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今回紹介いたしますのはこちら。

「黄泉比良坂レジデンス」第2巻 川西ノブヒロ先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックス・ウルトラより刊行です。


さて、遊園地に現れた不思議な扉をくぐり、生きたまま地獄に落ちてしまったちまきたち。
ちまきたちは人間界に戻る為、地獄のタワマンで働き、その住民たちに認められながらその頂上を目指す必要ができてしまいました。
基本的人間を見下している地獄の住民たちに認められるのは難しいものの、ちまきの持ち前のポジティブさもあり、すこしずつ地獄の地位の高い者達にも認められ始め、タワマンの頂上に近づいていくのです!



地獄の子供たちの前で、けん玉を披露するちまき。
気合と共に両方のさらに連続して玉をのせ、持ち手の中皿にも玉をのせ、最後にけん先に玉を……着陸させることができず、失敗してしまいました。
昔これでテレビに出たと言うちまきですが、周りで見ていた子供たちはホントかと疑いのまなざしを向け始めまして。
必死にホントホントと取り繕うちまきなのですが……そこに、タワマンの上階のベランダから、そんな様子をあざ笑う少年がいました。
こっちおいでよ、とその少年に声をかけるちまきなのですが、ちまきと仲のいい少年、ダンキがやめときな、とちまきの方を止めました。
その上階の少年、カイキは30階以上、中層の住民の子供。
中層に住む住民たちは亡者の裁判や管理に関わる公務員が多いそうで、その際に人間の罪を知り尽くしてしまうため、特に人間への偏見も大きいのだとか。
当然その子供も教育によって人間に大きな偏見を持っているわけですが……そんな教育を施したカイキの父親が、彼の背後から姿を現します。
そしてカイキに、人間はどいつもこいつも罪深い、邪悪な心を持っているから近づくな、と告げるのです。
人間には近づかないし、下層の奴らなんかとも遊びません、と元気よく答えるカイキ。
父親は、よし、とうなずくと、明後日はお前の誕生日だったな、何でも買ってやるから言いなさい、と言いながら、会期を部屋の中へと連れて帰るのでした。
人間はもちろん、下層の住民……つまり自分達も見下されているわけですから、ダンキも面白くありません。
偉そうに、と毒づいておりますと、そこでカイキたちの会話を聞いていたちまき、弾木の誕生日が来週である事を思い出します。
ちまきはダンキに、誕生日までにけん玉マスターしてくる!と約束!
……するのですが、ダンキはそんなプレゼント欲しくない、うちだって好きなもの買ってもらえるよ、と答え、従姉妹は今日誕生日だけど貧乏だからプレゼントないって、と笑うのです。
しかしすぐに、表情を曇らせてこう呟くのです。
俺も従姉妹を下に見てるんだ、あいつらと同じで。
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他の奴と自分を比べないでいれないかな。
……そんな真面目な悩みに、ちまきは高度な悩みだ!と答えることができず。
エリコは持てるものの傲慢さだ、と素直な感想を述ベました。
理智はと言うと……

理智はその時、地獄に来る前に行われた生徒会選挙の時のエピソードを思い出していました。
生徒会長に立候補しているのは、理智と、旧田桃姫(ふるたぴいち)の二人。
真面目で四面四角と言った印象の理智、そして頭ゆるゆるでふわふわという印象の桃姫。
その二人のどちらかに投票することになった生徒たちですが、多くの生徒たちは、理智みたいなのは自分達を下に見ている感じがする、だったら桃姫がいいだろう、と考えていたようです。
ちなみにこの時、ちまきは仕事がしたい!という理由で、庶務に立候補。
人当たりのいい、いやみのない性格のちまきはみんなに好かれていますし、そもそも雑用係と言う印象のせいか、他に庶務の立候補がいない為、ちまきはほぼ当確。
生徒たちにも、あんたはバカだから好きだよ、と直接言われてしまうような人気(?)もあり、こちらは何の問題もなかったようです。
……そんな評判などが耳に入ってきていた理智ですが……内心、実際に人より上にいる立場にいる自分がどうやれば目線の高さを合わせられるんだ、と不遜なことを考えていました。
理智の父親は大物の議員でして、その父親から、理智はこれからの日本を背負う人間だと教育されていました。
それだけにそう言った思想が染みついてしまっているようですが……
日本の未来を背負うものが、生徒会選挙ごときで負けてはいられないわけで。
どうやれば視線の高さを合わせられるのか?飛行機……?
いやいや、そんなバカな理屈はない。
自分の考えを打ち消しかける理智なのですが、そこでちまきが「あんたはバカだから好きだよ」と言われていたことを思い出しました。
そこで理智が考えた、選挙に勝つための方策は……「バカになってみる」だったのです。

選挙前最後の演説で、理智は今までとは違う戦略に打って出ました。
本来リボンであるはずの胸元を、ネクタイに変えて壇上に立った理智。
そして、糞真面目一辺倒だと思われていた生徒たちの認識を一変させる演説を始めたのです。
規則は私たちの縛るものではなく、解き放つものだと考えています。
このネクタイは私の個人的な願望です。
私が生徒会長になったら真っ先にリボンとネクタイの選択制を実現するでしょう。
そうして同じように、みんなの願いを私に教えてほしい!
私一人にできる事、わかることは多くない、私はみんなと歩くこと、その可能性に賭けたい!
より良い学園生活が、私達なら創り出せる!
……壇上から降り、生徒たちと同じ高さに立ってのその演説は、生徒たちに刺さるものがあったようです。
演説が終わると自然に空き始めた拍手を背に受けながら、理智が袖にはけて行きますと……そこに演説を聞いていた桃姫が待っていまして、彼女も拍手で理智を迎え入れます。
そして笑顔で、理智にこう声をかけたのです。
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意外!人の上に立つのが黄瀬さんの生き方だと思ってましたぁ、どうやって考えを変えたんですかぁ?


……理智はダンキにこう答えます。
そうだな、平等なところに注目してみるとか?
例えば、お金持ちそうなあの人も、きみもきみのいとこも、もちろん私も、
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飛行機が落ちたらみんな死ぬ!
……ダンキは思わず吹き出し、地獄はヒコーキ飛ばないよ、と突っ込むのですが……
こんな言葉が平然と出るようになった当り、理智もちまきたちと出会い、バカになれた……と言う事なのでしょう。
ダンキの悩みも少しは解消されたのか、そこで彼はその従姉妹の家にも人間がいるらしい、という話を突然思いだしたようです。
写真もあるそうで、早速見せてくれたのですが……その写真を見た瞬間、ちまきたち三人はそろって声をあげてしまうのでした!

ダンキの従姉妹、ノンキの家は農場を営んでおります。
やはりあまり生活は豊かでないようで、ノンキが誕生日でもプレゼントは与えられず、一緒にケーキを食べてお祝いをするのが精いっぱい。
それでもノンキは、皆でケーキが食べれて嬉しい!と貧乏なことを謝る両親を気遣いながらも笑顔を絶やさないのです。
と、そこにのんきにプレゼントを渡してくる「人間」が。
お金がないなりに工夫し、野草などから絵の具を作ってノンキの肖像画を描いてくれたようです。
ドレスを着て微笑むノンキの肖像画……
私がうれしそう、と絵を見るノンキも自然に笑顔になるその絵を描いてくれた人間に、ノンキはふたりともありがとう、一緒にケーキ食べよ!とにこやかにお礼をします。
地獄d人間がケーキを食べられるなんてそうそうない事なのでしょう。
よろこんで!と答えるその人間は……
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生徒会副会長の旧田桃姫と、書記の尾木れいだったのでした!!



というわけで、新キャラクターが登場した今巻。
この第2巻では、桃姫とれいの二人が絡んでの物語となって行きます!!
と言っても素直に5人が合流して一緒にタワマンを登っていく!とはなりません。
本来地獄に生きた人間が紛れ込むだけでかなりの事件。
それなのに農園で普通に暮らしていると言うことがそもそもあってはいけないわけで。
さらにそれをタワマンに連れ帰りましょうとなれば、さらなる事件になってしかるべきでしょう!!
そんな二人を取り巻くアレコレ、地獄の住民たちも巻き込んでいきます。
二人が暮らしている農園のノンキたち一家はもちろん、明後日誕生日のカイキ、来週誕生日のダンキと、三人の誕生日が近い少年少女達とその家族たちのドラマも描かれていきます!!
その上そこに、紹介した部分でも少しばかり明かされた理智の家族に関しての驚きの真実も加わり……!?
そして地獄の住人と人間の違い、地獄でのルールなどもわかっていく今巻、相変わらずのコミカルさを保ちながらもシリアスな展開や、世界観をしっかり固めていく重要な一冊となっております!!
個性豊かなキャラクターもさらに加わり、それぞれの背景も掘り下げられていく本作、今後どんな展開が待っているか……一層先が楽しみになること請け合いですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!