものが多いものの、同時に思春期らしい悩みでもあって唸らされます。
暗くなりがちな悩み解決物ですが、ヒカリが千晶や友人達とコミカルな掛け合いを見せてくれることもあってどろどろしたものが残ることもなくやむことができるのもステキ。
友達のいなかったヒカリの周囲もだんだんにぎやかになっていき、今後ヒカリ自身がどう変わっていくのかも楽しみです!
でも
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筋肉好きは変わらないでほしいもんです!筋肉は……イイ……

ジャンプスクエアセカンドに収録された番外4コマ漫画が収録され、「ピカソ、千晶の悩み相談コーナー」といった単行本書き(語り?)下ろしの企画も収録され、雑誌で読んでいる方も納得の充実の内容!
更にカバー下本体にも2色使われていると言う凝った仕様です!
552+税円とお値段が張る……と言うのもあたりまえの290P超でカラーピンナップつきの物量的にもおなかいっぱいの一冊ですよ!!

少年少女の心の闇を、バッサバッサと描いて切る「幻覚ピカソ」第2巻は好評発売中です。
ヒカリと友人の万場のサービスシーンも収録!!
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ウホッ!!いい男!!!
ノンケの方ももちろん楽しめるこの一冊、じっくり腰を据えて読んでみていただきたい!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


幻覚ピカソ 2 (ジャンプコミックス)
集英社
古屋 兎丸

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本日紹介いたしますのはこちら、「幻覚ピカソ」第1巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスにて刊行、ジャンプSQにて連載中!

作者は古屋兎丸先生。
先生の紹介や、乙一先生との共著である「少年少女漂流記」の紹介は08年10月11日の記事にて記載しておりますので、御興味等ございましたらご覧くださいませ。

さてこちらの作品、特殊能力によって悩みを解決する物語です。
ですがやはり普通の作品ではなく、古屋先生ならではの味付けが施されています!

画家を目指すチビで内向的な少年、葉村ヒカリ。
千晶という少女によってピカソと呼ばれることになった彼は、友人を作る事もせず毎日河原で水の絵を描いてすごしていました。
そんな彼をそばでずっと見守っていた千晶。
ですが不幸にもその河原にヘリコプターが墜落!
ヒカリは軽い怪我のみで住みましたが、千晶はヘリの下敷きとなって死んでしまったのです……

悲観するヒカリですが、彼の前に手のひらサイズになった千晶が現われるではないですか。
彼女はどうやらヒカリにしか見えていない様子。
そして彼女が言うには先ほどの事故で実はヒカリも死んでいたと言うのです。
ところが千晶が死の間際にヒカリを助けることを神仏に祈ると、条件付で助けてくれることになったのだと!
その条件とは「人を助ける」こと。
人を助けないとすでに死んでいるヒカリはどんどんと腐っていってしまい、最後には死んでしまうと言うのです!
腕を見ると確かに腐り始めています!グロっ!!
気乗りはしないものの、その時与えられたと思われる「人の心を絵として見れる」「その絵をスケッチしたものからその人の心の中に入れる」と言う能力を使い、ヒカリの人助けが始まるのでした。

古屋先生の持ち味である丁寧で緻密、かつそこはかとなくエロスを感じさせる描写は健在。
それだけでなく、作中に登場するスケッチは本当に自身が描いたスケッチを使ったり、心の中ではそのスケッチ調の絵柄のまま物語が展開し、現実世界では普通の漫画らしい絵柄で進んだりするなどの新しい手法が試みられています。
絵柄だけでなく表現自体も素晴らしく、心の中をあらわしている幻想的な風景は独創性と凄まじいこだわりを感じさせてくれます!
ストーリーもあらすじ自体はそれほど珍しくはありません。
ですが独特な主人公造形や、心の中に入り込んで心理的に直接救っていくと言うオリジナリティの強い要素が豊富で普通の作品の枠に収まっていません。
人を救うにつれて友人が増え、ヒカリの心にも変化が現われていく展開も、今後どうなるのか予測が付かないような付くような……とにかく目が離せませんよ!
死んでいる千晶がヒカリの支えになっているわけですが、このままずっと一緒と言うわけにもいかないでしょうし……ああ、先が楽しみでしょうがありません!

この第1巻、カラーでポスターが付き、書き下ろしのイラストも多数収録。
巻末には精神科医による解説もありオマケがたっぷりです。
その上カバー前面は勿論のこと折り返しの作者コメントから裏面の作品解説に到るまで直筆による書き下ろし!
カバー下の本体表紙にも人物&アイテム解説なども書かれており、挙句ページ数の表記までオリジナルと、まさに完全に隙のない一冊に仕上がっております!
514+税円とジャンプコミックスとしては少々お値段が高めな印象を受けますが、この気合の入りっぷりに加えて250P超の大ボリュームなのですからむしろお徳と言えるのではないでしょうか!!

奇才、古屋兎丸先生が贈る初(多分)の少年漫画にしてニューウェーブ精神世界漫画、「幻覚ピカソ」第1巻は本日発売です!
傑作のにおいを感じさせる異色作品の第1歩、必読ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!

表紙はこちら!!
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幻覚ピカソ 1 (1) (ジャンプコミックス)
集英社
古屋 兎丸

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本日紹介いたしますはこちら、「少年少女漂流記」です。
小説すばるに連載されていたものをまとめ、集英社さんから刊行されました。

作者は古屋兎丸(ふるや うさまる)先生と乙一(おついち)先生。
古屋先生は月刊ガロで1994年にデビュー後、「鈍器降臨」等の単行本を多数発行し、スピリッツに「π」を長期連載。
その後も「彼女を守る51の方法」等の話題作を生み出し、現在はジャンプSQで「幻覚ピカソ」を連載しています。
緻密で丁寧な絵柄が特徴で、多種多様な題材を取り上げた漫画を生み出し続ける多彩な漫画家です。
一方の乙一先生は1996年に「夏と花火と私の死体」で若干17歳の若さにしてジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞した小説家です。
その後も様々な作品を発表し、「GOTH リストカット事件」で第3回本格ミステリ大賞を受賞。
その後も「ZOO」「暗いところで待ち合わせ」「きみにしか聞こえない」「手を握る泥棒の話」「KIDS」「死にぞこないの青」「失踪HOLIDAY」など様々な作品が映画やドラマなどになっています。
12月には「GOTH」の映画も公開予定でますます上り調子。
……最近ちっとも新作を書いていないのが玉に瑕ですが。
漫画好きからすると「JOJOの奇妙な冒険 The Book」が有名でしょうか。

さてこの「少年少女漂流記」は小説すばるで連載されていた変り種です。
そのおかげもあり俺自身出てることを知らずに購入したのは発売だいぶ後でした。
どういう話なのかといいますと、十代の少年少女が直面する悩みや事件からなる様々なドラマを描いた作品です。
乙一先生と古屋先生らしい、文学的というか、精神世界を描いた様な摩訶不思議な展開が続きます。
8人の少年少女たちがそれぞれまったく別の場所で別の悩みを抱え、あるものは前向きに立ち向かい、あるものは世の中を憂い、あるものは自分の立ち位置だと諦める……
そんなとき、巨大な台風が関東を襲います。
それは第8話の主人公の少年が夢か現かわからぬままに育てていた竜巻と融合し、凄まじい大きさに成長します。
そしてそれはまるで示し合わせたかのように主人公達を渦の中に巻き込み、一つの場所に集めます。
元の場所に帰るには皆が帰りたいと願えばいい……ですが主人公達は二つに割れます。
帰りたいものと、帰りたくないものに。
主人公達は自分の考えをぶつけあうのですが……
最後に主人公達に起きる結末はどちら側の物なのでしょうか。

この作品は主人公達の「未来への不安と希望」が描かれた傑作です。
奇抜で奇想天外な主人公達に起こる数々の出来事はきっとあなたを驚かせ、最終的にあなたの心に何かを残すことでしょう。
少々展開に突飛過ぎるきらいはありますが、最終話でそれを補って余りあるすばらしいまとまりを見せてくれるので大丈夫です!(多分!)
ついでにファンにはたまらない乙一先生と古屋先生の対談も9ページに渡り掲載。
若い学生さん達に贈る、そしてかつて青春時代をおくってきた全ての人に読んでもらいたい「少年少女漂流記」は全国の書店で発売中です。
箱入りでA5版の特殊な装丁で見つけづらく、おまけに2007年初版の本ですので店頭に無いかもしれません。
そんなときは注文だ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!

少年少女漂流記
集英社
古屋 兎丸

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