hk0
今回紹介いたしますのはこちら。

「姫ヶ崎櫻子は今日も不憫可愛い」第2巻 安田剛助先生 

メディアファクトリーさんのMFCキューンシリーズより刊行です。


さて、成績優秀容姿端麗スタイル抜群の幼馴染、というラブコメにおいては「負けヒロイン」になりやすい属性持ちの櫻子の毎日を描いていく本作。
幼馴染の夏樹となんだかんだくっつくだろうなと思っていたであろう櫻子ですが、そんな夏樹の前にミステリアスな黒髪の美少女転校生が現れ、しかも同居しだすと言うまさかの事態が巻き起こってしまいます。
まさにラブコメの「正ヒロイン」である彼女、雪菜の登場には気が気でなくなってしまう櫻子なのですが……今日も夏樹にツンデレ的な態度を取ってしまうなど、素直になれずじまいなのでした……



それは今から8年前のことです。
幼き日の櫻子は、その日のテストも100点満点、体育でも抜群の活躍を見せ、クラスの皆にすごいすごいともてはやされておりました。
櫻子はちょっぴり謙遜しながらも、そんな現状にまんざらでもない思い……どころか、大満足しているようです!
と、そんな時、彼女の視界に一人の少年が入りました。
窓際の席で一人頬杖を突き、遠くを見ているその少年……幼き日の夏樹です!
そんなアンニュイな様子を見た櫻子、そっと夏樹の後ろから回り込み、テストの点数を確認。
今回のテスト79点だったんだ、ざっこ、私に負けて悔しいからって今日見ないふりしてるの見え見え!
ホントは私と仲良くしたいんでしょ?
そんなまるでテンプレのような小馬鹿にした発言をされた夏樹はと言いますと……
hk1
うっせーブス、と一言呟き、興味なさげに視線を逸らすのでした。

クラスの皆は櫻子の味方です。
夏樹は最近転校してきたのですが、誰に対してもこんなそっけない態度を取っているようで、男子にも女子にも敬遠されています。
夏樹はひどい、櫻子可哀想!とまたまた持ち上げられ、櫻子はいい気分になるのですが……
そんな時クラスメイトの一人が、夏樹の事情をおずおずと話し始めました。
夏樹の両親は二人とも事故で死んでしまって、叔母さんの所に引っ越してきたらしい、と。
となると一転して夏樹が可哀想、櫻子は言い過ぎだ、となってしまいます。
そんな状況にビビる櫻子ではありますが、いくら可哀想な事情があると言っても夏樹がそっけないのは変わらないわけで。
結局夏樹は孤立し続け、櫻子も今まで通りクラスの中心のままなのでした。

それから少したったときのこと。
またまた櫻子が夏樹にテストの点数を誇りにやってきました。
また100点を取ったわ、すごい?ねえすごい?
そう言ってどや顔で圧をかけてくる櫻子に、流石の夏樹も押し負け、ため息混じりにスゴイスゴイと返すのです。
勿論そんな賛辞では満足できない櫻子、もっと気持ちを込めて!とまだまだ食い下がるのでした。

それからも櫻子は、何かと夏樹の方に近づいてきます。
転校してきたばかりの夏樹に移動教室の場所を教えてあげたり、夏樹が先生に頼まれたプリント配りを手伝ってあげたり。
さんざん世話を焼いた後で、私のこと好き?と夏樹に尋ねる櫻子ですが、帰ってきた言葉は「ぜんぜん」というもので。
思った以上に完全に否定されてしまった櫻子、流石にショックを隠し切れないのですが……
そんな櫻子に、夏樹は追い打ちをかけるように言うのです。
こう言うのやめてくれない?
可愛そうだから助けなきゃと思ってるのか、家が隣だから先生に頼まれたのか知らないけど、そうやって幸せに平凡でいられてる人に、自己満足のために哀れまれるとイライラするんだ。
hk2
もう僕に構わないでよ、気持ち悪い。
……櫻子はそうハッキリ言われると、涙目になり……逆切れを始めます!
そうよ、自己満足で何が悪いの!?
あんたが私を褒めないから、私の凄さをわからせたいだけなんだし!
私は褒められて気持ちよくなりたいの、クラス全員にちやほやされたいの!
hk3
平凡じゃないって言うのはこの私、姫ヶ崎櫻子みたいな人のことを言うの!
私からしたらあんたなんか平凡も平凡、そこらのざこと変わらないんだから!
それがわかるまで、絶対見捨ててやんないんだからね!!
ぽろぽろと涙を流しながらそう言う櫻子。
……夏樹はそんな彼女を見て何かを感じ……
なんだよ、と何とも言えない言葉を漏らすのでした。

そして今。
雪菜のちょっと理不尽なお願いにもアレコレと応えてあげる夏樹に、櫻子は不満げ。
夏樹が、クラスメイトに二人が付き合っていると誤解されたくないと言った、その舌の根も乾かないうちからまたしっかり相手をしていることが、まあ櫻子からすれば面白くないわけで……
そんな夏樹に、櫻子はぼやくのです。
あんたってほんとなんで昔からそんなに、困っている人を放って置けないのかしら。
そのせいでしょっちゅうトラブルに巻き込まれて、中学の時なんか先生にまでいいように使われてたじゃない。
助けた後輩の子がやたらなついて、中学卒業までどこに行くにも付きまとうようになっちゃったこと忘れたんじゃないでしょうね?
まあ、地味に人望が厚くて、何気に周りに人が集まってきたのは、人助けのたまものかもしれないけれど……
……かつてはクラスの皆にもてはやされていた櫻子。
今はすっかり、なんかスペックは高いけどドジでアレな面白系のポジションになっているわけですが、そうなったのは中学生になっても褒めて褒めて感が強すぎたせいだったりします。
なにせ櫻子、学年一番、という抜群の成績ではあるものの、その成績を収めた後の褒めて感が、全国一位になったレベルのアレだったため、次第にクラスの皆から適当に褒められる感じになってしまったのです。
すっかり当時の自信満々感は薄まり、自分が負けヒロイン系の人物だと言う自覚まで生まれてきてしまっている櫻子……
櫻子がそうやって変わっていったのと同じように(?)、夏樹もまた変わっていったのです。
何事にも冷めていて、構わないでほしいと思っていた当時から、困っている人を率先して助けるように。
そうなった理由はもちろん……櫻子に憧れたからにほかなりません!
ですがそれを本人に伝えでもしたら、物凄い勢いで調子にのるに違いない、と、夏樹はそう考えたわけです。
と同時に、
hk4
櫻子が平凡ではない人物だ、とわかっていないふりをしている限り……ずっと側にいてくれるかもしれない、とも。
平凡ではない女の子、櫻子と対等でいられるように、もっと人助けをしようと密かに決意する夏樹。
櫻子の方はそんな夏樹の気持ちなどこれっぽっちも知らず、人助けして他の女の子とあんまり仲良くしないでほしいなあ、とモヤモヤするのでした……



というわけで、櫻子と夏樹が今の関係になる真相が明かされる今巻。
今とは違って自信満々だった櫻子ですが、回想の間すら持たずわからせられてしまい、今の不憫な有様になってしまいました!
ですがおかげさまで夏樹の方もすっかり主人公らしい性格になったわけで……
やはり櫻子無くして夏樹はなく、夏樹無くして櫻子なしなのです!
そんな過去の様子を描き、さらに様々なイベントを積み重ねて行きまして、櫻子の負けヒロイン力が幾分薄まったかのように見える今回なのですが、もちろん生ヒロインであるはずの雪菜も負けてはおりません!
美人でミステリアスだけど実はポンコツと言う様をありありと見せつけ、そしてなにかと夏樹と絡む機会も増えていくことで、イベントの進行が見られていきます!
しかも何やら櫻子と二人きりで、夏樹に関しての会話をするイベントまで巻き起こり、そこでついに櫻子が……!?
さらに紹介させていただいた部分でも少し出てきましたが、「やたらなついてきた後輩」も登場。
やはりと言いますか、なんとと言いますか、その後輩は女の子でして……
先輩を慕う後輩と言うポジションやそのビジュアルなども含めて、彼女もまた「負けヒロイン」属性もち!
新たな負けヒロイン属性持ちが参戦し、物語はさらににぎやかに、艶やかに彩られていくのです!!
新キャラも登場し、メインキャラたちもより掘り下げられていく本作、今後もますます楽しくなっていきそうですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!