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今回紹介いたしますのはこちら。

「潮が舞い子が舞い」第7巻 阿部共実先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、海辺の田舎町で暮らす高校生たちの日常を描いていく本作。
お話が進んでいくたびに、徐々にキャラクターたちの関係も輪郭がはっきりしていって……?




今日も何時ものように取り留めのない話をしている少年少女たち。
右佐、土上、前島の男子三人に、柚下を加えまして、何やら無茶自慢をしあっているようです。
土上がこの前牛乳1パック飲んだと話しますと、前島はエナジードリンクを1日3本飲んだことがある、とその話題に乗ってきました。
たくさん飲むんだね、すごい、と柚下が感心しておりますと、イキリ癖がある右佐は負けてられないとばかりにコーヒーを1日10杯以上飲んだことあるが多い方なのか?といつものようにやってみます。
するとやっぱりほめてくれる柚下。
そうしますと今度は、土上と前島が、10時間以上連続でゲームをやったとか、起きてる間半日以上ゲームやっちゃったことがある、と言い出しましたので、またまた右佐が俺は徹夜で24時間ゲームをしてしまう、集中すると眠りを忘れてしまう、とイキリ出します。
柚下がいるため、張り切っているのでしょう……!
すごいけど体に悪いよと心配してくれる柚下に、自分の体とかどうでもいい、戦いの時俺は全も悪もない修羅になってしまう、と謎のカッコつけをする右佐。
砂糖ミルク入りのコーヒー飲んでゲームしただけでよくそこまでイキれるな、という前島のツッコミもどこ吹く風、俺はただみんなに自分の日常の話をしてるだけだ、とまだまだイキリ続けるのです。
が、そこに犀賀たち仲良しからかい系女子三人衆が乱入!
右佐ァー!何の話してたのー?と話に入ってきたのです!
そこで柚下は、右佐くんがコーヒー24杯飲んで10日徹夜したんだって、とイキリの上乗せをしつつ状況を説明。
さらに、右佐君は自身のビビるような日常話をしたいんだって、と今の流れを継続させようとするのです!
右佐は犀賀が苦手です。
嫌いとかそういった意味ではなく、犀賀が右佐のイキリを楽しんで、くっついてくるので照れて照れてどうしようもないから!
右佐は犀賀と目を合わせないようにするものの、やっぱり犀賀は右佐に絡んできます。
いいなー柚下ちゃん、右佐にイキってもらえて、わたしも右佐にイキられたいなー、だめ?と顔を覗き込んだかと思うと、
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犀賀ちゃんにもイキってちょうだいちょうだい、ちょーだい!と駄々っ子のようにイキリをねだるのです!
狐塚も面白がって、右佐くん私にもイキってぇー、とからかってくるのですが、もちろんどうしても期待に応える行動はなかなかできないもの。
すると柚下、今度は右佐くんだってイキれって言われてイキるの無理だよ、恥ずかしがり屋だから女の子苦手だし、とフォローになっていないフォローをしちゃいまして。
たまらず右佐、女子とか全然余裕!とかろうじてイキるのですが、犀賀は柚下ちゃんばっかにイキってずるい、と異を唱えちゃうのです。
そんなことをしておりますと、今度は氷室と後谷の1年生コンビがそこにやってきました。
右佐のことがお気に入りな後谷、いい年した男が同級生の女にたじたじなの笑えますねえ、今から後輩にもタジタジさせられちゃう気分はどうですか、とこちらもからかいにかかりました。
正直を言えば後谷も右佐と同レベルのアレっぷりなのですが、中学時代から交友のある後谷には右佐もそこまで緊張はしません。
たじたじするわけないとイキりますと、なんで私にはイキるんだよと後谷。
それを見た犀賀はやっぱりご不満な様子。
右佐は柚下ちゃんや後谷ちゃんはよくても、私はダメなんだ、とつぶやくと、なんだかしゅんとした感じを出してきまして……
良くない空気を感じた右佐、イキればいいんだろイキれば!と謎のイキリを発動!
俺は狐塚に緊張したことが一度もない、とまず狐塚にイキって見るのですが、じゃあまたふたりきりになって緊張させちゃおっかなー、と彼女に手首をつかまれると、早くもテレがマックスを超えそうになってしまいます!
そこに犀賀が今度は私の番、と近寄ってきまして……右佐は、犀賀と話してても緊張しない、と気もたまにあるし、とかなり腰の引けたイキリをするのが精いっぱいになってしまいました。
そのイキリを聞いた犀賀、じゃあ私たちもっと仲良くなれるってこと?ばり嬉しい、あ、でもイキってないからダメー!と右佐にチョップ攻撃をするのでした!

流れで虎美がイキってもらう番だという事になるのですが、虎美は右佐が無理して恥ずかしい思いしてるんだったら私はいいよ、と気の利くスタンスを取ってくれました。
が、そういうスタンスこそ右佐のイキリを引き出す要素!
無理してないし、恥ずかしいなんて全然思ってない!となかなかのイキリを引き出すのでした!!

するとそのまま右佐のイキリ鑑賞会はおひらきのながれに。
そこでまともにイキってもらえていない後谷が、私の番は!?と異を唱えます。
お子様右佐先輩は少しでも女になれて、かっこいいこと言えるようにもイキってもらう、いずれする恋の練習相手に私がなってやりますよ、とこちらも照れを隠し切れずにイキって来るのでした。
柚下と犀賀は、じゃあ右佐くん最後とびっきりイキらなきゃね、手加減なしのイキリ見せて、と右佐をけしかけます。
柚下、犀賀、狐塚、虎美、そして後谷の視線を一身に浴びた右佐……
少し恥ずかしがったり、焦ったりしたあと、こうイキるのです。
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世界中が俺の敵になっても怖くない。
それくらいの暗黒を背負っているくらいが俺にはちょうどいい。
……これはもうイキリとかではなく、完全に中二病的なアレでしょう。
言い終わった後、さすがに恥ずかしくなって顔を手で覆っても判るくらい真っ赤になる右佐なのですが……
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後谷もなぜかそのイキリともいえないイキリにかまされてしまっていたのでしたとさ。



というわけで、今回も右佐周りのほほえましいエピソードを収録した今巻。
その特殊な性格から女子たちに可愛がられている右佐ですが、後谷はそんな右佐が大好きなようで、なんだかんだ女子と絡むことの多い右佐の正ヒロイン的な感じを出しております!
右佐のアレなイキリにときめいてしまう後谷、お似合いと言わざるを得ないでしょう……!
これからの右佐のいじられも楽しみなところですが、二人の関係の変化なんかも期待してしまいますね!!

もちろんその他のメンバーも大活躍。
那智先生と浜というちょっと大人の二人を中心にしたお話や、犀賀・狐塚・虎美の三人娘をピックアップしたお話、水木とそのバイト仲間の面々の絡みを描いたお話など、実に様々!!
今回紹介したお話でも活躍した後谷ですが、相方(?)の氷室と一緒に焦がれる思いに振り回されまくるエピソードもありまして、そちらも必見ですよ!!

まだまだ続く何事もない楽しい日々は、今巻も健在。
次巻以降もきっと楽しくてちょっぴりセンチなお話で我々を楽しませてくれることでしょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!