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今回紹介いたしますのはこちら。

「ドッペルさん」第1巻 大海たび先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。


大海先生は19年にヤングマガジンの漫画賞を受賞し、デビューした漫画家さんです。
そして20年より本作にて連載デビュー、無事この度初の単行本刊行となりました。

そんな先生の初連載作品となる本作、ジャンルはラブコメとなっております。
ラブコメと言えば、メインとなる主役たちの心が通じ合うかどうかをコミカルに描いていくのが基本系なわけですが、その基本に大きく手を加えた設定を盛り込んでいるのが本作の最大の特徴となのです!!



チャイムが学校に響きます。
掃除の時間を告げるチャイムです。
山本は一人、掃除当番で担当になっている第一化学室でたたずんでおりました。
掃除の時間なのに、誰も来ない……いじめ?
入学してまだ2ヶ月なのに、いい学校だなホント。
うつろな瞳でそんなことをつぶやきながら、仕方なくひとりで掃除を始めようとする山本ですが、そこに一人の女子が現れました。
同じクラスの服部さんです。
彼女も山本と同じ掃除当番のはず。
よかった、俺一人かと思ったよ、他は皆サボって……と、にこやかに彼女を迎え入れる山本なのですが、服部さんはそんな山本をスルー。
まっすぐ掃除用具入れに向かい、無言でホウキを手に取りました。
服部さん、山本とは中学から一緒だったりするのですが、仲がいいとは言えません。
こう言った感じで特に会話もなく……そもそもなんだか凄みのある目つきをしていて、怖さすら感じてしまうのです。
美人なのにもったいない……そんなことを考えながら服部さんを見ていると、彼女は山本に何見てんの、と一言。
このように妙にあたりが強いですし、今までに何か嫌われるようなことでもしたんだろうか、と不安になる山本。
なんとも居心地も悪い山本、さっさと終わらせようと、服部さんに背中を向けて掃除に集中しようとするのです、が。
服部さんの影が不気味に蠢き、そこから
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なんだか全体的に黒っぽい服部さんが姿を現したではありませんか!!
しかもその黒っぽい服部さん、ヤッホー山本、とフランクに声をかけてきて……!!
思わず大きな声を出してしまう山本。
服部さんはその声に気が付き、うるさ、何?と山本の方を振り向くのですが、その瞬間に黒っぽい服部さんは消えてしまいます。
今もう一人服部さんが……!と素直に今のことを伝えてみるものの、もちろん信じるはずもなく。
病院行った方がいいんじゃない?とまた冷たい言葉を駆けられてしまうのでした。
冷静に考えればあんなことはあり得ません。
見間違いか、と思い直し、ごめん、と小さな声で謝るものの……
謝らなくていいよ、見間違いじゃないし、と囁く黒っぽい服部さんが現れたではありませんか!!
ビビる山本に彼女は、静かに、頭の中で話して、私にはわかるから!と口を開かないよう指示。
そして、自分のことを乞う紹介したのです。
自分は服部ちゃん、正確には「服部かさね」の「ドッペルゲンガー」の様なものだ、と!

このドッペルちゃん、山本以外には姿が見えないとのこと。
ということはつまり山本に用事があって出てきているのでしょうが、その用事とは何なのでしょう。
尋ねてみれば、彼女はあっさりと教えてくれました。
「本体」に代わって山本に言っておきたいことがあってさ。
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この娘、君のこと好きだよ。
だしぬけに本人(?)から思いがけない発表をされ、流石に声をあげてしまった山本。
何なのさっきから、と山本をにらみつける服部さんなのですが、ドッペルちゃんは続けるのです。
こうやってツンツンしてるのも照れ隠し、ずっと前から山本のことが好きなんだけど、恋愛奥手のチキンだからどうアプローチしたらいいのか分からないんだ。
でも今日は少しだけ勇気を出して、君と二人きりになるチャンスを作るために、他の奴らが掃除に来ないように手回ししたんだ、そして今日は「二人で帰りたい」と思っている。
誘ってあげなよ、どうせこの娘は言いだせないから、山本から「一緒に帰ろう」って言ってやってほしいなぁ。
にやにやと笑いながらそう告げてくるドッペルちゃん。
山本は戸惑います。
なにせ今まで女子とまともに会話すらしたことのない山本、女子を誘うというハードルの高さがとんでもないのです!
そもそもドッペルちゃんの言うことが本当かどうかもまだわかりません。
自分の妄想が作り出したものだったりしたら、恥ずかしいなんてものではないではありませんか!
……とはいえ、そんな山本ですから、女子と一緒に帰ると言う行為には強い憧れがありまして。
勇気を振り絞り、遠回しに聞いてみることにしました!
ねえ服部さん、
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今日遠回しに一緒に帰らない?
…………あまりの緊張と慣れないことをしたため、どストレートに聞いてしまった山本。
焦り放題で、ごめん、今のはあれで……とまたよくわからない弁明をしようとするのですが、服部さんはと言うと
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別にいいけど?と答えてくれたではありませんか!!
断る理由もないし、とそっけない言葉ながらも、その頬は微かに朱に染まっております。
ほらな!とドッペルちゃんはサムズアップ!
この娘、すました顔してるけど、心の中は今有頂天!
こうやって髪を弄るのは喜びを隠してる時だからね!
ガンガン彼女の隠したいかもしれない心の内や癖を明かしてくれるのです!
さらにドッペルちゃん、とんでもない言葉を続けていくのです。
帰り道いろんな期待をしてるよ、手を繋いだり、告白されたり、キスしたり……無理やりホテルに連れ込まれたり!
流石に、しねーよそんなこと!と大声で突っ込んでしまう山本。
服部さんに、何を?と問いかけられてしまい、早速ちょっとだけ気まずくなってしまう山本なのでした!



というわけで、物凄い勢いでヒントや正解を出してくれるドッペルちゃんの登場によって幕を開けることとなる山本と服部さんの物語。
この後、山本と服部さんの持ち前の性格もあってなかなか進展しないはずの関係が、ドッペルちゃんによってもりもりと近づいていくこととなるのです!
素直になれない服部さんの可愛さと、そんな素直になれないはずの気持ちをすべて明かしてくれるドッペルちゃんの有能さ、それが合わさって本作ならではの楽しい雰囲気が生まれております。
コミカル一辺倒になりそうな設定でありながら、ちゃんとメリハリある展開も用意されているのも魅力でしょう!

答えを教えてくれる本人がいる以上、お話はトントン拍子に進む……は進むのですが、やはりすべてがあっさり上手くいくわけではありません。
まさかの恋のライバル(?)の登場をはじめとしたちょっとしたトラブルもあり、正式にお付き合い!とはなかなかいかないわけです!
さらに今巻のラストでは思わせぶりな展開も待っていまして、先も気になるところ!!
ネタがネタだけにバリエーションがあまり多く生まれなさそうなのが心配(あとがきによれば作者さん自身も!)なところですが、そのあたりも含めて今後に期待ですね!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!