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今回紹介いたしますのはこちら。

「夏目アラタの結婚」第6巻 乃木坂太郎先生 

小学館さんのビッグコミックスより刊行です。


さて、裁判が続いていくにつれ、連続殺人犯「品川ピエロ」こと品川真珠の過去と闇が語られていく本作。
ですが真珠の闇はあまりにも深く、彼女の口から語られる言葉がどれだけが本当でどれだけが嘘なのかもわかりません。
その奇妙な魅力に惹かれるものも後を絶たない真珠、本当の彼女とはいったい……?



裁判も進んできたある日のこと。
最新の裁判には来るなと固く言っていたはずの卓斗が来場しただけでなく、真珠がとんでもない行動をとるなど、様々な出来事が起きました。
そこでアラタにも思うところができまして……ある人物にアドバイスを求めることにしたのです。

待ち合わせをしていた焼き肉屋に現れたのは、眼鏡をした利発そうな女性です。
おせーよ、と毒づくアラタに、彼女はこう返します。
いきなり呼び出されてもね、こっちだって忙しいんだよ!
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このバカ息子が……!
そう、この女性はアラタの母親です。
老けた?かーちゃん、と余計な一言で出迎えるアラタなのですが、アラタの母は返答代わりに顔面へのパンチをお見舞いします!
とはいえこれはその無礼な言葉に対する意趣返しというわけではなく、アラタのしでかしたとんでもないことに対する抗議の意味合いが強いようです。
それはそうでしょう、息子が突然結婚すると知り、さらにその相手があの連続殺人犯の品川ピエロなのですから!!

そんなやり取りの後、席に着く二人。
アラタはまず、迷惑ならこっちがさんざん掛けられてきたんだから今更ちょっと食らいかけてもイーブンだろ、と軽く反撃を見舞います。
男をとっかえひっかえで、何度名字が変わったと思ってんだ、というアラタなのですが、それはお前のためだと言ってはばからない母。
親ってのは歳くって、ボケて子供の世話になるんだ、そうなったら母子家庭は悲惨だ、アラタが下の世話とかできるか?
だから金のある男を捕まえて弟も作ってやったんだろ、4人目にしてやっと優良物件を捕まえたんだよ、と悪びれるどころかどや顔で返してくるのです。
そして最後に、安心しな、あんたの親父が一番いい男だったよ、と付け加えて。
おしゃべりで調子のいいことずっと喋ってて、なのに男っぽいとこもちゃんとあって……と、遠い目をして呟くのです。
とりあえずそこで二人の思い出話は終わり、いよいよ話し合いは本題に入ります。
真珠は先日の裁判で、自分は死刑でいいと言いだしたものの、それでもまだ裁判をひっくり返すような秘密を抱えているような予感がする……
では何故その秘密を明かさないのか?
アラタはその理由を、真珠は「死にたいから」だと言います。
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誰かに楽な形で殺してほしい、つらい人生から解放されたいと言う誘惑に強く惹かれている、虐待されていたこの中にはそう言う子もいる。
真珠が戦うつもりがないなら、俺が戦うさ。
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亭主だからよ!
たばこを片手に笑うアラタの表情は、父親の面影を感じさせて……

そしてアラタは、真珠の母親が何をしたのかが秘密の鍵になる、と考え、自分が最もよく知る「母親」である母に意見を求めたのです。
真珠の母親の画像を見て、母は開口一番、もてるタイプだね、でも何が起きても自分だけは悪者になりたくないってタイプだな、と分析。
アラタはそれを聞いて、児童虐待の最悪は殺してしまうことだが、中には単に死なせてしまうより胸糞の悪いケースがある、と言いました。
小さな子をとことん眠らせないとか、うるさい唐音のしない食べ物しかあげないとか、そう言った事例をあげるアラタ。
ですが真珠の場合はそこまではいっていませんでした。
学校に行かせず、ご飯はツナライスばかりだったものの、暴力的なものはなかった。
ですが歯並びも放置するなど、とてもいい母親とは言えません。
言えませんが……アラタの母は言うのです。
悪者になりたくないから、いい母親を装おうと思うんだ。
どんな母親もそうだけど、このタイプの女は特にね。
逆にさ、いい母親だと思われたかったからこそ……
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歯を放置して、学校にもやらず、ツナ缶ライスで肥え太らせた……てのは、ない?
……おおよそ「いい母親」とかけ離れているとしか思えないその行動が、何故いい母親を装うための行動なのか。
首をかしげざるを得ないアラタですが……母は、その理由を語り始めるのです……!!



というわけで、アラタの母が登場した今巻。
流石と言うべきなのでしょうか、アラタの母らしい存在感のある人物でした。
彼女も一般的な母親とは少し言い難い傑物であるようですが……「母親」であることは間違いないわけで。
方向は違えど、一般的な母親ではない真珠の母の心の内、アラタよりははるかに良く推察できるでしょう!
歯並びの治療をさせず、不登校を強い、食事は栄養の偏ったいい加減なものを与える。
そんな母親が「いい母親だと思われたかった」と言う理由とは何なのか?
アラタの母から語られたのは……!!

そんなアラタとその母の会話以外にも見どころは満点です!
今まではアラタと真珠の戦いで、そこに宮前弁護士あたりが絡んでくる感じで進んでいた本作。
なのですが、今巻からはいよいよ真珠の異様さを感じ取った様々な人物が、それぞれの動きを見せ始めます!
もしかすると今後、今まで思いもよらなかった人物の介入によって、アラタと真珠の戦いの行方が左右されることになるのかもしれないほどに!!
そんな中、真珠自身も更なる驚きの行動を起こしていきます。
彼女の闇に触れていくアラタもまた、闇に引きずり込まれていくのか……!?
今巻のラストでもまた、先が気になる展開が待っています!
これから二人は一体どうなっていくのか?
真珠の抱えているものの全体像はいつ見えてくるのか?
ますます本作から目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!