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今回紹介いたしますのはこちら。

「しょうもないのうりょく」第2巻 高野雀先生 

竹書房さんのアクションコミックスより刊行です。


さて、誰しもがみんな超能力「異能」を持っている世界の日常を描く本作。
ですがその超能力、「超」と言うには些細すぎるものが多く、バトル漫画のような世界にはなったりしません。
主人公の星野さんは「書類を崩さず積み上げることができる」という本当に些細な異能の持ち主なのですが、もう一つ異能を持っていることないしょにしています。
その異能、「人の異能が何かわかる」能力!
その能力を持っているといろいろな場所で重宝される場合が多いのですが、星乃さんの異能は仕事に生かすにはちょっぴり精度が低いようで。
下手に事実を明かして自分の能力に振り回されるよりは、異能なんて関係のない普通の生活をしようと星野さんは考えるのでした。




ある日のこと、星野さんは自分の隠している異能を知っている数少ない人物、井上さんに頼みごとをされてしまいました。
それは、最近はやっている「偽異能」についての調査のお手伝いです。
異能と言うのは基本的に医師が関わる「診断」と、民間企業が行う「判断」によって決定されます。
ですが、緩い診断を出す医師がいるようで、そのあたりがずっと問題になっているとか。
とはいっても、いくら適当にすごい異能があると診断が出たとしても、実際の能力が追いついていなければあとから困るのは診断を出された本人のはず。
普通はその通りなのですが、問題は「ない異能」を言葉巧みに売りにしてコンサルタント業界に入ってくる奴らがいることだ、と井上さんは顔をゆがめるのです。
話を聞いている段階では完全に他人事だった星野さんなのですが……
井上さんは、そこで星野さんにこの事件の解決のためのお願いをしてきたわけです!

星野さんがまずお願いされたのは、
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ある女性の調査です。
早速その女性が講師をする会に参加することになりました。
その講師の女性、「確実に人月が把握できる」と言う異能を持っているそうで。
そんな人が会社に力を貸してくれればそれはもう心強いですから、多くの人が詰めかけてきておりまして、星野さんがやってきても全く違和感はありません。
ほどなくその女性が姿を現すのですが……!

講演が終わると、一緒に聞いていた知人の男性はいたく感動しておりました。
あまりきちんと理解はできなかったが、なんていうかお話を聞いていると背筋がピシーッと伸びるんだよね。
そう言ってご満悦奈彼ですが……それもそのはず。
星野さんの見立てでは、彼女の本当の異能は
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「話をしている相手の姿勢を良くさせる」と言う能力なのですから!!
……とはいっても、星野さんの受けた印象からすると、彼女は悪い人と言う感じではないかったようで。
どう報告していいのやら、と頭を悩ませることになるのでした。

そんなこんなで頭を悩ませていた星野さんですが、繁忙期にヘルプで入ってくれたバイトさんにこんな話を聞きました。
「新しく異能を見出してくれる」セミナーがある、と。
そう言えば最近は言った新人の女性、「リスケジュールを円滑にできる」異能だと言う触れ込みで入ってきました。
が、星野さんの見立てでは、彼女の異能は「釣り上げる前に魚の種類がわかる」という微妙なモノ。
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彼女自身は釣りとかをしなかったため、その異能に気付いてはいなかったようですが……
そのリスケの異能は、セミナーのおかげで気が付いたと言う彼女……単純に異能ではなく、持ち前の才能と努力でリスケが得意になっているわけです。
そこで星野さん、そのセミナーが井上さんの言っていた件に関係があるんじゃないかと思いつきます。
早速報告してみますと、すぐ井上さんからレスポンスが返ってきました。
報告書とさっきのサイトとでいろいろ繋がった、ありがとう、とのこと。
どうやら今まで井上さんが調査していたもろもろと、星野さんが今報告したもろもろで、井上さんは全容が見えたようなのです!
星野さんにとっては何がどうつながったのか分かりませんが、ともかく井上さんが満足しているようなので万事OKでしょう。
と、そんな井上さんとの電話の様子を見ているものがいました。
見ている、と言うより、急に後ろから名前を呼びつつ押してくるとプチドッキリを仕掛けてきたのですが……
その人物は、同僚の本田さんです。
本田さんは星野さんの電話相手が誰だったかその時気付いたようで、今の電話の「井上さん」は、この間ウチに来ていた井上さんですか、とズバリ尋ねてきました。
少し前に星野さんが転職するんじゃないかと言う噂が流れたこともあったので、そのあたりが気になった本田さんは問いかけたのでしょうが、なにせ星野さんが今回していた事はまるでスパイか探偵のようなことなわけで。
ハッキリと本当のことを言うわけにもいかず、仕事の相談で、何でもないんで、としどろもどろに答えるしかできないのでした。

……本田さんの異能は。「相手の嘘の割合がわかる」です。
普段の星野さんは本当に裏表のない正直者なので、今のやり取りです獄ウソの割合が大きかったのが本田さんは気になってしまいました。
そして彼女が向かったのは、藤原さんのところです。
藤原さんは本人も自覚していない「不老不死」という超レアな異能の持ち主なのですが、そんな異能を持っているがゆえに何となく星野さんは藤原さんのことが気になってしまっていまして。
そして自然と触れ合う機会が増え、藤原さんも星野さんのことが気になって来てしまっているのです。
コイバナ大好きな本田さん、藤原さんが星野さんのことをいつも気にしていることにも気づいておりまして。
それなら星野さんの嘘の割合が多い理由がわかるんじゃないかと尋ねるのですが、藤原さんは星野さんのことを「仲がいい方かもしれないが、同僚としてだ」と言うのようなことを言ってあたふたするばかり。
そんな煮え切らない態度にも苛立ってしまいまして……
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ただの同僚だったら、星野さんがお昼休みに井上さんと電話してても平気ですね!先を越されても知りませんからね!と言い残し、プンスカしながらその場を去っていってしまうのでした!
井上さんのことを知らない藤原さんはきょとんとするばかり。
ですがこんな本田さんの、自分でも悪役みたいだと思ってしまう苛立ちが……この後の二人の関係を変えるきっかけに……!?




というわけで、思いがけない展開を迎える今巻。
基本的に目立った事件は起きない本作ですが、偽異能調査と言うホンワカした星野さんのイメージには合わない「事件」が起き、そこに首を突っ込んでしまうるわけです!
この後井上さんと星野さんのタッグはもう少しこの偽異能事件にぐいっと首を突っ込んで行くわけですが……
やはり大胆に人の異能を見出していくようなセミナーを行っている相手ですから、一筋縄ではいきません!!
果たして井上さんと星野さん、この事件を解決できるのでしょうか……?

そして同時に進展していくのが藤原さんと星野さんの関係です!
普通の日常を過ごしつつ、ふわふわしながら何となく距離を縮めていくのかと思われた二人の関係。
ですが今巻のうちに、その関係に大きな変化が巻き起こります!!
……大きな変化が巻き起こる、というのはちょっと言い過ぎかもしれませんが……とにかく二人の関係は今までのお互い(別の意味で)気になっている同僚、と言う者ではなくなるのです!
一体二人の関係は、そして偽異能事件の顛末は?
是非ともその目でご確認ください!

そんな事件は起きるものの、基本的にはのんびりした異能のある普通の日常+ほんのりラブコメ、という形で進んでいくのは変わりません!
今巻も肩ひじ張ることなく楽しめる内容になっているわけです!
そして本作、今のところ第3巻も刊行予定のようで、高野先生初の第3巻が刊行される作品になりそう!
この本作ならではの味わいがこれからも楽しめるのは嬉しいところですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!