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今回紹介いたしますのはこちら。

「フールズ」第3巻 皿池篤志先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスGJより刊行です。


さて、普通の人だったはずの人間が突如特殊な能力に目覚め、「バカ」となってしまう世界での物語となる本作。
バカは普通の人間からは恐怖の対象であり、政府によって駆除の対象。
「無敵」の馬鹿となってしまった文子は、バカたちが集まった組織「フールズ」に加入し、理不尽に殺されていくバカたちを救いだそうとするのですが……




文子の能力は「無敵」です。
バカを駆除する「ネゴシエイター」は、銃を使ってバカを殺そうとしてきます。
ですが文子の持つ無敵の能力は、そんな銃弾などものともせず、文字通りネゴシエイターなど敵ではないのです!
そのおかげでフールズは、今までよりもはるかに多くのバカを救うことができるようになりました!
順調そのもの……と言いたかったフールズの活動ですが、ここで新たな問題が持ち上がって来てしまいます。
フールズに対抗するため、ネゴシエイターにマシンガンなどの更なる強力な銃火器を使用するようになったのです!
ですがアブマシンガンだろうと、おそらくバズーカなんかであろうとも、文子を傷つけることはできないでしょう。
武装が強まったところで、何の効果もないのです。
……文子にとってだけは。
フールズの一員として、バカを助けているのは文子だけではありません。
他のフールズの面々もバカを助けようと奔走しているわけで……無敵ではない他のメンバーにとっては、バカを助けると言う行動に伴う危険が非常に大きくなってしまったわけです!
そこでフールズは方針を変えることにしました。
これ以上、バカを助ける行動、通称「スカウト」をすることをやめよう、と。

そんななかで、文子だけはスカウトを続けることを決意します。
確かに文子ならば、今までと全く変わらず、ほぼ安全にスカウトを続けることができるでしょう。
止める理由もありませんから、フールズも文子のスカウト活動は容認するのです。

そんなわけで文子はたった一人でスカウト活動を続けました。
いや、正しくは一人ではありません。
人間でもバカでもない、バカの能力によって生み出される「ノイズ」の一種であり、自分の意思を持っていて、人間とほとんど見分けのつかないサンディとコンビを組んでスカウトをするのでした!
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サンディもノイズであるため、ほとんど不死身。
無敵と不死身の二人ならば危険もほとんどないわけで。
ネゴシエイターの方も、遭遇してしまった以上は交戦するものの、勝てないのは明白。
あれはもう放っておくしかない、どうにもならない、と二人に対しては実質無視することにしたようです。

そんな文子ですが、もちろん現状に悩みがないわけではありません。
自分一人だけでもバカを助けると決意したものの……フールズで一緒に暮らしていた、ロミオがそれにあからさまな不満そうな顔をするのです。
文子が現れるまで、フールズの幹部の九条の右腕同然の存在で、スカウト活動の先頭に立ってきたロミオ。
だと言うのにそのスカウトを禁じられたどころか、文子たちは以前スカウトを続けている……
どうしてもそこに納得しきれないのです。
それは自分が無力だと言う感覚よりも、九条にとって自分が一番信頼を寄せられる存在ではなくなってしまったかもしれない、という焦りが強いようで……

そんなロミオとずっと顔を合わせているのも気まずい文子、サンディの家に居候することに。
ですがだからと言って胸に抱えた不安が全て消えるわけではありません。
ロミオが自分に対して強い対抗心を持っていて、それが嫌な空気を作っている。
……ロミオはなぜあんなに勝った負けたにこだわるのか?
サンディにそれを尋ねてみますと、サンディはこう言います。
そんなのアイツに限った事じゃなくね?
ニンゲンなんて皆勝った負けた出存在意義を感じてるもんじゃねーの?
ヒトより優れていたい、幸せでありたい、そうやってみんな競争してんだろ、不毛な椅子取りゲームをさ。
文子もその考え方、いや、現実がわかっているのでしょう。
わかっているからこそ、思わずこんな言葉をつぶやいてしまうのです。
競争、か。
そんなの皆やめちゃえばいいのに。
……サンディは文子を、やっぱり君は面白い奴だ、と言ってから、さらにこう続けました。
生き物は誰だって競争ってやつからは逃れられないのさ。
進化という仕組み自体がそれを義務付けちゃってるから。
ニンゲンがバカを嫌うのは、バカが自分達にとって代わろうとしているかもしれないと言う恐怖から。
ロミオが君に向ける感情もきっと同じ。
他の生物から食べられることを怖れ、他者から蹴り落とされることを怖れ、他者から蹴り落とされることを怖れ、みんながみんな競争の輪の中にいる。
ニンゲンでも生き物でもないアタシから言わせてもらうとさ。
正直キミ達が気持ち悪い。
ついついそんな本音を口走ってしまったサンディ。
流石に失言だったと気づき、慌てて今のナシで、アタシがヘンな奴だってばれちまう、と取り消そうとしました。
文子は……そんなサンディにこう返すのでした。
サンディさんはヘンですよ、そんなのであった時から知ってます。
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でも、そんなサンディさんが私は面白くて好きですよ。
そんな言葉とともに笑う文子。
サンディもにこりと笑い……
君のそののんきな寛容さで世界を救ってやっておくれよ。
少なくともあたしは君に救われているよ。
そう言って、何処かさみしげな表情を浮かべるのでした。

街中で発生するバカ。
流石に文子たちだけでは全員が助けられるはずもなく、多くの犠牲者が出てしまいます。
ネゴシエイターの三崎は、好調でフールズが動きを見せない今こそ勝負時だと考えているようです。
今度フールズが動くその時こそ、「群れ」の捕獲作戦を一気に進ませるチャンス。
誰か一匹捕まえて、他の奴らの居場所を吐かせる……と、そう考えているようです。
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ちょうど使ってみたかったオモチャもあるしな、とにやつく三崎。
どうやらバカを捕まえる秘策があるようです……!

そんなある時でした。
バカが発生した気配を感じたロミオと愛々。
文子たちは別の馬鹿を助けるために戦闘中で、どうしてもそちらには迎えません。
そこでロミオは動いてしまいます。
それは文子に対しての対抗意識があったからだけではありません。
これ以上バカが殺されるのを黙ってみてるのが嫌なんだ。
バカになっちまったら死ぬだけなんだって思ってた、でも俺は九条さんに助けられたんだ!
あそこで終わってたはずの命が、今もまだ続いてる。
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俺だってあの時の九条さんみたいに、誰かに「生きていてもいいんだ」って思わせたいだけなんだよ!!
ロミオのそんな思いを聞いては、愛々には止めることができず……
そのままロミオたちはバカが発生したその場所にたどり着きました。
そしてそこにすぐ、ネゴシエイターもやってきます。
そう……三崎が。
三崎の持つ「オモチャ」の存在など知るはずもないロミオに対し、三崎は懐から何かを取り出し……!!



というわけで、新たな展開を迎える今巻。
フールズで戦うことを決意した文子ですが、その文子の参戦が皮肉にも、フールズの活動を鈍化させてしまうことに繋がってしまったわけです。
それでも戦う道を選んだ文子なのですが……
この後物語は急展開!!
ロミオの前に現れた三崎の持っているオモチャとは何なのでしょうか?
そして三崎のもくろみ通り、ロミオは捕まってしまうのでしょうか?
この二人の対峙の後、文子とサンディは新たな戦いに挑むことになるのですが、そこで思いもよらない敵と交戦することになってしまいます!!
さらに今巻の最後には、あまりにも衝撃的な展開が……!!

見どころはそれだけではありません。
今巻では謎の少女カンナが本格的に登場することになるのですが、彼女の正体とともに、人間でありながらフールズの一員であるワタナベの過去、そしてサンディの正体も明らかに!!
何故サンディやワタナベがフールズとして戦っているのか?
本作の一つの鍵となるその真相がとうとう明かされることになるわけです!

予想外の展開が連続する今巻はもちろん、ますます盛り上がっていくであろう今後の展開が気になるところ!!
今巻の衝撃のラストから、どんな物語が描かれていくのか!?
本作からますます目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!