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今回紹介いたしますのはこちら。

「バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ」第3巻 原作・猪原賽先生 漫画・陸井栄史先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、仲村とたもとを分かち、自ら道を選ぶ異世界の旅に出た烈。
自由気ままな旅を楽しもうとしていた烈ですが、そこにラウリーとカレンという二人組がやってきます。
何か事情があるらしい二人ですが、詳しく事情を聞く前にゴブリンの群れと鉢合わせてしまい……!?



醜怪で邪悪なゴブリンの群れですが、烈にとっては雑魚に過ぎなかったようです。
驚きの技も見せつけながら瞬く間に蹴散らしてしまうのでした。
その後烈は森で狩った猪で夕食の支度をすることに。
ですがその猪は異世界のモンスターらしく、非常に巨大。
一人で食べるのはさすがに多すぎる、とのことで……ラウリーとカレンにもふるまうことにします。
二人はとある用事でゆっくりしている暇などないのですが、ラウリーはその申し出を受けるのでした。

洞窟の中で火をおこし、猪の肉を焼く烈。
その傍らに座るラウリーに、カレンはひそひそと話しかけています。
どうして自分たちはこんなことをしているのか、一刻も早く王都へ救援を要請しに行かなければならないはず、それにあの男の見慣れない風貌は「あがく者」と呼ばれるものなのではないか?
それだけ言ってもまだその場を離れようとしないラウリーに、カレンはしびれを切らします。
烈に先を急ぐからと告げ、ラウリーを引きずるようにして洞窟から出ようとするのでした。
が、そこで烈はズイと何かを差し出しました。
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それは、焼きあがった猪の肉でした。
引き止めはしない、だが空腹は判断を迷わせるから、これを食ってからにしろ、と烈は言うのです。
食べたことのない巨大猪の肉。
匂いもかぎなれない香りです。
烈はその匂いは森で手に入れた香辛料のもので、毒がないことは確認した、というのですが……やはり未知の料理というのは手が伸びづらいもの。
ですがラウリーは……意を決し、がぶりと肉にかみつきます!!
彼らは知りませんが、烈海王と言えば拳法は勿論のこと、料理の腕前もなかなかの物。
言うまでもなく、ただ肉を焼いたものであるとは思えないほどの旨さを持っており、その味は及び腰だったカレンも認めざるを得ないものだったのです!

これだけの料理を作って惜しげもなく二人に振る舞い、その出来栄えに思わずニコリと笑みを作る男、烈。
ラウリーはこの姿を見て確信します。
自分たちをゴブリンから救ってくれただけでなく、ここまでもてなしてくれる人物が、世界に災いを呼ぶ「あがく者」であるはずがない。
そして……この人物こそが、自分の求めていた存在であることを!!
ラウリーは烈の前にひざまずき、名乗った後に事情を明かし、そして懇願するのです。
自分たちは、町の危機を救ってもらうために王のもとに救援の要請に向かうところだった。
しかしあのゴブリンと戦う烈の姿に見惚れてしまった。
お願いがある、自分たちの街を救ってはくれないか、と……!
その言葉を聞いた烈は……
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断る、とごろりと横になりました。
ようやくしがらみを抜けて自由の身になった烈、ここでまた「異世界の国の事情」に振り回されたくない、というわけです。
カレンからすると、得体のしれない男の方から断ってもらったのはありがたいの一言。
改めてラウリーを連れてこの場を離れようとするのですが……去り際にカレンが言ったこの言葉が、烈の心を動かしたのです!
急ぎましょう、今こうしている間にも、あの
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「オーガ」が、民を襲っているのですから。
……「オーガ」。
烈からすれば、オーガと言えば地上最強の生物と呼ばれる男、範馬勇次郎を置いて他にはいません。
まさか範馬勇次郎もこの異世界に?という考えがよぎりましたが、さすがにそれはないでしょう。
まさかな、と笑いを漏らす烈。
ラウリーたちはそれを聞き、烈もオーガを知っているのかと聞いてきました。
彼らの言うオーガと自分の知るオーガが同じではないことは火を見るより明らか。
烈は、私のいた世界では、オーガは地上最強の生物と呼ばれていた、と簡単に説明するのですが……
そこに、思いがけないものが現れたのです。
ご謙遜を、旦那だって相当強いじゃないですか。
そう言って姿を現したのは……烈が蹴散らしたゴブリンたちの生き残りの一人でした。
彼らの中でもなかなかの切れ者なのでしょう、ぼろぼろになった体を自ら応急処置したようで、体中に包帯がまかれています。
ですがなぜ彼はたった一人ここに現れたのでしょう。
圧倒的多数でも勝てなかった相手に、一人で会いに来た意味とは……?
ゴブリンは烈にこう話します。
あっしはそのオーガ、心当たりがありますぜ。
南の集落のゴブリンが、その妙なオーガに全滅させられちまったんでさあ。
さて、そのオーガと旦那……
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どっちの方が強いんでしょうねぇ。
にやりといやらしく笑うゴブリン。
烈はその言葉を聞くと……!!



というわけで、新たな展開を迎える本作。
異世界転生ものらしい展開が本格的に始まった本作ですが、ゴブリン程度では烈の無双の露払いにもならないようです。
そこで次に名前が挙がったのは、早くもバキ界のビッグネーム「オーガ」。
バキ世界でオーガと言えば完全に最終ボスなわけですが、こちらの世界でもかなりの大物ではあるようです。
先日戦ったヒュドラも凶暴で、凶悪な力を持っていましたが、それとはまた違う恐ろしさを持っているオーガ。
しかもただ凶暴な相手というだけではない何かがあることもにおわせていて……?

近年のバキ界では、一つの戦いまでにバックボーンなどをたっぷりと描くことが多くなっておりますが、本作はそのあたりに出し惜しみなし!
必要最低限の仕込みをした後、今巻のうちに早くもオーガとの戦いの幕が開きます!
ストーリー性も十分に用意されている本作ですが、やはり肝は烈の異世界での戦いぶりのはず。
オーガ戦や今巻前半で描かれるゴブリン戦、原作へのリスペクトも込められた、「刃牙道」後の烈の戦いをたっぷりご堪能下さい!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!