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今回紹介いたしますのはこちら。

「不死と罰」第1巻 佐藤健太郎先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。 


さて、「魔法少女・オブ・ジ・エンド」「魔法少女サイト」と、相次いで斬新な魔法少女物を描き、ヒットを飛ばしてきた佐藤先生。
そんな佐藤先生の最新作となる本作は、やはりというかなんといいますか、今回もホラー系の作品です。
ですがやはりそこは佐藤先生、少し変わった題材を選んでいるようで……?



街中で待ち合わせを行い、出会った男女。
どうやら二人は、お金で肉体の関係を結ぶために約束をしていたようです。
ですが……何やら男性の方、どうも男性機能が不全のようで。
結局本番には至らず、女性にひたすら奉仕をして終わりという事になりました。
行為が終わると男はバスルームへ。
これでもかという程口をすすぎ、体を洗い……
部屋に戻ると、そこはもぬけの殻。
女性は最初からそのつもりだったのか、男の財布から金を抜き取り、部屋から逃げていたのでした!!

思ったよりお金を持っていなかったなと毒づきながら、女は町を歩いていました。
本来ならこのまま男を思い出すこともないのでしょうが、最初に会った時から何か引っかかりを感じていたようで。
逃げる前に念のためとっておいた男の身分証の画像を見てみると、そこに書いてあったのは「矢風文人」という名前でした。
矢風文人。
女が感じていた引っ掛かりは、これでした。
矢風文人は、
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数年前に日本を震撼させた凶悪連続殺人事件の犯人である、「元少年」だったのです!!
とんでもない人間からお金をとってしまった、と震える女。
返さなければ……とつぶやいたその時でした。
彼女のもとに、思いもよらない「モノ」が現れたのは!!

一方その頃、文人は部屋で一人ニュースを見ていました。
そこでは、都内各地で多数の男女が突然暴徒化、通りがかりの人を襲っているという報道がされています。
どうやらその暴徒、暴徒……というより、凶暴化と言った方が正しいようで。
政府は未知のウィルスか何かによって、凶暴化が引き起こされているのかもしれないという見解を出しているようです。
……そしてその報道の真っ最中に、にわかには信じられない続報が告げられます。
凶暴化した人物に襲われ、亡くなった方が……よみがえり、同じように凶暴化している、という衝撃的な続報が!!
撮影された動画も流れたのですが、それはさながら
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「ゾンビにかまれ、ゾンビになった」としか言いようのない様子で……!!

感染は都内全域に広がり、パニックになっているようです。
部屋を出ようとする文人ですが、このホテルのシステム上、部屋代を払わないと部屋から出られません。
女にお金を持ち逃げされたため出られない文人、フロントに電話をしてどうにかしてもらおうとするのですが、何の音沙汰もなく。
とある大切な人物から安否を心配した電話がかかってくるも、それもすぐに切れてしまうのです。
直後、母から電話がかかってきました。
文人は……少し考えた後、着信を拒否しました。
文人と母の間に何があって、文人は何を思ったのか。
それを読者が知る間もなく、突然文人の部屋のドアが激しくたたかれました!!
先ほどの女が帰ってきたようです!
明けてくれ、おかしな奴がずっと追いかけてくる、という女。
……彼女も凶暴化した人に襲われたのでしょう。
最初こそ中に入れてもらうために今までのことをあれこれ取り繕う女だったのですが、お金のない文人はドアを開けられません。
そして凶暴化した人がすぐ近くまで来て、追い詰められると……女は怒鳴り散らし始めました。
開けたくないだけだろう、とっとと開けやがれ、この人殺し!!
……直後、大きな悲鳴と激しい物音が響き……ドアの下の隙間から、大量の血が流れ込んできました。
どうやら女が凶暴化したものに殺されてしまったようです。
そして凶暴化したものは、ドアノブをまわし、ドアを激しくたたき始めました。
足元に溜まっていく大量の血液。
それを見ると、文人は「あの時」のことを思い起こします。
するとどうしたことでしょうか、今まで反応しなかった文人の男性機能が、一気に目覚めて……!!
病気だ、生きてちゃいけないんだ。
そうつぶやく文人ですが、直後にある記憶がフラッシュバックします。
あんたが死を選ぶなんて許さない。
生きて生きて、犯した罪を背負いながら生き続けて、償い続けろ。
その痛みが、苦しみが、あんたの罰となる。
…………文人は頭を抱え、許しを請い始めました。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
もう死ぬなんて言わないから。
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生き続けるから……!
そう呻く文人の部屋に、凶暴化したものが続々と詰め掛けていくのでした……



というわけで、ホテルの一室がメインの舞台となり、主人公がかつて犯した罪を償うために「死ねない」と心に深く刻み込んでいる……という、独自の設定が盛り込まれている本作。
佐藤先生らしい、パニックホラーにヘビーな設定を盛り込んだ作品となっているわけです!!
今後はわかりませんが、この第1巻では完全に舞台はこのホテルのみ。
文人は部屋から出ることもできず、物語は進んでいくのです。
そうなるとどうやってお話が進んでいくのか、となるわけですが……
なにせここはホテルです。
他の部屋にも同じように閉じ込められた、様々な事情を持つ人がいますし、応答のなかったフロント、従業員もいるのです!
彼らと文人の物語が交わり、都内中がパニックになっている巨大な規模の物語が、ホテルの一室という小さな一区画から描かれていくのです!!
今後もこう言う切り口で進んでいくのか、ホテルの部屋を出て物語が進んでいくのか?
パニックモノとしてももちろん、独自の切り口をどう料理するのかも要注目ですね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!