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今回紹介いたしますのはこちら。

「闇異本」第2巻 原作・外薗昌也先生 漫画・高港基資先生 

日販アイ・ピー・エスさんのLINEコミックスより刊行です


さて、世にもおぞましい奇妙な物語を語る「黒い人」と、その恐怖譚を聞くと体に出てくる肉瘤を作るための畑としてとらえられてしまった野中。
今日も黒い人は階段を語り、野中の体から生み出される肉瘤をむしり、食らうのです。



樋口は職場の先輩と、仕事先に車でむかっていました。
あるトンネルに差し掛かりますと、先輩は突然速度一定で走るから、トンネルを通る時間を計ってくれと言い出します。
訳が分からないまま、時間を測りだす樋口。
トンネルの中で、
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壁に向かって立ち尽くす女性を見かけた気がしましたが……普通に人も立ち入ることのできるトンネルですので、その意図はわかりませんが誰かがいてもおかしくはない、のかもしれません。
ほどなくトンネルを通り抜けました。
通過時間は4分58秒。
先輩はそれを覚えて置け、とだけ命じてきまして、そのまま仕事に向かうのです。

仕事を終え、再びそのトンネルを通ります。
先輩にまた命じられ、通過タイムを計りますと……2分32秒。
行きの半分ほどの時間で通過したという事は、先輩は相当急いだのでしょうか?
ですが先輩が言うには、行きも帰りも時速50キロ固定で走ったのだとか。
なんとこのトンネル、通るたびに通過時間が違うのだ、というのです!
長さを考えると、2分ほどで通り過ぎるはずのこのトンネル。
先輩は一人で通っている時も何度も測っているのだそうですが、なぜか10分以上かかってしまったこともあるのだとか……
ミステリースポットじゃないですか、と興味津々の樋口でしたが、その興味もすぐに恐怖にかき消されてしまいました。
なぜなら、バックミラーにぶら下げられていたお守りが、触ってもいないのにぐるぐるとねじられていたのですから!
なんでも先輩が以前に通った時には、カバンの中の傘や弁当箱がバキバキに壊されていたのだといいます。
通過に10分かかった時には、車の側面に手でつかみかかったかのような爪痕が付けられたそうで……
時間のことに気づいても、それ以上関わるな。
トンネルの中にいる何かが、そう警告しているのかもしれない。
先輩はそういうのです。

このトンネルにはこんなうわさ話がささやかれています。
昭和のころ、トンネル内でひき逃げされた女が、そのまま道路の真ん中に置き去りにされてしまいました。
暗いトンネルの中だったせいか、女は誰にも気づかれないまま……通る車十数台に轢かれ続け、そのまま死んでしまった……
そんなうわさ話が背景にあるとなると、より恐ろしさも、興味も増すというもの!
後日樋口は怪談に目がない友人、内田を連れ、トンネルに向かったのでした。

通るたびに通過時間が変わる。
内田と二人でもその奇妙な出来事は巻き起こり、内田はテンションを上げていきます!
十往復もすると、樋口はすっかりうんざりしてしまうのですが、内田はまだまだ興味津々!
樋口が見たというトンネル内の女もまだ見ていないからもっとトンネルを通る、息巻きます。
疲れ果てた樋口はもよおしてきたこともあり、降車。
そのあたりで用足しするから、一人で行って来いと内田を送り出しました。
……が。
樋口が用を済ませて……その後、待てど暮らせど内田は一向に帰ってきません。
電話をかけてみても、なぜか繋がらず。
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内田はそのまま行方不明になってしまったのです……

警察にも相談したものの、現場があのトンネルだと聞いた警察は明らかに困ったような感じになり、消極的な対応しかしてくれません。
このまま内田は帰ってこないのか?
そんな予感もし始めた1週間後、内田はふらりと自宅に戻ってきたではありませんか。
ですがその様子は完全におかしくなっており、呆然と立ち尽くし、中空を見つめたまま何もしゃべらず……
すぐに入院となったのですが、体に異常はなし。
精神的なダメージを負ったのか、と医者も首をかしげるばかりなのです。
そんな内田のもとに見舞いに行った樋口。
病室に二人きりになると、内田が突然口を開いたではありませんか!!
あの時、あの時お前を降ろして、一人で一人で一人でトンネルに入った入ったら。
何分走って走っても、出口出口出口に着かなかったよ。
そんな正気とは思えない口調のまま、内田は語り続けました。
30分以上、100キロを超える速度で飛ばしても出口にはつかなかった。
すると突然、窓ガラスに血しぶきが飛び散った。
道路を見ると、そこには無数の肉片が散らばっている……
そこで気が付くと、いつの間にか後部座席に誰かが座っていた。
後部座席にいたのは、女。
その女はこういった。
わからないの?
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自分が死んだこと。
……そこまで話すと、内田は再び何も語らぬ無反応な状態に戻ってしまったのです。

そしてその夜のことです。
内田に、恐ろしい出来事が巻き起こってしまったのは……



というわけで、黒い人がかいだんをかたっていく今巻。
今回ご紹介しました「怪トンネル」のエピソードの他にも、粒ぞろいの恐怖が描かれていきます。
このお話のような比較的スタンダードな心霊の恐怖の他、理解不能な人間の恐ろしさを描くお話や、非道すぎる人間がその非道を以て呪いを迎え撃つお話などなど、8話が収録されております。
どれもが外薗先生ならではのおぞましい恐怖が形作られ、高港先生らしい鬼気迫る恐怖の色がそのなかにたっぷりと詰め込まれているのです!
さらにそのお話と同時に、野中と黒い人の物語も進行!
肉瘤を生み出しては切り落とされてしまう野中なのですが、どうやらこの肉瘤を生み出すために語られる怪談に傾向によって、その肉瘤のでき方が変わってくるようで……!
肉瘤を食べるにつれて変貌していく黒い人。
その謎は一層深まっていくわめです!!

これからも語られていくであろう怪談とともに、黒い人の正体や真の目的なども気になる本作。
今後も目を離すことは許されません……!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!