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今回紹介いたしますのはこちら。

「人類を滅亡させてはいけません」第1巻 原作・高畑弓先生 作画・蒲タニ(かばゆうじ)先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。


高畑先生は14年に講談社さんの漫画賞を受賞し、「ツースリー」で連載デビューを果たした漫画家さんです。
その後日向武史先生のアシスタントなどを経て、19年に「死なないで!明日川さん」を連載。
本作は先生初となる原作担当の作品となるようです。

蒲タニ先生(カタカナでタニ表記でゆうじと読むそうです!)は本作がデビューとなる新人の漫画家さんです。
漫画家さんになる前はアートや似顔絵などをメインに活動されていた様子で、ちょっと変わった経歴を持っていらっしゃいます。

そんなお二人がタッグを組んで描く本作、日常漫画に分類される作品です。
ですがタイトルからもわかるように、ただの日常御漫画ではなく……?



まぶしい朝日を見上げ、目を細める男。
彼は川北理、26歳の会社員です。
徹夜の仕事を終え、フラフラとした足取りで家に帰ろうとしていた理ですが、そんな最悪の状況で思いがけない出会いを果たすことになりました。
それは、高校の時同級生で、当時密かに思いを寄せていた女の子、持田さんとの再会だったのです!
幼稚園の先生になっていると言う持田さん、今でも当時と変わらない輝きを放っています。
再会したものの、ちょっとしたトラブルのせいですぐお別れすることになってしまったのですが、当時……と言うよりも、今でも好きな女性と再会できたことがうれしくてたまらない理。
今まで生きてきて、大きな波のない人生だったと自負する理ですが、これはビッグウェーブの予感だと興奮するのでした。
幼稚園の先生は彼女にぴったりだなとほほ笑む理なのですが……実は理、ちょっとした思い出のせいもあって小さな子供が苦手なのです。
そんな思い出を振り返り、すこしシリアスな顔になってしまう理。
ちょうど通りがかった公園に小さな子供がいまして、幼稚園手あのくらいの子供だよな、と何となくその子供の方を見るのですが……
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なんかその子供、男の子をものすごい勢いで砂場に埋めているではありませんか!!
慌てて男の子を助け出してあげる理!
助かった男の子は大泣きしてその場から逃げ出すのですが、埋めていた方の子はものすごい勢いで理に食ってかかってきました!!
なにをする、われのえものを!!
子供を獲物呼ばわりする子供……
それだけでもあれな気がしますが、よくよく見れば頭に兎の耳のようなモノが付いていますし、なによりパンツ一丁で後は何も身に着けておりません。
出来ればお近づきになりたくない雰囲気ですが……こんな格好の小さな子供とやり取りしているシーンを見られては、何か自分が良からぬことをしている不審者に見られてしまいそう!!
たまたま近くにいたおばさま方も何やらひそひそ噂を始めておりますし、とにかく厄介ごとから遠ざかろうと逃げ出すことにした理!!
すると何と言うことでしょう、子供は理を追いかけてきてしまうのでした!!

このまま騒がれても面倒なことになりそうです。
止む無く自分の家に連れ込んでしまう理、これはまじで犯罪なのではないか、と思いながらも、とにかくその子が何者なのか尋ねてみることにします。
何なんだよお前、何がしたいんだ!
暴れまくる子供にそう尋ねると、にやりと笑ってこう答えます。
よくぞきいたな、われのもくてきは、きさまらちきゅーじんをまっさつすることだ!
……何かのごっこ遊びか何かでしょうか……
子供の遊びに付き合ってる暇はない、とその子の兎の耳を引っ張って取ろうとする理ですが、そこで何者かの声が響きました!
辞めろ、汚い手で王女様に触れるな!!
その声のした方を見ると……
なんだかぬいぐるみか何かのような、普通じゃない見た目の鳥が、ビタンビタン戸惑にぶつかりながら叫んで知るのです……!

その鳥の名はどうやら「コカトリス」と言うようです。
あっけにとられ、呆然とする理。
そんな理を差し置いて、子供はコカトリスを中に入れると、小型テーブルにどっかと腰を掛け、コカトリスに自分が何者が知らせてやれとふんぞり返るのです。
コカトリスは言いました。
この方は、
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ラビー星の王のご息女にして王位継承第一位、将来のラビー星を統べるお方、リリン様であらせられるぞ!!

人間語をしゃべる鳥(?)のコカトリスの存在、リリンの持つ普通の人間が持つはずのない超能力(眼鏡を曇らせる、という微妙すぎるものでしたが!)。
そんなことからも、どうやらリリンは本当に宇宙人のようです。
そして彼女が地球に侵略しにやって来た、というのも本気らしいのですが、コカトリスによるとちょっと事情が違う様子。
リリンが地球にやってきた宇宙船は、地球に偵察に来るための小さな船で、攻撃能力はありません。
そして偵察に来る段階のため、まだ地球に攻めるという事すら決まっていないそうなのです。
しかも偵察船、ちょっと目を離した隙に、ちょうどその着陸場所で行われていた工事に巻き込まれて破壊されてしまったとのこと……
つまりリリンは地球を征服するどころか、家に帰ることもできない状態になっているのです!
救難信号は出したものの、距離も遠いため信号が届くのは5年後くらい。
そんな絶望的な状態に陥ってしまったことを、今知ったリリン……
いえにかえれなくてもへーきだもんね、なんてったってわれはおうじょなんだから、ひとりでもちきゅーじんをぶっころして……
と強がるものの、すぐに耐えきれなくなり、ぱぱ、まま、と両親を呼んで大泣きしてしまうのです!!
ただ泣くだけならばまだましなのでしょうが、彼女はこれでも宇宙人。
泣くとその超能力が暴走してしまうようで、部屋の中にあるものがめちゃくちゃに宙を舞いだしてしまいます!!
必死にコカトリスや理がなだめようとしても無駄。
やがてその超能力はさらに激しくなり、部屋の屋根をぶち抜いてしまうのでした!!
それまではリリンのような宇宙人が来てもたいしたことないんじゃないかと楽観的だった理。
ですがこんな超能力を持った連中が大挙して押し寄せてきたら、ひょっとするとひょっとするかもしれません!
とりあえず、パパとママはすぐ来てくれる、きっとすぐ帰れる、と言ってリリンを落ち着かせようとする理。
それでほんの少しリリンは落ち着いたようで、超能力の暴走は収まります。
……こうなると気になるのは、「宇宙人の大軍がやって来る」こと。
もしかすると地球は本当に征服されてい舞うかもしれない……とはいえ、5年も先のことだし、どうしようもないし、皆死ぬならいいか……と言う考えもよぎる理。
ですがそこでふっと持田さんのことを思い出すのです。
せっかく再会して、人生が上向いてきたかもしれないのにそれはダメだ、と思い直すものの、どうしたら宇宙人の侵略を阻止できるのでしょうか。
ふと視線を移せば、リリンは普通の子供のように泣きじゃくっています。
その様子を見ると……理の胸はざわつくのです。
理が子供を嫌いな理由。
それは、
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泣いている子供を見ると……ひとりぼっちで泣いて過ごしていた、自分が子供だった頃を思い出してしまうから。
こいつも地球でひとりぼっちなんだ。
そう思うと、どうしても放って置けなくなる理。
と同時に、リリンがなんとか星の王女様だと言うなら、攻めてくる大軍もリリンの言うことを聞くのではないか、と言う計算がよぎり……
理はリリンに声を掛けました。
ほら、もう泣き止めよ。
おまえら行くとこあるの?
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う、うち、住む?
……俺が教育してみようか、地球を亡ぼすなんて言わない、心の優しい子に。
そんな決意とともに、幕は開くのです。
宇宙人の女の子のとの、奇妙な共同生活が!




というわけで、地球の運命をかけた教育が始まる本作。
教育、とは言っても、人の親や教育者としての経験なんて全くない理、思うような生活などできるはずがありません。
まずしなければならないのが、リリンのことを良く知り、リリンと心を通じ合わせること。
なにせリリンといいますか、ラビー星人が何を食べるかと言う事すらわからないわけですから、何から何まで手探りで物事を探る必要があるのです!
地球の常識など知らない上、王女様と言う浮世離れしまくった出自のリリンは何もかもが型破り。
あまりにも面倒臭いリリンのではありますが、同時に普通の子供らしい面も持ち合わせておりまして、なんだかんだと放って置けないかわいらしさを持っています!
理もそんなリリンに振り回されながらも、なんだかまんざらでもない気持ちになっていくわけです!
そうして徐々に二人の距離が近づいていくわけですが、もちろんすんなりとはいきません。
リリンが子供であるからこそ起こるアレコレなど、様々なトラブルがたちふさがるのです!
そして今巻のラストでは、新たなトラブルの種となりそうな新キャラの登場がにおわされて……!!
宇宙人の子供との楽しくも大変な日常が楽しめる本作、これからのお話も楽しみですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!