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今回紹介いたしますのはこちら。

「明日ちゃんのセーラー服」第9巻 博先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、演劇部に入部し、今までにも増して元気いっぱいに頑張る小路。
田村先生や千嵐先輩など、個性豊かな新キャラクターも加わり、小路の日常はさらにまばゆく輝くのです!



蠟梅学園旧館の教会に、小路は立っていました。
ここは結婚式に使われることもあるという立派な教会で、その祭壇の前で小路は、こういいます。
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あなたのことを……愛してます。
その言葉とともに、まっすぐ小路の視線が注がれているのは……木崎さんでした。
木崎さんは頬を真っ赤に染め、小さな声で応えます。
わ、わたしも……

木崎さんは彼女らしからぬ大きな声で、千嵐先輩に異を唱えます。
わたしはピアノ伴奏のお手伝いに来たの!役を演じるなんて聞いてないわ!
相手が小路とはいえ……いや、小路だからでしょうか。
主人公に愛をささやかれる王子役、などとても照れくさくて、急にやれと言われてできるものではありません!
千嵐先輩はそんな木崎さんの主張などどこ吹く風、だって面白そうじゃないか、背を向けている只の伴奏に声をかける主人公、振り向いたその人は王子だった、とか……と、思い付きプラス人手が足りないためのその場しのぎのアイデアをさも名案かのように言うのです。
脚本とも全然違ってるし、古城さんだっていやでしょう?と、木崎さんは脚本担当の古城さんに助け舟を求めるものの、古城さんはそれ採用!とにっこり。
文字を眺めているだけじゃ全然思いつかない、舞台トリック的な要素だ、と千嵐先輩の側についてしまい……
木崎さんはがっくりと肩を落とすことしかできないのでした。

と、そこはそれでおいておくとしまして。
千嵐先輩にとって問題なのは、小路の方でした。
その「好き」じゃない。
千嵐先輩は、小路のセリフに込められた感情が不満なのです。
言い得の「好き」とはちょっと違う、これからの関係を変えてしまう告白。
相手をしとめるような、決死の思いが足りない。
小路くん、
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恋愛したことないのかい?
恋愛……恋。
もちろん小路が大好きなアイドルの幹ちゃんが出ているドラマなどでもテーマになっていますから、それが何なのかを知らないわけではありません。
ですがなにせ小路、つい先日まで通っていた小学校では同級生がいないたった一人のクラスだったため、恋愛も何もする余地すらなかったのです。
小路は考え込み……木崎さんに、恋したことある?と尋ねてみました。
あまりにもストレートな質問に面食らう木崎さんですが……なんだか少し含みのある感じで、ないわよ、と答えます。
すると小路、その態度から木崎さんは恋愛経験があるんだと勝手に確信!
古城さんの方に視線を送ると、何となくばつが悪そうに視線をそらしたため、彼女も恋したことがあるんだと察知します。
自分はみんなが知っていることを知らないんだ、と感じた小路は、勉強しないといけない、と感じ、押し黙ってしまいました。
その真剣な表情を見た古城さんは、でもこんな立派な教会なら、多少演技に問題があっても雰囲気でなんとかなっちゃいそう、と一応のフォローを入れてみます。
これで練習に一層身が入るな、と笑う千嵐先輩なのですが……実はすぐに練習に打ち込むことはできない事情があるのです。
実は小路たち、明後日からバスに乗ってクラスのみんなで一泊するイベント、お月見会に行くのですから!
これはもうクラスのみんなと旅行に行くのとほとんどいっしょ!
小路の胸は大きく大きく高鳴るのです!

小路はお母さんにお月見会のことを聞いてみました。
何でもお月見会はお母さんが蠟梅生のころからあったとのことですが……お月見などの「勉強」は半ばそっちのけで、ひたすら遊び倒してやった、とお母さんは笑います。
根が真面目な小路は、いいのかなあ、と嬉しそうにしながらもまだ踏ん切りのつかない様子。
ですがお母さんの後悔がないようにしなよ、という言葉で大分背中を押してもらえたようです!
そんな小路のうきうきはどうしても外に漏れだしてしまっていたようで、花緒はしきりに羨ましそうにしております。
お姉ちゃんはまじめに勉強しに行くんだよ、スマートホンも持っていけない厳しい合宿なんだから、と花緒をたしなめようとするのです、が。
どうしても心の中から湧いてくる嬉しさを完全に押し殺すことはできません。
でもずーっとニヤニヤしてるけど?
ふくれっ面でそうぼやく花緒に、
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そんなことないよ?と返す小路の顔は、もうどうしようもないくらいに嬉しそうな満面の笑顔なのでした。

そんな小路ですが、もう一つ大きな目的があります。
皆と夜までお話ができる、この機会だからこそできること。
それは……
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「恋愛について」のお勉強!
小路はお月見会で自分の知らない「恋」を知る為の勉強に、みっちり打ち込もうとしているのでした!!



と言うわけで、演劇部での活動と、お月見会という大きなイベントが連続する小路。
小路には今まで全くと言っていいほど縁のなかった「恋愛」という問題が立ちはだかったわけですが、その問題の解決に、もう一つの大イベントであるお月見会を利用しようというのはなかなか効率がいい考えと言えるかもしれません。
……普通はクラスメイトのみんなに「恋」のことを聞こうとはなかなか思わないでしょうが!
ですがそこは小路、みんなにガンガン質問を投げかけていきます!
果たしてそこで小路が求めている恋愛についての答えに辿り着くことができるのでしょうか?
そしてその答えを求めすぎるあまり、お母さんのアドバイスを忘れてしまわないでしょうか……?
小路の恋愛の勉強と、お月見会。
見逃せない二大イベント、必見です!!

そんな物語の進行以外にも注目点は盛沢山。
まだあまり掘り下げられていなかったクラスメイト、平岩蛍と蛇森生静二名をそれぞれ掘り下げた短編も同時に収録されております!
彼女たちももちろんお月見会に参加しておりますので、それぞれの背景を知ってから本編を読めばより一層楽しめるのは言うまでもないでしょう!
そして本作の売りの一つである、キャラクターの動きを力強く、繊細に、これでもかと描く描写も健在!
こちらも引き込まれること間違いなしです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!