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今回紹介いたしますのはこちら。

「徳川の猿(ましら)」第4巻 藤田かくじ先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。


さて、鈴の許嫁だと言う不動が現れ、彼が天狗の幹部の一人、次郎坊だと言うことが明らかになった前巻。
ただでさえ油断ならない相手である天狗に、相手の「先」を取ることに長け、月ですら手玉に取る次郎坊がいるkとなると、さらなる苦戦は必至です。
そんな中、天狗はさらに妖しい動きを見せ始め……!



このまま放置しておけば、天狗の恐ろしい兵器が完成してしまう。
一刻の猶予も亡くなり、とうとう猿は精鋭を選び、天狗との最終決戦に挑むことになりました。
風魔たちの強力もあり、天狗の本拠地の中に潜り込むところまでは比較的すんなりと行きました。
そこで猿たちは、二手に分かれて行動することになります。
片方は天狗の兵器を破壊する、もう片方は首領である太郎坊を倒す……!
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鈴は別れ際に、必ずまた会いましょう、と皆と約束するのですが、相手もゆっくりとはさせてくれません!!
天狗の幹部、十二天狗の一人、「霞返し」の僧正坊が襲い掛かってきたのです!!
実力者ぞろいの縦鼻天狗とはいえ、数名でかかれば倒すことは造作もないでしょう。
ですが何らかの罠があって複数名がまとめて倒されてしまう可能性もありますし、ここでいたずらに時間を割くわけにもいきません!
ここは任せて先に進め、と、獅子丸が相手を買って出てくれるのでした!

目標を目指して駆けだす猿たちですが、まだまだ難敵が待っています。
因縁の相手を見つけ、戦いを挑むゼニ。
ライバルと認めた天狗にいることに気が付き、今度こそ決着をつけようと取っ組み合う心。
十二天狗の中に異国の忍者がいると知ると、俄然燃え上がる服部小虎……
激化していく戦いの中で、梅蘭は射撃隊に腕を撃ち抜かれてしまいました。
一刻も早く手当てをしたいところですが、ここは敵陣の真っただ中。
このままではやがて命も危うくなってしまう……ところで、梅蘭は天狗の医師に助けられたのです。
医務室らしきところで、梅蘭の腕から弾を抜き、適切な治療を施してくれた医師、アンリ。
実家が在任を処刑する家業だと言うアンリは、そんな仕事を継ぐのが嫌で家を飛び出し、意思をしているのだとか。
一人でも人を救うのが僕の仕事、敵も味方もないよ。
そう微笑むアンリに、梅蘭も自然と優しいまなざしを送ってしまうのです。
と、そこに、重傷を負った天狗が運び込まれてきました。
胸を撃ち抜かれているらしい天狗、息も絶え絶えです。
アンリはそんな天狗の傷を見ると……よく戦った、君は天狗の誇りだ、あとは安心してぼくに任せてくれ、と彼を優しく抱きしめ、首を極めてあっという間に息の根を止めてしまうではありませんか!!
アンリは男から手を離して立ち上がると、この男は助からない、楽にしてあげた、と言います。
ギロチンの死は一瞬だから人道的だと父上は言うが、僕はそうは思わない。
大に据えられた罪人の恐怖を考えてないよ、絞めには愛とぬくもりがある……
やはりアンリも天狗でした。
一人でも多く助けると言った直後、その手で仲間にとどめを刺す。
そしてそれが正しい事だと信じて疑わない……!
アンリは白衣を脱ぎ捨てながら、梅蘭に向き直ります。
僕は十二天狗の佐徳坊だ。
君に会いたかったよ、藤江梅蘭。
僕の技がどの程度か試したい。
臨戦態勢となる佐徳坊を前に、梅蘭はこう呟かざるを得ませんでした。
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あーあ、私、ほんっと男運ないな。

眠はいち早く兵器の建造場所へと駆けつけるべく走っていました。
ですが辿り着いたのは、多くの積み石がされている奇妙な広場。
そしてその中央には、子供が屈みこんでいるようです。
腰の刀に手をかけ、警戒しながら近づいていく眠……
すると少女は眠の方に振り返って言うのです。
なんであの時私を生んでくれなかったの?母さま!!
背筋にぞくりとうすら寒いものが走る眠。
ですが少女の言葉を無視することができず、眠は答えます。
私と同じように不幸になると思った、と。
少女は目をそらす民に向かって叫びました。
なんで勝手に決めるの?
私を殺しておいて自分だけ不幸って顔して!
ずっと忘れてた!私のこと知ってるの母さまだけなのに!
忘れられたら消えてしまう、酷いよ!
眠は耐えられなくなり……少女を抱きしめます。
忘れてなんかいない、一日だって忘れたことないから!!
そう言って少女を力強く抱きしめるみんなのですが……
背後から、天狗の魔の手が忍び寄って来ることに気付くことができませんでした。
眠ちゃん、こういうものよぅ。
本物の催眠術って言うのはね。
忍び寄るその手には、刃物が鈍く光を放っていて……!

天狗の首領、太郎坊は数名の部下とともに、兵器の下へやってきていました。
太郎坊に、部下は囁きます。
敵がすでに侵入しているとのこと、予定より早いが船を飛ばしましょう、飛行実験も済んでいます。
爆弾も詰み終えました。
このゲームもあとひとさし、
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王手です。
これこそ天狗の最終兵器、飛ぶ船……!
空高く舞えば手を出せるものはなく、次々に投下さえっる爆弾に抗う術もない。
まさしく無敵の兵器と言えましょう。
そう、空高く舞えば、の話です。
ギリギリのところで、そこに鈴と月と犬千代が駆けつけたのでした!!
彼女達の姿を見た次郎坊が、天狗の面を取って、来てくれたのか、江戸の円状に巻き込まれなくてよかった、と鈴に話しかけてきます。
鈴の返答は、腰から抜いた一本の刀!!
次郎坊はにやりと笑い、あなたに私が切れますか、と余裕の表情を崩しません。
ですが鈴、すでにそのまなざしに迷いは生まれないのです。
そのために来た。
ハッキリとそう答えると、次郎坊は鈴を外に連れ出します。
そして出て行こうとする鈴に、月はこう声を掛けました。
あいつは天狗の幹部だ、倒せ。
それに「そのために来た」んだろう。
鈴は……
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江戸を救って、必ずまた会いましょう!
そう言って小さな小袋の「お守り」を手渡し、最後の戦いに挑むのでした!!



というわけで、クライマックスを迎える今巻。
猿と天狗の最終決戦が行われるのです!!
猿の面々はそれぞれ因縁のある相手とぶつかり合うわけですが、とりわけ鈴と月はその因縁が深く濃いものとなっています。
許嫁であり、兄弟も同然に育った男と戦う鈴、天狗そのものと多くの因縁を持つ月。
この二人の戦いが、そのまま天狗と猿との戦いの命運を決定づけると言っても過言ではないでしょう!!
戦う相手はどちらも単純な実力では上。
果たして鈴たちはこの戦いに勝つことができるのでしょうか!?
その勝負の行方は、皆さまの目でご確認ください!!

バトルの描写は相変わらず圧巻の一言!
尺の都合もあって短めの戦いが多くなってしまっていますが、重みを感じる打撃とリアリティある関節技の数々が今回もたっぷりと描かれております。
そして決戦を終えた後にはその後を描くエピローグも挿入。
全4巻と短めになってしまったのは残念ですが、しっかりと完結までの物語が描かれているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!