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今回紹介いたしますのはこちら。

「BUILD KING(ビルドキング)」第3巻 島袋光年先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、ビルオンライセンス試験に挑戦していたとんかちとレンガ。
ですがそこに敵対する無法者たち、サタンヒルズの住民が襲撃!!
試験を受けに来た一般の職人を装っていたサタンヒルズの一員、ハカに襲われ、危機に陥るとんかちたちですが……?




絶体絶命のピンチに陥ったとんかちたち。
そこで突然姿を現したのが、忽然と姿を消していたあの家獣でした。
ですがその家獣、あの時の家獣に間違いないのですが……その様子が明らかに違うのです。
家獣はその見た目が違うだけでなく、なんととんかちたちを半ば無理やり自分の中に招き入れ、そして話しかけてくるではありませんか!
室内でコーヒーでも飲んでな、冷蔵庫にはジュースもあるぜ。
ひとまず、おかえり、2人とも。
そう言うと家獣は、その形をさらに変え……人型のような形に変形(リフォーム)していくのです!!
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その様子を見て、ハカは驚きを隠せないようです。
こいつは、太古から生きる伝説の家……!
「五獣」と称される最強の家の一軒、「ツーバイフォー」!!
とんかちたちと出会ったこの家獣、ツーバイフォーはやはりただものではありませんでした。
存在が確認されているビルドキングと同様に高い賞金が掛けられている「五獣」であるというツーバイフォー、この世を亡ぼす活力(ビガー)を持っていると言うツーバイフォーは、なんと100兆の賞金が掛けられているのです!
驚愕するハカではありますが、これはチャンスであると考えなおしたようです。
ハカは無惨に弄られ、殺され、捨てられた奴隷たちの亡骸の中から生まれ、はいでた男。
誰が親かもわからない中で、ハカがわかったことはただ一つ……真の弱者には、「墓」すらないと言う事!
生まれてから死ぬまで安住の地などない、そんなハカは……自分たちに凌辱の限りを尽くした支配階級の者達全員の墓を建ててやる、と誓ったのです!!
そんな誓いを立てたハカの前に現れたのが、サタンヒルズの長であるビル・カーペンター。
この世で最も強い活力は「怨み」。
そう言ってビルは、ハカをサタンヒルズに招き入れ、共にこの世を基礎から建て替えようと誘ってきたのでした。
……世界を亡ぼす力を持っていると言うツーバイフォーを手に入れれば、手っ取り早く世界を更地にできる。
この世をすべて墓に!!
ハカはツーバイフォーを手に入れる為、全身から活力を漲らせます!
そんな憎しみに満ちたハカの様子を見ていたツーバイフォーは……優しく語りかけるのです。
わかる、その気持ちは痛いほどわかるが……違うんだよ。
この世で最も強い「活力」は、怨みじゃない。
そう言ってツーバイフォーは、背に背負う形になっていた煙突をハカの方へ向け……
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凄まじい威力を秘めた一撃、チムニーキャノンを放ったのでした!!

ツーバイフォーはさらに続けます。
俺達のような特別な建築物は、古来より住むものの影響を強く受けてきた。
憎しみの充満したいえ、強欲に満ちたしろ、憤怒の館……
どれも違う。
この世で最強の活力は……
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愛情の活力、ラブビガー。
長い時間生きた俺から見れば、今この場所にある水も空気も、喜びや悲しみと言う感情すら、同じ時代を分かち合う家族みてーなもんだ。
さぁ、見えるか?目の前にある「ドア」が。
そのドアを開けて……お前ももう、お家へお帰り。

チムニーキャノンの直撃を受けたハカは、そのすさまじい威力に死を覚悟していました。
ですが、ただ死んでいくだけにはいきません!
人は産まれ方を設計できない、生まれ落ちる場所も選べない。
だが、「死に方」の図面なら自分で描けるぞ!!
目を見開き、ハカはさらに体の中から活力を絞り出します!!
敵の攻撃などでは死なず、自分の活力をすべて結晶化し、寿命を使い果たして死ぬ……!
敵の軍門には下らず、差し違える可能性が一部でもあるかもしれない命を懸けた一撃を撃つ。
私はそれで逝くのだ!!と、ハカは薄れ行く意識の中で叫ぶのですが……
直後、その心の中で……何処へ?と問いかけられるのです。
一瞬空白になったハカ。
そしてその瞬間に、ハカの目の前に「ドア」が現れたのです。
さらにその直後には……
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ハカは見たことのない場所で、見たことのない家の前に立っていました。
ですがその家は、見たこともないはずなのに……わかるのです。
それが、ハカの……存在するはずのない、自分の家だ、ということが……!!




というわけで、あの衝撃的な連載終了を迎えたビルドキングの「その後」が描かれていく本作。
全く終わっていない最終回に衝撃を受けた読者の方も少なくないでしょうが、この第3巻にはその最終回がこれっぽっちも最終回でなかったことがわかる、驚愕の量の描き下ろしがなされております!!
なんとそのページ数、驚きの130ページ超!!
連載分にすると実に6話以上の量がこの単行本のために描き下ろされているのです!!
ちなみにこの単行本が200ページほどなので、60パーセント以上が描き下ろし……!!
そんな島袋先生の連載終了となった無念の思いと、それでも形にしてあげたいと言う魂の込められたクライマックスが収録されております!!
この後も島袋先生らしい「強いじいさん・おっさん」キャラが大暴れするシーンや、トリコを彷彿させるこの世界の今を作った衝撃の真相、急いでお話をたたまなければならないにもかかわらずちゃんと入れ込まれていくギャグなどなど、見どころがたっぷり!
もう少し早いうちからこう言うバトルメインの展開になっていればもう少し連載が続いたのかも……と思わせてくれる熱いバトルも盛りだくさんで、島袋先生ファンのみならずとも楽しめること間違いなしなのです!
さらに終わろうとする気配すら感じさせなかった連載最終回から、打ち切り漫画らしい(?)エンディングまで一気に走っていく様子などもある意味必見、かもしれません……!
あの連載最終話からが気になる皆さま、紹介させていただいた後はもっと楽しめる内容となっております。
是非ともお買い求めいただき、皆様ご自身の目でお確かめください……!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!