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今回紹介いたしますのはこちら。

「リリィ・トライアングル」第2巻 ツナミノユウ先生 

星海社さんの星海社コミックスより刊行です。


さて、救世子と美虎と小姫の奇妙な三角関係(?)が描かれていく今巻。
救世子は美虎に、美虎は小姫に、小姫は救世子にとそれぞれ一方的な愛(崇拝?)を向けていた本作なのですが、その関係性もだんだん変わっていき……?



ある日のこと。
救世子と美虎は、二人で旧校舎に来ていました。
世界史の先生から古い資料を探してほしいと頼まれた、とのことで、救世子自らが美虎を連れてやってきたのです。
わざわざ生徒会長がいかなくてもいいんじゃないかという美虎ですが、気分転換にいいじゃないか、ちょっとした冒険だ、と救世子。
気分転換とは言うものの、救世子はなるべくじっくりこの時間を楽しんでいたいと思っていたりします。
救世子、二人っきりのデート……的なことを考えて勝手にドキドキしているわけです!
とはいえ、目的地は決まっていて、目的の本も探し出すのが難しいと言うわけではありません。
あっさり古い資料は見つかり、楽しいデート(救世子視点では)はすぐに終わってしまうのです。
……ところがなんということでしょうか。
たまたま通りがかった教師が、旧校舎に鍵をかけ忘れていると勘違い。
しっかり錠前付きの鎖で施錠してしまいまして、二人は旧校舎に閉じ込められてしまったではありませんか!
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これはまずいことになったな!もう二度と出られんかもな!と冗談を言う救世子に、美虎もお前の望み通り冒険だな、と返し……二人は旧校舎内を当てもなく歩き始めます。
普通に考えれば、そのあたりにある窓から適当に出ることはいくらでもできるでしょう。
ですがそんな普通の意見は、二人の口からは出てきません。
美虎と少しでも長く二人きりになりたい救世子。
最近なぜか救世子にときめいてしまう美虎……
そんな二人の思いが、無意識のうちにこの状況を作り出してしまっているようです。
そんな自分の浮ついてしまっている気持ちを感じ取っている美虎、とりあえず何か間を持たせようと口を開きます。
しかしなんだな、日も落ちかけて迫力も出てきたな。
噂の「泣き声」ってのも聞こえてきそうじゃないか。
……泣き声、とは何なのでしょう。
救世子も初耳なその声について聞いてみると、なんでもこんなうわさがあると言うのです。
夕方になると、旧校舎から女のすすり泣きのような声が聞こえてくる。
よく聞く学校の怪談と言うやつでしょうか。
それを聞いた救世子、あんな風にか、とあごで指しました。
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耳を澄ますと……聞こえてきます。
ウ、ウウ……
ウウ、ウ、ウウウウ……
この話題を出してきたのは美虎の方ですが、まさか本当にこんな声が聞こえてくるとは。
嘘だろ、と流石の美虎も怯えてしまうのです。
ですが救世子はと言うと、平然としているどころか、声が聞こえるのはこっちか、とそちらの方に向かってどんどんと歩を進めていくではありませんか!
おいおい行くのかよ!とたまらず止めようとする美虎ですが。それでも救世子は止まりません。
生徒かもしれないだろう。
本物だったら……
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その時はその時だ。

幽霊の正体見たり枯れ尾花、とはよく言ったものです。
いざその鳴き声のもとにたどり着いてみれば、泣き声の正体は何てことのないものでした。
古い時計のアラームがセットされたままになっておりまして、壊れかけ、時間になるとおかしな音を奏でていた、というのが真相。
ネタが割れればこんなものか、ともかく生徒じゃなくてよかった。
そう言って笑顔を浮かべる救世子。
そんな笑顔と生徒を思う気持ち、勇気を見て、美虎は……
こいつ、本当に生徒会長なんだ、私はビビッて身動きできなかったのに。
そんな思いとともに、今まで感じていた胸の高鳴りが一気に高まっていくのです!
美虎の思いを知る由もない救世子、怪異も撃退したことだし、そろそろ戻ろうか、と美虎に持ち掛けるのですが、そこで突然バランスを崩して倒れこんでしまいます。
やはり救世子も幽霊は怖かったようで、今になってその怖さに耐えられなくなってフラッと来てしまった様子。
胸で受け止める形になった美虎は、いいさ、掴まってろ、と救世子をそっと抱きしめ……!!
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二人の胸はそれはもうとんでもないくらいに高鳴ってしまうのでした!!



というわけで、美虎と救世子の冒険が収録された今巻。
この事件を一つのきっかけとして、二人の関係性も変わっていき……?
さらにそんな二人の変化にあてられてか、小姫のほうもいろいろと立ち位置が変わって行きます!
それぞれ一方通行の思いを抱いていたはずの三人が、逆方向の思いも抱き始め!?
三人の関係性が完全なトライアングルになる日も間もなくでしょう!!
さらにルナナや雷帝院先輩と言ったサブキャラのお話も着々と進行!
ツナミノ先生ならではのハイテンションなすれ違いが今巻もたっぷりと収録されているのです!!

そんな本作ですが、次巻で完結となるようです。
ネタ的に長くは続けづらいだけに、少し寂しいですがそのくらいで終わる方がいいのかもしれません。
奇妙な三角関係の三人、最終的にはどんな関係になるのか?
その時をしかと見守りましょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!