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今回紹介いたしますのはこちら。

「ダンジョン飯」第11巻 九井諒子先生 

エンターブレインさんのハルタコミックスより刊行です。


さて、ダンジョンの最深部でとうとう狂乱の魔術師ことシスルと対面したライオス達。
しかしやはりシスルはまともな会話が成立するような人物ではなく、すぐさま交戦状態に!
シスルの召喚したドラゴンたちによって、ライオス以外の仲間はみな殺されてしまうのでした……!



敵のドラゴンは片手では数えきれない数。
対するライオスはたった一人の上、大きなダメージを負ってしまっています。
このままではどうあがいても勝ち目はない……と誰もが、シスルすら勝利を確信していたでしょうが、ライオスはこの絶望的な状況にかすかな希望を見出していました。
何故なら……ドラゴン同士で何やら争いを始めたからです。
ドラゴンは、最強の生き物です。
その最強の生き物にとって厄介な敵というと、やはり同じ最強の生き物であるドラゴンに他なりません。
そのドラゴンがこれだけの数、一カ所に集まれば……
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争いが起きるのは必然と言えましょう。
何にせよ、とりあえず今すぐライオスにドラゴンたちが牙をむくことはなさそうです。
いったん引いて体制を整えようとするライオスですが、その時何かを踏みつけた感触を感じました。
貝……いや、夢魔です。
人に悪夢を見せる夢魔ですが、この世界の夢魔はこんななりでもドラゴンの仲間。
シスルの召喚で一緒に呼び出されてしまったのでしょうか?
と、そんなことを考えている場合ではありませんでした!
夢魔を拾い上げて眺めていたライオスのすぐそばに、一匹のドラゴンが墜落してきます!
ライオスに直撃、こそしなかったものの、力なく倒れてきた尻尾がライオスの上にのしかかってきてしまったのです!
尻尾の下敷きになってしまった形のライオス、身動きができません。
またしても絶体絶命かと思われたのですが、今度はその墜落したドラゴンに、大型のドラゴンがかぶりつき、飲み込み始めました!
期せずしてドラゴンに助けられる形になったライオスですが、今下敷きになった際に肋骨が折れてしまったようです。
ただでさえ大きなダメージを負っているライオス、これでさらに追い詰められてしまいました。
もうこうなれば、争い合うドラゴン同士がつぶし合ってくれることを祈るしかないのですが……
ライオスの目論見通り、ドラゴンたちはそれぞれにらみ合い、ぶつかり合います。
かと思えば、光物を好む修正のまま、目についた銀のスプーンを咥えて喜んでみたりもしまして。
全く統率の取れていないドラゴンたちの様子を見て、とうとうシスルは怒りを爆発させました!
何をしているこの馬鹿ども、私はあの男を殺せといったんだ、さっさと命令に従え!!
そう一喝し、ドラゴンたちにライオスを狙うよう改めて命ずるのでした!!
目論見はあっさりとはずれ、ドラゴンに目をつけられてしまうライオス。
真っ先にやってきたドラゴンは、銀のスプーンを咥えたままの為、幸いブレスを吐いてくることはありませんでした。
が、前足で無造作に蹴飛ばされ、鼻先でひょいと放り上げられるだけで、ライオスが身動きできなくなるほどのダメージを与えることができるわけで。
いつでも殺せる獲物をもてあそぶようなそぶりを見せるドラゴンに、シスルはまた怒りを募らせます。
さっさと殺せ、とまた圧をかけると、今度は東洋龍が雷雲を呼び始めました!
そこからはなられる電撃を食らえば、ひとたまりもないでしょう!!
無慈悲に雷鳴がとどろくと、雷撃はライオスをもてあそんでいたドラゴンに直撃!!
どうやらそのドラゴンが咥えていたスプーンが雷撃を引き寄せてしまったようです……!!
すかさずその場から逃げ出すライオス!
シスルは手近なドラゴンにライオスを追わせます!
追ってきたのは毒のブレスを得意とするワーム、炎のブレスを吐くレッドドラゴン、吹雪のブレスを吐くホワイトドラゴンの三匹!!
またまた絶望的な状況ですが、まだまだライオスは諦めません、
3頭の竜に追いかけられているが、竜は協力し合ったりなんかしない、1対3じゃない!
そう分析し、戦法を模索しながら逃げ回ります!
ですがやはりドラゴン相手に逃げ切ることなどできません。
瞬く間に部屋の片隅にある樽のあたりに追いつめられるライオス、
流石に勝利を確信したシスルは、お前はどの龍に殺されたいのか、どうせなら好きな龍を選ばせてやる、と余裕の笑みを浮かべるのですが……
ライオスが少し考え、本当に?と尋ね返したことは気に入らなかったようです。
気が変わった、お前はすべてのブレスを使って殺す!
シスルは激怒し、一斉にブレスを吐くよう指示するのです!!
と、同時にライオスも動きました!!
ライオスは剣をレッドドラゴンの首元に向かって投げつけます。
ライオスの剣、ケン助はドラゴンに怯えているため、抜刀はできず、さやに納まったまま。
当然それでは傷ひとつつくはずもないのですが、ライオスは構わずドラゴンに向かって駆け出していました!
一斉にブレスを吐く……はずだったドラゴンたちですが、なぜかブレスを吐いたのはワームだけ。
濛々と立ち込める毒のブレスに、ライオスは
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息を止めて突っ込みました!!
しかしこの毒のブレス、息を止めたところで皮膚からも侵食して致命傷を与えてくるそうで。
バカめ、と大笑いするシスルなのでした。
……が。
その毒のブレスの中で、何やらもぞもぞと動いているような気配がするではありませんか。
まさか毒のブレスの中でまだ生きているというのでしょうか……?
シスルは不快感をあらわにし、レッドドラゴンとホワイトドラゴンに、今度こそブレスを吐いてそれを吹き飛ばせ、と命じました!
と、その直後です、
毒のブレスにレッドドラゴンの炎のブレスが着火し、大爆発が起きたのは!!
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かなりの威力を持ったその爆発、それでもドラゴンを倒すような威力ではありません。
それでも、先ほどライオスが背にしていた樽に穴をあけるには十分な威力でした!
樽からは大量の水があふれ出てきます。
それこそ樽の量力などはるかに超えた、異常なまでの多量の水が!
これは樽の中に召喚されていたリヴァイアサンの、海水を呼び出す能力が働いたせいです。
そ空を飛べないワームやレッドドラゴンは、その大量の海水に呑み込まれ、会われ海の(?)藻屑に。
ホワイトドラゴンは空を飛んで難を逃れましたが……予想外の事態にシスルは再びイライラ。
なんでだよ、明らかに樽の内容量より水量が多いだろ!と、自分で呼び出したリヴァイアサンの能力にブチ切れしてしまうのでした。
と、その直後、シスルは何かの予感を感じます。
何か……嫌な予感を。
自分にそんな予感を感じさせる存在、シスルからすればライオス以外考えられません。
すぐに生き残ったワイバーンたちにライオスの死体を探すように命じるシスル。
腕とか足とか切れ端でいい、私の元へ持ってこい。
……そう言い終わる直前の事でした。
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ぬっと後ろから手が伸び、シスルの持つ本を叩き落としたのは!!
背後から伸びたその手の主は、なんとライオスでした!
ボロボロにはなっているものの、確実に「生きている」ライオスです!!
そのライオスの吐き宇力に一瞬気おされてしまったシスル、ワイバーンたちにライオスを始末するように命じるのが一瞬遅れてしまいます。
ライオスは迷わずシスルの腕を決めて関節を外し、そのまま地面に抑え込みました。
そしてワイバーンに攻撃させないように命じてもらうと……
シスルの肩をはめ、治療魔法をかけ、こう語りかけるのです。
出来れば手荒なことはしたくない、話をしようシスル。
よければ何か食べながら。




というわけで、結果として狂乱の魔術師たった一人で倒してしまったライオス!
ですが正気を失っている、と言ってしまったもいいシスルとまともに会話をすることなどできるのでしょうか?
それでもライオスと言う男は、力づくで強引に解決しようとはしないのです。
どういう形にしろ、ここで戦いが終わらなければもうライオスたちは終わりです。
シスルはライオスを殺してしまうでしょうし、もしそうでなくても限界まで魔力も体力も使い切ってしまった状態のライオスひとりでここから帰還することは不可能です。
ファリンも含めた、ライオスたちのパーティーの命運はこの「話し合い」にかかっている、と言っても過言ではないのです!!
ライオスたちの冒険がこの会話だけですべてが決まる、ならまだよかったのかもしれません。
最大の問題は、この「ダンジョン」と、「悪魔」の存在です。
悪魔を憎み、ダンジョンの主を排除することだけを考えて最下層を目指しているミスルンたちカナリア隊。
ミスルンの口から語られる恐ろしい「悪魔」の存在。
そして……「有翼の獅子」。
様々な存在がそれぞれの思惑で動いているこの状況、確実に死するとライオスたちの間だけの会話でどうにかなるわけがないのです!!
そしてこの後、物語は再び新たなステージへと進むことになります。
ファリンを助けることはできるのか、カナリア隊の目的は達成されるのか、有翼の獅子の目論見は……?
ますます目が離せなくなってきた本作、これから先もますます楽しみですね!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!