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今回紹介いたしますのはこちら。

「もういっぽん!」第14巻 村岡ユウ先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、IH予選に挑んでいる青葉西。
団体戦が終わり、今度は個人戦に挑むのですが、相手は強豪ぞろいで……!!



IH予選が終わりました。
次なる戦いは金鷲旗!
去年より、昨日より一つでも上に行けるように、一同は一層練習に打ち込むのです!

とはいえ、当然毎日毎日練習ばかりというわけではありません。
姫コは姫先輩と姉妹仲良く、水族館に遊びに来ていました。
姫先輩は、姫コに一年生だけで立ち上げたバスケサークルで巻き起こってしまった珍事のことを話していたのですが、姫コは心ここにあらずと言った感じです。
大学に進学し、1人暮らしを始めた姫先輩は、新生活を満喫しているようですが……
姫コは、実家から出も通えない距離も出なかったのに姫先輩が一人暮らしを選んだのは、自分に気を使ったのではないか、と考えてしまっておりまして。
そのせいでどうにも元気がなかったようですが、姫先輩はそんな姫コに尋ねます。
梢はどうよ、青西行って。
彼氏ができたんじゃないかなどとからかう姫先輩ですが、姫コはそんな余裕ないし!と苦手な恋愛系の話題を避けようとシャットアウトします!
しかしそんな余裕ないし、という言葉もあながち嘘ではありません。
先日今日の予定が空いているかとメッセージを送ってきた姫コのアイコンが、「金鷲旗4回戦突破」と柔道部の皆で書いた目標の画像になっていたことを思い出した姫先輩。
飽きないよなぁ、あの子たちといると、と青西のメンバーのことを語りだしました。
キャプテンは頼れるけどまじめすぎてたまに心配になるし、神童は神童過ぎて可愛げないし、エースはなかなか心開いてくんないし。
ムードメーカーは……
と、そこまで言いかけたところで、姫子がそれを遮って言うのです。
ムードメーカーは、私が一番苦手なタイプだし。
まあでも……
新鮮では……あるかな。
そして姫コは、今日姫先輩を誘った最大の目的を口に出し始めます。
お姉ちゃん、今日はその、報告と言うか……一言言っときたくて。
私飽き性だし、すぐ気持ちが変わっちゃうから、そうならないために。
そして姫コは……

あくる日。
青葉西柔道部では、猛烈な稽古が行われていました!
団体の中堅戦、赤帯側が技ありでリードしている想定で、それぞれが戦い方をよく考えて……と課題を出されての組手。
それぞれのメンバーは、思い思いの課題に立ち向かっています。
早苗は、残り20秒まで寝技を狙い続ける、相手をじらせば不利な立ち技にも付け入るスキが生まれるかもしれない、と。
永遠は、こういう時こそ焦らず丁寧に攻める、残り1秒でも一本はとれる、と。
南雲は、大柄な選手に対してはとにかく低く、リスクの少ない逆転技を身に着ける、と。
司は、自分にできる事はまだ少ないから、状況によってはパワーで押さえつけて相手に何も刺せないことを優先する、と。
そして未知は、リスクを冒さず優勢勝ちを狙うのも手、前回も引き分けを狙う選択肢があったように……と言う所まではよかったのですが、その後、でも多分姫コは私より弱いから、一本勝ちを狙う方が結局チームのため?と、組手中なのに声を出してしまいまして……
聞こえてますよ!と文句を言う姫コの声が聞こえているのかいないのか、これ中堅戦だから戦法が買ってるか負けてるかによって先鋒代わるよね、どうすれば!?と口に出して悩みます。
その観点を持つことが重要だ、というコーチの声を聞こえますと、先鋒戦で南雲が惨敗したことにして私は責める!と、今度は南雲に「惨」はよけいだ!とおこられる発言をしながら攻めていくのでした!

その時姫コの脳裏には、あの時姫先輩に宣言した事がよぎっていました。
私、昔から何やってもお姉ちゃんにはかなわなかった。
たぶんこれからもそう、嫉妬し続ける。
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けど、尊敬もし続ける。
だからこそ、大好きなこの柔道だけは超えるよ。
お姉ちゃんがいたチームを、私はいるチームで超えてみせるよ。
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新しい目標を示してくれた、この人と一緒に!
その時姫先輩はこう言ってくれました。
梢、青西行ってよかったな。
……この部活に入っていなかったら、未知に会っていなかったら、次の答えは出てこなかったかもしれません。
うん、と姫コは力強く答え、攻めてきた未知の懐に潜り込み、背負い投げを見舞うのです!!
とっさに手をついて耐えようとする未知なのですが、それも限界がありました!
とうとう姫コが、
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未知から 一本を取ったのでした!!
……が。
一本を取られてしまった未知が、
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先ほど投げをこらえようとした腕をおさえ、苦悶の表情を浮かべていて……!!!





というわけで、新生青葉西の新戦力が、一層強力になっていくであろう光が見えたその矢先、予想だにしていなかった暗雲が立ち込めてしまう今巻。
ムードメーカーであるだけでなく、この青葉西の精神的な支柱になっていた未知。
その未知が、故障でリタイヤしてしまうとなると……単純な戦力と言う部分以上に、今後の大会に大きな損失を生んでしまいかねません。
それほど大きな怪我ではないことを祈るばかりですが……
小さな怪我でも無理はできませんから大きなタイムロスになりかねません。
いや、もし大きな怪我で、金鷲旗にも出場できないとなれば……!?
今まで幾度となく、未来に向かって踏み出し、現実という壁に跳ね返されながらも、それでもまた前に向かって歩いてきた青葉西。
そんな青葉西に、最悪の試練が降りかかって来てしまったようです!!

そんな先が気になる展開となってしまった今巻ですが、今後とともに、前半も見逃せない内容となっています!!
IH予選個人戦が収録された前半では、姫コや未知のリベンジ戦が描かれております!!
過去て痛くやられてしまっている相手に、姫コや未知はどう立ち向かうのか!?
そして、気になる個人戦の戦績は!?
こちらでも必見の戦いが描かれているのです!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!