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今回紹介いたしますのはこちら。

「ときめきのいけにえ」第3巻 うぐいす祥子先生 

講談社さんのKCDXより刊行です。


さて、「教団」の教えに従い、人殺しまで行って「血の儀式」を完遂させようとしているマリの家族。
マリは一人そんな血生臭い運命から逃れようと、漫画家になるために必死に漫画を投稿。
さらに最近は天然ながら底なしにいいヤツな花水木君と言い感じになりつつありました。
そんな中で神に同調し過ぎたせいで正気を失ったというマコトが、マリの教団の一員らしからぬ態度にいら立ちを感じていたサトルの手によって脱走してしまったのでした!



マコトの仕業だと思われていた殺人事件は、全く別の犯人の手によるものでした。
マリはその事件からの生還者として時の人になってしまうのですが、何とか平穏な日常を取り戻すことができました。
ですがそんな時、とんでもないことが起きてしまうのです。

ある日、泣きじゃくる安田さんを、お父さんが必死になだめていました。
安田さんが泣いている理由はただ一つ、教団がマリの家に「血の儀式」をやめるように言い渡したからです!
マリ達神業寺家にとって、血の儀式は何よりも大事なこと。
血の儀式を行うため……人類の救済のため、自分を捨てて今までひたすら頑張ってきたのに、と安田さんの涙とくやしさのこもった言葉はとどまることを知りません。
自分たちだけで儀式を続けられないか、ノストラダムスの予言した人類滅亡まではあと10年、儀式を続けて世界を救うのが務めではないか?
そう食い下がる安田さんなのですが……お父さんも思いは同じではあるものの、うなずくことはできないのです。
教団には従わなければいけない、教団の意志がなければそれはただの殺人だ。
それに予言の解釈に関してはまだ長老たちの間でも一致していない部分もある。
……要するに、上の判断で急に今まで心血を注いできたことを止められ、挙句にその方法が間違っていたかもしれない……ということです。

二人が絶望に暮れる中、マリは家にかかってきていた電話に出ていました。
その電話をかけてきた相手は、マリが投稿した漫画雑誌の関係者ではありませんか!!
マリが先日投稿した作品が好評を博し、マリに担当が付くというのです!!
一刻も早く一人で食い扶持を稼げるようになりたいマリからすれば、連載作家への大きな前進になるその報せは嬉しい……はずでした。
ですがマリはまだ中学生。
出版社からすれば、一度保護者の方にご挨拶をしたい、と言う提案をしてくるのは当然でしょう。
マリは電話を耳にあてたまま固まってしまいます。
どうしよう、お父様に言わなきゃいけないの?
漫画家になるなど、普段の「儀式が絶対」と言う父に伝えれば言語道断と却下されてしまうことは火を見るよりも明らか。
それだけで済めばいいものの、下手をすれば父や安田さんがとんでもない強硬手段に出てしまいかねないではありませんか。
どう答えるべきか悩むマリですが……その瞬間、今までに感じたことのない、とんでもない怖気がマリを襲います!
今の感じは何なのか、何か良くないことが起きる気がする……
恐る恐る振り返ると、そこにはインターフォンがならされたからと玄関に向かっている父の姿がありました。
その瞬間、マリは直感します。
お父様ダメ!開けちゃいけない!!
マリがそう叫んだ瞬間でした。
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父の頭が、はじけ飛んだのは!!
扉の外に立っていたのは神業寺家と、教団に強い恨みを持つ元刑事の鳴海と、彼の仲間でした。
仲間の男のショットガンの一撃が、マリの父の頭をザクロのように割ってしまったのです……!
鳴海たちの前には、物言わぬ躯となったマリの父と、とんでもない事態に直面し、硬直してしまっているマリの姿があるばかり。
復讐に燃える鳴海は、教団の関係者ならば、女子供だろうと容赦なく殺すつもりです。
手にしていた拳銃の照準をマリに合わせ、引き金に指をかけると

すぐわきの扉が開き、そこから安田さんが鳴海に飛びかかっていくではありませんか!!
不意をつかれた鳴海、安田さんによって銃を構えていた腕を包丁で切り裂かれたため、銃弾をあらぬ方向にはなってしまいます。
安田さんはマリに早く逃げろと叫び、鳴海に挑みかかります!
マリが逃げのびるのを助ける為、取っ組み合いになる安田さん!
もみあいになっているため、仲間の男もおいそれとショットガンで安田さんを撃つことができません。
鬼の形相で鳴海を撃退しようとする安田さんなのですが……鳴海は蹴りで安田さんの体を吹き飛ばすと、容赦なくその身体に銃弾を撃ち込みました!
苦しみもがく安田さんに、さらにもう一発お見舞いする鳴海。
それでも安田さんは立ち上がり、鳴海に向かって歩き始めます。
人類に、幸福を。
世界に平和を!!
その叫び声が、安田さんの最期の言葉になりました。
鳴海は安田さんにとどめの一撃を撃ちこみ……
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仲間の男と手分けをして神業寺家全滅を狙うのでした。

逃げ出したマリは、とっさに母の部屋へと隠れます。
箪笥を動かして扉を開かないようにするものの、それも時間の問題でしょう。
安田さんも無事にはすまないであろうこともわかっています。
マリは何とか母を立ち上がらせ、窓から逃げようとするのですが……母は正気を失い、一日中椅子に座って微笑むようになって何年も経っている状態。
母に必死に声をかけているその間に、仲間の男はサトルを追い詰めて行きます。
そして鳴海はバリケードを突破し、部屋の中に入りこんできてしまうのです!
ですが鳴海が入ってきたその時、部屋の中にいたのは母一人。
娘はどうした、と銃を突き付けて母を脅す鳴海ですが、マリが母を見捨てて一人逃げるなどと言う選択を取ることはありません!
クローゼットから飛び出し!鳴海の背中にナイフを突きたてたのです!!
が、小さなナイフで、マリの非力な力では鳴海に致命傷を与えることはできませんでした。
鳴海はマリの顔面に拳をぶち込むと、地面に倒れ込んだマリの鼻先に銃口を突き付けました。
流石殺人一家の娘だな、ほんと痛えよ。
そう言って、今度こそマリを殺そうとした、その瞬間!
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正気を失っていたはずの母が、鳴海の銃を持つ手をおさえたではありませんか!!
マリ、逃げなさい!走って!!
マリの絶体絶命の危機に、勝機を取り戻した母!!
ですがそんな病人同然の母の妨害など、鳴海にとっては大した障害になるはずもなく……
鳴海は母を殴りつけて銃を取り戻し、そして……!!



というわけで、急展開を迎える本作。
突如としてやってきた教団の方針変換は、マリにとっては幸運をもたらしてくれるかもしれないものでした。
ですがそれが本当に幸運だったのかどうかがわかる間もなく、鳴海の凶行が襲い掛かって来てしまいます。
目の前で惨殺されていくマリの家族。
母はどうなるのか、サトルは殺されてしまったのか、マリは逃げることができるのか……?
さらに、惨劇の舞台と化したマリの家に、花水木くんや狭山まで訪れて!?
物語はそのまま怒涛のクライマックスへ!
教団が何故方針変換したのか、そもそも教団があがめていたものとは何だったのか、それはどこにいて何をするつもりなのか。
そして姿を消していたマコトは!?
そんな様々な謎が解明されつつ、マリと花水木くんの関係と言った「ときめき」要素にもしっかりと決着をつけていくフィナーレまで、ノンストップで進んでいくのです!!
不安を残しながらも希望に満ちたフィナーレを迎える本作、その決着をぜひその目でご確認ください!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!