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今回紹介いたしますのはこちら。

「対ありでした。~お嬢様は格闘ゲームなんてしない~」第3巻 江島絵理先生 

メディアファクトリーさんのMFコミックスフラッパーシリーズより刊行です。


さて、ゲームのプレイすら禁じられているほどのお嬢様学校で、夜な夜な格闘ゲームに明け暮れる綾と美緒。
ですが寮の管理をする生徒、夕と珠樹に発見されてしまい、全てが終わった……と思いきや、何と彼女達もヘビーな格ゲーマー!
結局意気投合した4人は、密かにゲームを続け、格闘ゲームの大イベント「EXjp」に参加することにしたのでした!!




EXjpへの参加登録はすませたものの、そこまでにもかなり大変な関門があった一同。
文字通り反吐を吐くような地獄の(?)試練を乗り越え、一同は何とかEXjpの0回戦敗退(いわゆる不戦敗)は防ぐことができたのです!

そんなこんなで初めての試合となった、「てゃ先輩」こと珠樹。
対戦相手は「恐神(おそがみ)」と言うなんだかおっかなそうな名前の相手です。
ドキドキしながら試合に挑みますと、その恐神さん、
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ホントにおっかなそうな見た目でした!
いろんな意味で強そうな人だ、などと考えながら席につき、まずは自分のプレイしやすいようにボタンの設定を行います。
その最中、てゃ先輩は気がついてしまいました。
思ったほどには緊張していない……つもりだったのに、自分の手の震えが止まらないことに。
そんな状況になっても進行はまってくれません。
勝負は2先(3試合行って、先に2試合勝ったものの勝利)、お二人のタイミングで開始してください。
進行にそう言われ、準備OKのボタンを押すてゃ先輩……
少しのローディング画面をはさみ、そして試合は始まりました!!

慎重に間合いを詰めていくてゃ先輩。
恐神はわずかに後ろに下がった……かと思われた瞬間、リーチの長い攻撃を仕掛けてきます!
てゃ先輩はその直前に間合いを測るためわずかに下がっていたため、恐神の攻撃は空振り!
すかさずてゃ先輩、その空振りの隙に反撃し、恐神のキャラをダウンさせることに成功しました!
空振りの隙に反撃する、通称「差し返し」。
これは格闘ゲームにおいて重要なテクニックで、ある程度の技術と知識、反応が必要となります。
それに成功したと言うことは、緊張しているながらも動けていると言うことでしょう!
てゃ先輩はすかさず間合いを詰め、相手の起き上がりに攻撃を仕掛けようとするのですが……
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恐神は起き上がりに「昇天拳」と言う必殺技を放ってきました!!
昇天拳は、必殺技ゲージを使って放つ「EX昇天拳」でないと、発生した瞬間に無敵はありません。
発生自体は早いため、起き上がりに攻撃を仕掛ける「起き攻め」があまりとくらってしまうことがあります。
やはり緊張していたのか、てゃ先輩はそれを食らってしまうのです!
ここで昇天拳なのかと言う戸惑いもあったてゃ先輩。
すると恐神、てゃ先輩のキャラに当たらない間合いで再び昇天拳を放ったではありませんか。
何らかの入力をミスして暴発してしまったのか?
そう考えたてゃ先輩、すかさず近づいて隙に攻撃をしようとするのですが……
昇天拳は空振り時の隙が思ったより小さいようで、反撃が間に合わず、逆に連発してきた次の昇天拳を食らってしまったのです!
こう言った相手のミスに期待したり、隙の大きい技を連発してはいけないと言ったセオリーを無視する行動をとり、相手のリズムを崩して自分有利の読み合いに持ち込もうとする戦術を、「荒らし」と呼びます。(別の意味を持つ「荒らし」もありますが、恐神の戦法はこちらの方!)
上級者相手には最初の数回は通用するでしょうが、冷静に対処されてあっさりと処理されてしまうことが多い為、主に初級者から中級者に多く見られるこの「荒らし」なのですが、その「最初の数回は通用する」と言うのがポイントでして。
先に二試合勝利した方が勝ち、という短期戦である大会では、決して油断してはいけない存在なのです!!

今度は恐神、空中回転肘と言う相手に向かって突進しながら攻撃する技で突っ込んできました。
しっかりガードするてゃ先輩ですが、この技はガードされても相手と密着状態になる上、反撃が決まるほど隙が大きくない優秀な技。
セオリー通りならば、反撃が決まらないながらも有利な状況にあるてゃ先輩が、投げか打撃かで二択をかけて攻める、ところなのですが……
恐神には必殺技ゲージがひとマス溜まっていました。
この人なら、無敵時間のあるEX昇天拳を打って来る!
そう考え、「後ろ歩き」を選択したのです!
この状況のてゃ先輩のキャラが後ろ歩きをすると、相手の攻撃をガードしつつ、ガードを無効化する投げは間合いの外に出て回避でき、EX昇天拳をぶっ放してきてもガードになって大きな反撃が決められる!
リスクの低い行動を選択したてゃ先輩ですが……
そこで恐神が選択したのは「下段攻撃からのコンボ」だったのです!!
後ろ歩きに対して唯一大きなリターンがとれる下段を選択してきた恐神!
普通ならば不利な状況から下段攻撃を出してもあっさりと潰され、大きなダメージを負ってしまう……
ここで下段を選択すると言うことはつまり……先ほどの昇天拳連打は、この一撃を決めるための布石だったわけです!
そのコンボを食らい、一気に画面端に追い詰められてしまうてゃ先輩!
ここでもう一度打撃のコンボを食らってしまうと、このラウンドが決まってしまいかねない大打撃となります。
そこでてゃ先輩、あえて相手の投げを食らってしまう覚悟で、ガードを固めました!
投げを食らったあと、起き上がりに前方ジャンプをすることで画面端を抜けようと考えたわけです!
恐神はてゃ先輩に、打撃でラッシュを仕掛けてきます。
しっかりガードを続けるてゃ先輩、投げが来るのまで我慢し続けよう……と我慢し続けるのですが、そこで恐神は中段攻撃を仕掛けてきたのです!!
このπ4において、ガードの基本はしゃがみガード。
それを崩すには、ジャンプ攻撃か投げを狙うと言うのが基本的な戦法です。
ですがその基本の外にあるのが、この中段攻撃!
攻撃の発生は遅いものの、しゃがみガードを崩すことの出来る攻撃方法なのです!
本来この中段攻撃と言うのはその発生の遅さのため、意識を割いていればそれなりに立ちガードに切り替えて防げるもの。
ですがてゃ先輩、緊張と「投げが来るまで」と意識しすぎていたため、中段に反応してたつことができなかったのです!!
そのまま恐神に攻撃を見舞われ、てゃ先輩はあっという間にそのラウンドを取られてしまうのでした。

荒らしプレイをしてくる相手。
そうわかっていれば、いくらでもやりようはあります。
ですがそれはあくまで、いつものパフォーマンスができれば、の話。
未だ震えの止まらないこの状況で、さらに無理やり力でこじ開けられるように押し込まれると……緊張はさらに募ってきてしまうのです。
涙すらにじんできてしまう状況……で、てゃ先輩は横から小さな息を吐音がすることに気が付きます。
そっと横……恐神の方を見てみると……
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恐神は油汗を滴らせ、レバーを握る手を小刻みに震わせているではありませんか。
そう、恐神もまた、緊張しているのです……!
自分も相手も条件は同じ。
そうなれば、緊張もいくらかマシになると言うものです!
てゃ先輩は相手のパナしに対応をし始め、的確に反撃、そして起き攻めもしっかり行って昇天拳での暴れもシャットアウト!
なにせてゃ先輩、大会前にリサーチを行い、対戦相手が「恐神」で、使用キャラが誰かと言うことを調べると、そのキャラに対する対策をひたすら練習してきたのです!
落ち着いてその成果を発揮すれば、甘えた起き上がり昇天拳などどうとでも対処できるのです!!
そして落ち着いても対処できないEx昇天拳と下段攻撃による滅茶苦茶な二択は……こちらも逆に無敵時間のあるEXかち上げアッパーをぶっ放すと言う「荒らし」で対処するのです!!
これは美緒にもらったアドバイスといいますか、心構えを聞いての行動です。
相手は本気で勝ちたいからこそ「荒らし」てくる。
技術や内容で買っていても、気持ちで負けていたら勝てない。
「私の方が勝ちたい」と証明する必要があるから……「もっと荒らす」!!

その後のてゃ先輩は別人のようでした。
攻めるべきところはきっちりと攻め、相手が有利だったり、勝負を仕掛けてくるようなところではEXかち上げアッパーをぶっ放して荒らしまくる!!
技術はもちろんのこと、精神面でも優位に立ったてゃ先輩は、その勢いのまま見事に勝利を決めたのでした!!
……怖い人相手に荒らしで勝って大丈夫か、と思ったのは全てが終わった後。
直後、隣からはくそっ!という大きな声が聞こえたのです!
が、恐神は……対戦、ありがとうございました、と丁寧にあいさつを行ってきまして。
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てゃ先輩もにこやかに、ありがとうございましたで返すのでした!
そんな感じで快勝したてゃ先輩。
ですがそんななか、4人の中でひとり、それはもう酷いことになって初戦から敗退してしまう人物がおりました。
その人物は……!!




というわけで、大会が幕を開けた今巻。
大きな大会と緊張と言うのは切っても切り離せないもの。
0回戦負けを回避した後は、そこが最初の関門になるでしょう。
てゃ先輩は何とか初戦を突破することができましたが……あの人はそうはいかなかったようです!
このままその人のEXjpは終わってしまうのでしょうか?
それとも……!

そんな4人の激戦が描かれていくこの大会ですが、別のドラマも動いて行きます。
EXjpの会場のある福岡に住む未知の強豪「AliceA」の登場、そしてプロゲーマーたちの戦いが!
AliceAの方は本格的な動きはまだこれからという感じですが、プロゲーマーのお話に関してはもうフルスロットル!
なぜか特攻(ぶっこみ)そうなキャラデザインのプロゲーマーたちが、そのプライドをかけた白熱のバトルを繰り広げていくのです!
格闘ゲームのネタとしてはかなり興味深いこの要素ですが、本作を美少女漫画として楽しんでいた方は少し戸惑ってしまうかも……
ですが読みごたえは十分なエピソードとなっているのです!

細かいところでは、スト4モデルと思われていたπ4ですが、この巻での戦術はかなりスト5に寄ってきているのも格闘ゲーム好きとして気になるところでしょう!
さらに「大会直前のバージョンアップ」「バージョンアップの際の各キャラ使いの悲喜こもごも」などの格ゲープレイヤーならば思わずうなってしまうネタも豊富に用意!!
格ゲーファンが一層見逃せない内容になっていますよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!