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今回紹介いたしますのはこちら。

「僕が死ぬだけの百物語」第2巻 的野アンジ先生 

小学館さんのサンデーうぇぶり少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、なにやら訳アリの様子の少年、ユウマくんが「何か」に百物語を語っていく本作。
果たして今回はどんな恐ろしい話が語られるのでしょうか……?


深夜、一人職場に残って仕事をしている大沢。
なかなか終わらない仕事にいら立ちを隠せない大沢ですが、その苛立ちを一層加速させるのが、壁に掛けられている大きな時計が刻む大きな音です。
夜も12時を回ったころ、とうとう耐えかねて警備室に電話をかけた大沢、音が大きくて気になるので時計を外すことはできないのかと警備員さんに尋ねてみました。
すると警備員さん、こう答えるのです。
すみません、それはできません。
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夜は「ぽっけいさん」が現れるかもしれないので、時計がないと危険です。
……ぽっけいさん?
聞きなれない言葉に大沢が戸惑っていると、警備員さんはぼっけいさんの説明をしてくれました。
2年ほど前、ある社員が大事な契約の場に数分遅れてしまった。
信頼を欠いたことで契約は破棄となり、その社員は責任を問われてクビに。
首になった社員はその責任の重さを気に病み、その日のうちに会社の時計台で首をつってしまった。
それ以来夜になるとその社員が会社に現れ、時間を尋ねてくる……
だしぬけに語られた怪談にうろたえてしまう大沢、そんな話辞めてくださいよ、と言うのですが、警備員さんは大真面目。
良いですか大沢さん、ぽっけいさんに時間を聞かれたら必ず正確に答えてください。
それだけ気を付ければ大丈夫です。
そう言い残すと、電話は切られてしまいました。
……それ以上突っ込む気も起きず、大沢は諦めてそのまま仕事を続けます。

しばらく作業を続けたもののやはり仕事は簡単には終わらず、これは朝までに終わるだろうか、と頭を抱えていた大沢。
するとそんなとき、デスクの電話が鳴り始めました。
受話器を取りますと、しばらく電話口からカッチカッチと時計を刻むような音が聞こえてきまして……その後、男の声が聞こえてきたのです。
いま、何時ですか?
体中から冷や汗が噴き出す大沢。
電話口からは、再び「いま何時ですか?」と言う問いかけが聞こえてきます。
大沢は何とか時計を確認し、1時25分、ですが、と絞り出すように答えますと……
電話は切れてしまったのです。
これが警備員の言っていた「ぽっけいさん」と言うのは……この電話口の人物なのでしょうか……?
いや、そんなわけがない、何かの偶然か何かだろうか。
いや、そんなわけがない、と恐怖を振り払い、作業を再開する大沢。
肝が冷えたことで逆に集中力が上がったのでしょうか、作業時は順調に進み、午前2時になろうという頃には作業の終わりが見えてきました。
ビビったおかげだな、ありがとうぽっけいさん、と心の中でお礼を言いながら最後の詰めに向けてもうひと踏ん張りする大沢。
ですがそこで、少し離れた席で誰かが仕事をしている気配に気が付くのです。
確かにこの部屋には自分しかいなかったはず。
その謎の気配の様子をうかがっていると……
暗闇の中でその「誰か」が視線を向けてきて、こう尋ねてくるではありませんか!
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「大沢さん、今何時ですか?」。
……大沢は腕時計を確認し、1時57分、と伝えると……その誰かは、ふっと姿を消しました。
そう、文字通り消えたのです!
これはどう考えても、普通の人間ではありません!
もう無理だ、帰らないと!
慌てて荷物をもって職場を飛び出し、エレベーターのスイッチを押す大沢!
背後から誰かが追ってきてはいないか、と冷や汗を吹き出しながらエレベーターが来るのを待ちます。
やがてエレベーターが到着し、扉が開くのですが……そういえばそもそも、深夜はエレベーターの電源をオフにしていたような……?
エレベーターの扉の中には闇が広がっていて、そしてその闇の中から
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大沢さん、今何時ですか?
そんな声が聞こえてきたのです!!
絶叫して階段で逃げだす大沢!!
何とか出口に辿り着き、外へ飛び出しました!!
後ろを振り返っても、追いかけてくる気配はありません。
逃げ切った……
そう安堵していると……背後から、声が聞こえてきたのです。
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なんで教えて、くれないんですか?
そこには公園にあるような時計台があり、そこから「ぽっけいさん」が釣り下がっていて……!!




と言うわけで、「ぽっけいさん」の恐怖が収録された今巻。
この他にも数々の恐怖の物語が、ユウマくんの口から語られることとなります。
店主の体調不良で突然閉店してしまった駄菓子屋に忍び込んだ少年を襲う恐怖、「だがしや」。
鏡の中の自分が、自分を睨みつけてくる「鏡像」。
特定の記憶をもう一度体験できるものの、引き換えにその記憶を失ってしまう奇妙なガムを手にした男たちを描く「クリーン・ガム」……
そんな10編の恐怖の物語が収録!
それぞれ違った恐怖が、的野先生の力のこもった迫力の作画で楽しむことができるのです!
そしてそれらの物語とともに、ユウマくんと「何か」の物語も進行していきます。
少しずつ、確実に変化していくユウマくんと「何か」。
明らかに普通ではない、ユウマくんの家での生活が描かれながら、「何か」を中心とした不穏な動きが見えてきて……!!
不可思議なユウマくんと「何か」の百物語がどうなっていき、すべて語り終えた時にどうなるのか?
百物語とともに、こちらの物語も見逃せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!