ko0
今回紹介いたしますのはこちら。

「怪異と乙女と神隠し」第4巻 ぬじま先生 

小学館さんのビッグコミックスより刊行です。


さて、紅衣少女孩の脅威からなんとかシズクを救い出すことができた董子たち。
ですが蓮の周りになにやら怪しい動きが見えだしていて……?



乙のよき友人である天地のどか。
彼女は小柄でフワフワした印象の可愛らしい女の子なのですが、成績は乙に迫るほど優秀で、有名な大病院のご令嬢と言う一面も持っています。
その日も上々だったテストの結果発表のあと、乙をはじめとした友達たちとカラオケを楽しんでから、自宅に帰るのでした。

成績優秀なお嬢様も、ただ楽なわけではありません。
テストの結果を見せようと父を尋ねても、忙しい父と会うことすらできず、家に帰れば待っているのは家族ではなく家庭教師。
帰宅後着替えるとすぐに授業が始まります。
授業自体はノドカにとってはそれほど難しいものではないのですが、家庭教師にはいずれあなたが病院をつぐんだ、みんなそれを望んでいる、と言ったようなプレッシャーのかかる言葉をささやいてきまして。
彼女にかかる重圧は並大抵ではありません……が、そんなことよりのどかが気に入らないのは、自分の趣味である歌やダンスをSNSで発信することに許可を出してもらえない事!
歌って踊って、それをみんなに褒められたい!
そんな年相応のささやかな夢にチャレンジすることすら許されず、ノドカのフラストレーションはたまる一方なのです。
彼女の不満を解消するのは、お気に入りのVTuber、姫魚よるむんの配信を見ること。
のどかは誰かに邪魔されないようにタブレットに配信を映し、ベランダに出て楽しむのです。

よるむんの配信は、特に目立った特徴的なことをするわけでもなく、世間話や歌、視聴者の相談に乗るなどの普通のもの。
心地いい彼女の緩やかな配信に癒されていたのどかなのですが、その日は少額の投げ銭とともに投げかけた相談に答えてもらうことができました。
アイドルになりたいけど、親の期待を裏切って夢を追う勇気が出ません。
そんなノドカの相談に、よるむんは「応援する」と言ってくれます。
無責任に聞こえるかもしれないけど、自分も似たようなものだから応援する。
VTuberじゃなかったら自分はこんなにみんなに見てもらえなかった、自分はVに出会えて道が拓いたんだ。
その幸運に出会えたのは、夢をあきらめなかったからで、挫折した人との違いはきっとそれだけなんだ。
不安でも踏み出してあきらめなければきっと夢は叶う、ソースは私!
だから私はここでずっと応援してるよ!
ko1
それは彼女の個人の見解に過ぎません。
ですが、その言葉がのどかに力を与えてくれたのは間違いないのでした。

ですが翌日、目を疑うようなニュースが飛び込んできました。
ko2
姫魚よるむん、引退を発表。
突然すぎるその発表に、のどかはかなりおちこみ、勉強も手につかなくなってしまいます。
うっすらと涙を浮かべながら家庭教師の授業を受けるのどかですが、教師から出る言葉は、優秀な石の両親の意志と志を告げるのはあなたしかいない、寄り道している暇はないから、涙は今日で流しつくして下さい、と言うあまりにもドライな物で……

大好きだった、道を指示してくれたよるむんがいなくなった。
それはまるで、自分が目指す道もなくなってしまったかのようで……
アイドル、なりたかったなぁ。
涙とともにそんな言葉をこぼし、何もない天井を見つめるのどか。
するとその時、突然パソコンのモニターから異音が放たれ、直後

よるむんが配信を始めたではありませんか!
引退は何かの間違いだったのか?
そう思いながら配信を見ていると、夜無んは心配させてごめん、私はここにいるから安心して、と視聴者に語り掛けます。
約束したでしょ、ずっとここで応援してるって。
大丈夫、ここにずっといるよ。
私にとって一番大事なのは応援してくれるみんななんだよ。
ko3
応援してるよ、あなたならできる。
頑張って。
応援してるよ。
頑張って。
その声は、まるでのどかのすぐそばに寄り添いながらささやいているようで……!

それからのどかは変わりました。
学校の授業も、家庭教師の授業も、そしてこっそり一人でする歌とダンスの練習も、何もかも頑張って今まで以上にこなしています。
のどかはにこにこしながら「頑張り」ます。
ko4
ずっとすぐそばから聞こえる、よるむんの応援に励まされながら。
……そう、体や、気が付くことのできない心の奥底の限界すら、はるかに超えて……!!




と言うわけで、引退したはずのVTuberが、普通ではない何かとなって活動を再開するエピソードを収録した今巻。
このよるむん、引退宣言をきっかけに怪異となったようですが、その目的は何なのでしょうか?
そしてVTuberにはつきものの「中の人」はいったいどんな人物なのでしょうか……?
いまやネットの花形となっているVTuber、本作では意外過ぎる形の怪異となって、今までとは一風変わった目的を果たさんとするのです!

そんなエピソード「神社姫」がメインとなって、決着まで収録されている今巻ですが、それ以外にも見逃せないお話が収録。
一話完結の「書籍姫」は、幼かったころの董子が出会い、今の董子を作り上げるのに欠かせないある要素を形成したきっかけとなったエピソードで、本作の本当のスタート地点と言えるかもしれない興味深いお話になっております!
さらに「神社姫」後のお話に関わってくるかもしれない幕間や、数々のおまけなどを収録し、さらに次巻の展開が気になる今巻のラストの展開も含め、今回も読みごたえ抜群、細部までぬじま先生のこだわりにあふれた一冊に仕上がっていますよ!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!