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今回紹介いたしますのはこちら。

「HITS(ヒッツ)」第3巻 原作・柴田ヨクサル先生 作画・沢真先生 

小学館クリエイティブさんのHCヒーローズコミックスより刊行です。


さて、突然人気女優の時世に告白されてしまった富田。
恋愛禁止の殺し屋である富田は何とか時世をあしらおうとするものの、恋愛に関しては猪突猛進型の時世の恋心はとどまることを知りません。
しかも別の世界からやってきたらしいもう一人の富田であり、こちらの世界では富田の双子の妹のユズコとして生活をしているユズも、時世の暴走に翻弄されてしまい、もう二人の生活はめちゃくちゃに!
しかもさらに時世の大ファンにして時世を狙う殺し屋の針太郎や、35歳の探偵の松田とその親友にして殺し屋の石田というタッグまで同じ高校に転校してきて、めちゃくちゃという言葉でも形容しきれないめちゃくちゃな状況になって行くのでした!



体育の授業中、授業中にもかかわらず早くも富田とユズ、針太郎、石田の三つ巴の殺し合いが勃発したその日のこと。
幸か不幸か犠牲者は出ませんでしたが、だからと言って引き下がるような半端な殺し屋はこの中にはいませんでした。
特に時世に強い執着を持つ針太郎は、富田とユズ……「ヒッツ」が同じ系列の組織の、いわば仲間である殺し屋だと知ってなお、時世を殺すことをあきらめないどころか、ヒッツを二人とも殺す、さらにどす黒い炎を燃やすのです!

その炎はさっそくお昼休みに燃え盛り始めました。
富田とユズと時世の三人で、「あーん」なんてしながらお弁当を食べておりますと、その様子をさっき満々の目で針太郎が見つめていたのです。
勿論このままにはしておけません。
ユズを一応時世のところに残し、富田が針太郎のもとへ向かいます。
ケリをつけるか、と聞いてみれば、相手もそのつもりのようで。
針太郎はユズとともに、決着の場……校舎裏に向かうのでした。

本来人気のないはずの校舎裏ですが、その日はあいにく込み合っていました。
マネージャーに告白していた野球部員、数名のいじめっ子が一人の製本所の息子だといういじめられっ子に女教師の写真集を作らせて売りさばく算段を立てていたり……
その時、いじめっ子の一人が、不自然に置いてある段ボール箱に気が付きました。
最初はいじめられっ子が持ってきた女教師の写真集が入っている箱だと思っていたのですが、効いてみればいじめられっ子は知らないとのこと。
じゃあこの段ボールは何だ、と蹴飛ばしますと、中から大量の風船が出てきました。
その風船には、時世が演じる「ワインレッド」がプリントされています。
するとそのタイミングで、そこに富田と針太郎がやってきました。
この風船はどうやら針太郎の物の様子。
ぶちまけられた風船を見るや、この場にいる他の生徒をにらみつけ、
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殺すぞお前ら、とすごみだしました。
この針太郎の「殺すぞ」は比喩でも勢い任せの威圧でもなんでもなく、文字通り「殺す」つもりで出ているセリフ。
ですがそんなことを知る由もないいじめっ子連中は、誰だお前、殺すぞ、と針太郎を睨み返すのです!
全く引く気のないいじめっ子。
針太郎も容赦なく、マジで殺そうと得意の針を突き立てる……その直前で、富田が針太郎の手を引っ張って阻止します!
富田の行動に気を取られたため、いじめっ子の繰り出してきたパンチをまともに貰ってしまう針太郎!
本来ならば相手にもならない雑魚に殴られ、怒りがわいた針太郎は、富田に掴まれたのと逆の手で針を突き立てようとします!
すると今度は富田、
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一足早くいじめっ子を蹴飛ばすことで針からいじめっ子を助けて見せたのでした!
そのまま針太郎と向かい合い、ナイフを取り出して臨戦態勢になる富田!
針太郎はがぜん盛り上がり、いじめっ子のことを忘れたかのように笑い、富田に狙いを定めるのです。
ですが自分が命を救われたことを知らないいじめっ子、怒りに任せて今度は富田に襲い掛かってきました!
ところが富田はまるで意に介さず、いじっめっこの攻撃を避けながら、針太郎へ攻撃を仕掛けていくのです!!
まともに戦い合えばどうやら富田の方が一枚上。
ですが針太郎は「殺し屋」ですから、まともに戦う必要などないのです!
ここで針太郎が使うのは、先ほどの風船でした。
青の風船は煙幕、赤の風船は催眠ガスが充填されているようで、その二つのガスを使って富田を翻弄する針太郎!!
煙幕で視覚を、催眠ガスで呼吸を封じられてしまう富田ですが、その催眠ガスのおかげでいじめっ子たちが眠ってくれたのは不幸中の幸いと言えるでしょう。
これでお互い息を止めつつ、気配の身を探って殺し合う、殺し屋の戦いになったわけですが……
針太郎はその時、富田の気配が前方右にあり……そして、同時に後ろにもあることに気が付きました!
気が付いた時にはもう一撃を見舞われてしまう針太郎!!
背後の気配は、ユズです。
石田に校舎裏で待っていて、と言われてやってきたユズが、すぐに状況を把握して戦いに参入してきたわけです!
これで戦況は一気に富田とユズに傾いた……と言いたいところですが、そう簡単にはいかないようで。
ユズを校舎裏に誘った石田が、
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フル装備で参戦!!
富田とユズ、石田、針太郎。
校舎裏での三つ巴の殺し屋バトルが勃発してしまうのでした!!




というわけで、一層混然として行く殺し屋バトル。
石田と針太郎、その目的こそ別ではあるものの、富田達を殺したいと思っていることは間違いないわけで。
殺し屋同士が戦うというだけでただでは済まないというのに、並みならぬ情念を燃やす針太郎と、富田達に興味津々な石田と言う厄介すぎる人物が相手となれば、なおさらただで済むはずもなく……!?
三つ巴の戦いは、予想不可能の大混戦となって行くのです!

そんな三陣営の激突がメインとなる今巻ですが、その戦いの中心に期せずして立ってしまっているのが時世です。
こうなればもちろん時世がらみのお話も進まないはずがありません。
時世と言えば富田にグイグイアプローチをかけているわけですが、富田の方は家訓(?)を守って恋愛禁止を貫いていくつもり……というより駒谷以外には興味がない感じなので、二人の関係は進まなそうです……と思いきや、思いがけない展開が待っておりまして……!
さらに針太郎の方も時世に対する思いを暴走させ、こちらもとんでもない行動に!!
ヨクサル先生作品には欠かせないといってもいい恋心の暴走、本作でも物語をたっぷりとかき回してくれるようです!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!