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今回紹介いたしますのはこちら。

「ダンダダン」第1巻 龍幸伸先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


龍先生は月刊マガジンの新人賞を受賞し、2010年に「正義の禄号」で連載デビューした漫画家さんです。
そちらは残念ながら全2巻で打ち切りとなり、その後「FIRE BALL!」を連載するものの、そちらも全4巻で完結。
藤本タツキ先生のアシスタントなどを経て、21年に新天地となるジャンプ+で本作の連載を開始しました。

そんな龍先生の最新作となる本作は、オカルトバトル系の作品。
ですが単なるオカルトバトルでは片づけられない、ありそうでなかった色合いの作品となっているのです!



綾瀬桃は、初めての彼氏に振られてしまいました。
なにかとお金をせびって来たり、体を求めてきたりと非常にアレな彼氏だった為、ふられてよかったような気もしますが……
桃からしますと、理想のタイプである高倉健に似ている貴重な(?)男性だった為、とてもふられてよかったとは思えないのです。
今どきは健さんのような「ジブン不器用なんで」と言うタイプの男子はいないのか、世知辛い世の中だとぼやく桃なのですが、そんな世の中の世知辛さをさらに思い知らされる場面に出くわしてしまうのです。
いつも何やら本を読んでいる、地味な眼鏡の生徒。
そんな生徒に、別の生徒がものを投げていじめているのです!
虫の居所が悪かったのもあるでしょう、桃はおもむろに眼鏡の生徒とものを投げている生徒の間に腰を掛け、ものを投げている生徒をにらみつけます。
そして、眼鏡の生徒に、なに読んでんのそれ、と話しかけるのです。
一応眼鏡の生徒に用事があるという体を装ったわけですが……本当の目的はいじめていた側の生徒にもしっかり伝わっています。
サッと目をそらし、何事もなかったかのように素知らぬ顔をするのでした。

クズしかいねえのかこの世は、と言い残してその場を立ち去る桃。
すると後ろから、先ほどの眼鏡の生徒が追いかけてきました。
綾瀬桃さん、好きなのはわかってるんですよ!
いきなりそう言いだす眼鏡……
綾瀬さんみたいな人がジブンに話しかけてくるなんてもうそれしかありません!と言う眼鏡、流石にそれは自意識過剰と言うものではないでしょうか……と思いきや、彼が好きなんだろうと言っていたのは自分のことではありませんでした。
彼がその時読んでいた本……「オカルト雑誌」です。
『オバマ大統領はすでに火星に行っていた』『ペガサス計画の全容とは!?』などというちょっとアレな見出しが躍っているその本……
それを見せ、オカルト好きなんですね、と彼は言い出すのです!
先ほどのなに読んでんのそれ、と話しかけたことからそんな勘違いをしたのでしょうか。
ですが桃、UFOとか宇宙人は信じていない、とあっさり否定してしまうのです!
それでも食い下がって来る眼鏡に、桃はこっちは今失恋してそんな気分じゃない、そのおたく特有のお室行けてくる感じマジうざい、だから友達いねえんだよ!と手酷く扱き下ろしてしまいました。
気安く話しかけんな、と言い残してまた立ち去ろうとする桃なのですが、流石に今回は言いすぎであると気が付きまして。
ごめん、言いすぎた、と謝り、落ちていたオカルト雑誌を拾い上げ、眼鏡に返しつつ、さりげないフォローの一言も添える桃。
宇宙人は信じてないけど、幽霊は信じてる派だから。
すると眼鏡、

いや幽霊なんているわけないでしょ、と小馬鹿にしたように笑うのです!!
どうやら眼鏡、UFOのような宇宙人は信じているものの、幽霊なんているわけないと言う桃とは逆の考えのようで……
ですが桃、幽霊を信じているのにはそれなりにしっかりと理由がありました。
それは彼女のおばあさんが、霊媒師であると言う事!
除霊見た事あるか、痙攣とかして超ヤバイから、という桃に、痙攣なんて病気でも起きるから証拠にはならないと反発!
そんな調子でどんどんヒートアップしていき、
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二人はお互い幽霊やUFOがいると証明出来たら、相手をパシリにするという勝負にまで発展してしまうのでした!!

桃が向かったのはある廃病院。
ここでは屋上でUFOを呼ぶとアブダクションされる、という噂があるようで、それを試すことになりました。
眼鏡が向かったのは、絶対出ると有名な廃トンネル。
二人は電話でお互いの状況を報告しつつ探索をするのですが……その最中、桃のあまり明るくない過去の思い出を聞くことになります。
桃には両親がおらず、その霊媒師のおばあさんに育てられたとのこと。
桃は外に出る時、あるおまじないをするように言われておりまして、幼い日の桃はそのおまじないをしっかりこなしておりました。
ですがその為に男子に笑いものにされ、あげくに好きな男子にまで馬鹿にされたことで、酷く傷ついてしまったのです。
しかしそれ以上に桃の心に傷を残したのは、その事件を受けて、おばあさんに酷いことを言ってしまったこと。
それ以来最近まで口をきかなかったうえ、おまじないもしなくなったと言うのです。
……最近になって気が付いたのは、他人に自分の家をバカにされると怒りがこみ上げてくる……つまり、あの時酷く傷ついたのは、好きの子に嫌われた事よりも、好きな子におばあさんをバカにされたことが嫌だったのだんと言うことでした。
おばあさんのことも霊媒師のことも、特別感があって好きだった。
幽霊は見たことがないし、おばあさんに霊感があるのか、本物なのかもわからない。
でも自分を引き取って大事に育ててくれたおばあさんを自分は信じているから、幽霊も信じている……
桃はそう言うのです。
……逆に眼鏡がUFOを信じていることに理由はあるのでしょうか?
歯切れの悪い返事を返す眼鏡なのですが、そこに
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おっぱい吸わせてやるからイチモツしゃぶらせろ。
そうと問いかけてくる老婆が突然あらわれるではありませんか!!
これはもう……本物でしょう!!
そこで走っちゃダメ!という桃のアドバイスも聞かず、駆けだして逃げる眼鏡!!
「ターボババアにかけっこで負けたら呪われる」。
そんな話があったのですが、当然メガネはそんなことを知らないわけです。
そして、そのターボババアはあっという間に眼鏡の前に回り込み……!!
慌てて廃トンネルに駆け付けようとする桃。
ですが今度は桃の前に、奇妙な集団が姿を現したのです。
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その集団は桃に向かって走り寄り、あっと言う間にとらえ、服を引きはがし……!!

気付けば桃は、奇妙な部屋の中で拘束されていました。
周りにはあの奇妙な集団が取り囲んでいまして、自分たちはセルポ聖人だと自己紹介してきました。
そして、とんでもないことを言い出すのです。
我々の種は雄しかいないから、クローン技術で数を増やしている。
だがそうすると生物的真価が起こらずに葛藤や喜怒哀楽が消えてしまった。
だから人間のような生殖機能を取り戻すために、あなた方の「バナナ」が欲しい。
今から行為を行い、子宮やバナナを摘出して研究する……!!
あんなとんでもない彼氏と付き合いつつも、純潔は護ってきた桃!
まだ見ぬ高倉健のために守り抜いてきた貞操を、こんなキモい宇宙人に奪われてたまるか!!
そう叫ぶ桃なのですが、宇宙人な謎技術で桃をおさえ込み、無理やり行為に及ぼうとして……!!
と、その時でした、
桃の携帯に、眼鏡からの電話がかかってきたのです。
宇宙人がそれに出てみると……
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携帯の画面から、ターボババアが!?
ターボババアは宇宙人の股間をかじりとって投げ飛ばすと……苦しそうにもがいて、高桃に話しかけてきました。
綾瀬さん、ごめんなさい、幽霊いました!
ターボババアに呪われちゃいました!!!
その顔は、半分メガネ、半分ターボババアになっていて……!?




というわけで、幕を開けた本作。
霊とUFOはどちらが存在するのかを証明するはずが、突如として勃発してしまった宇宙人VS幽霊!
巻き込まれた(?)桃と眼鏡はどうなってしまうのか!?
とんでもない展開からスタートした本作なのですが、この後もさらに驚愕の展開が待っております!!
予想外過ぎる展開が続く本作、これからどうなっていくのかも予想不能!!
これからの展開に期待するしかありません!!

幽霊とUFOという、オカルト系でまとめられながらも、超自然と超科学と言う対極にある存在を同時に取り扱うのは非常に珍しいところ。
個人的に幽霊系のオカルトが好きな自分、オカルト番組を見てUFO系ばかりだったりしてガッカリすることもあったため、おそらく逆の思いをしていた方も少なからずいることは理解できます。
本作はそんな、オカルト仲間でありながら、決して同じものではない、対立すらしていたかもしれない二つのものを同時に取り扱い、一つの作品にまとめているのです!
オカルトバトルものの最先端と言っていい本作、宇宙人と幽霊を今後お話に同絡めていくのかは注目どころ!
こう言った作品には欠かせないラスボス的なポジションをどうするのかという点なども含めて楽しみです!!
さらにラブコメ要素も用意されております。
桃の理想のタイプは高倉健なわけで、眼鏡とは全く別のタイプに見えるのですが、意外すぎるあるポイントが桃を引き付けることとなり……?
こちらも必見なのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!