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今回紹介いたしますのはこちら。

「狂蝕人種」第4巻 室井まさね先生 

竹書房さんのバンブーコミックスより刊行です。


さて、感染すれば最後、不死身の怪物となって人を襲う恐怖のウイルスが蔓延するボルカ島。
怪物になると24時間でウィルスは自壊し、感染者も死んでしまうのですが、それだけにより一層観戦すれば助かるすべてのない恐ろしさが浮き彫りになるのです。
そんななか、なんとか日本に帰ろうと奮闘する風戸たちなのですが、どうやら軍はこの島から逃げ出すことを許さないようで……?



島で知り合った男、ジルの車に乗って脱出を目指す風戸達。
セイルボートか何か持っていないか、と尋ねるものの、そんな物持っていないとジルは返してきます。
セレブなのに、と口をとがらせる女性陣ですが、その後ジルはこう付け加えました。
クルーザーならあるけどよ、と。

ほどなく一同は、ジルのクルーザーのある港へとたどり着きました。
軽く億は超えるであろうクルーザーを持つジルのセレブぶりに今度は流石、かっこいい、と口々にほめたたえる女性陣……
あれで乗ることができれば島からs脱出することもできるでしょうが、確か港は軍が閉鎖しているはず。
それをどうにかしなければ……と様子をうかがってみますと、どうも以前よりも軍人の数が減っているような。
町の方が大変な状況になっていますから、そちらの方に人を割かれているのかもしれません。
夜になればもっと人が減るかもしれません。
暗くなったあと様子を見て、近づけるか試そうと言うことになり、一同はようやく日本に帰る筋道ができたと喜ぶのですが……
その前に、ジルは顔色を変えてこう言うのです。
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全員指を出せ。
そう言って、ジルはナイフを取り出して……!!

夜になりました。
戒厳令は出ているものの、ここはそもそもリゾートアイランド。
楽しみたいと言うものは少なくないようで、緊急状況下だと言うのに、営業している店もありました。
ですがそれも、軍が見つければ容赦なし。
全員動くな、戒厳令が出ているのはわかってるな、支配人はどこだ!?
軍人は銃を突き付けてそう凄むのです!!
舞台で躍っていたダンサーは、慌てて蜘蛛の子を散らすように逃げ出していきます。
が、その中のダンサーの一人が舞台上でぼーっと立ったまま動かないのです。
それに気が付いた仲間が、早く逃げよう、と彼女の手を引くのですが……
その引いた腕が、ずるりと異様なほどに伸びたではありませんか!!
気が付けばそのダンサー、
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体中から腕が生えている、怪物へと変貌していて……!!

どうやら町中で、昼の内に感染していた者達がどんどんと発症しているようです。
そうして現れた感染体を、遭遇した軍人が撃破していっているわけですが、そんなことをしていっても根本的な解決にはなりません。
治療薬とワクチンが一刻も早く必要なのですが、ここでもこのウイルスの恐ろしさを思い知らされる結果になるのです。
このウイルス、「K-113」は、感染から自壊まで2日足らず。
抗体を作る暇もなく、変異が早くてワクチン製作は難しそう。
治療薬の方も同じように困難です。
似たウイルスと言うものが自然界にないため、どうすれば治るのかもわからないのですから。
ゲノムを調べれば、人間の手によって作られた真野であろうと言うことが感じ取れます。
ですが、生物兵器として作ったにしては感染力が弱く、このウィルスを作った意図がわかりません。
思い起こせば、一倍慎重だったはずのサルコ博士が感染してしまったことも気になります。
彼がそんな初歩的なミスをするとは思えません。
そしてこのウイルスについて中央に聞いてみても、「データがない」の一点張り。
そして本土から来た研究員たちは、島のメンバーにデータを要求するものの、自分たちのデータはいっさい開示せず……
上層部が何かを隠しているのは間違いないのですが、それ以上に今不安なのは、本土から来たラングストン教授。
あまりいい噂を聞かない彼が、わざわざこの島に来た理由は?
どうにも不安はぬぐいきれないのです。

その頃、怪物となったダンサーを相手にしていた軍人は苦戦を強いられていました。
通常の銃や火炎放射器の類では、怪物を倒しきることができません。
装甲車の大火力を当てれば何とか倒すこともできるのですが、他の怪物を相手にしていたり、その戦いで使用不能になっていたりとこちらにまで手が回らないようです。
強力な火を放つナパームならば倒せるでしょうが、そうなると町に甚大な被害が出てしまう……
部隊長は悩んだ末に撤退することにするものの、その撤退するために乗り込もうとしていた車も別の怪物に占拠されてしまっていて……!!
その怪物の牙が部隊長に襲い掛かると思われたその時、
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怪物が焼き払われたではありませんか!!
本土から来た増援、CBRN部隊です!
その火力で怪物を倒すことはできましたが……
使用したのは部隊長が使わないと決めたナパームで。
結局そこの一区画は消失してしまうのです。
町のダメージに怒りを隠せない部隊長ですが、CBRN部隊はどこ吹く風。
彼らは、部隊長たちに言うのです。
俺達は鎮圧のために来たんじゃないよ、と……!

すっかり日も暮れたころ、港にやって来た風戸。
軍人たちの姿は全くなく、うまくすればこのまま脱出できそうです。
あのジルの取り出したナイフは……一同の指を切るためのもの。
とはいっても物騒な意味ではなく、指先に切り傷をつけ、夜までに治ってしまわないかのチェックのため。
感染者は怪物の再生能力が先に備わるため、発症する前にこうして観戦していないか確認した、というわけです!
幸い6人は傷がついたままで、この方法で判断する限りまだ感染していなさそう。
すぐに逃げ出そう、と船に向かおうとしたその時です。
港にヘリが近づき、
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港についていた船を全て破壊してしまったのは……!!


というわけで、またも脱出の芽を摘まれてしまった今巻。
物語は今までのスピーディーな展開から打って変わって、じっくりとした展開へと向かっていきます。
島の中でとりあえず怪物から身を隠す場所を探し、そこで静かにチャンスをうかがうことにした風戸達。
その一方で、軍人は今までとは違う「作戦」を決行していくのです!!
その作戦は、島外の人々にとっては最良かもしれない、ですが島の中で感染していない人々にとっては最悪かもしれない作戦。
その作戦のおかげで、ある程度冷静になる時間はできる事になるのですが、風戸達感染していない者達には同時に怪物に怯える時間が増えることになるのです。
いつだれが死んでしまってもおかしくない本作。
その展開はこれから先でも変わらなさそうですが、これからは登場人物のドラマを掘り下げていく展開もポリ混ぜられていきそうです。
ですがその矢先にまた恐怖が襲い掛かってきて……!?
不死身の化け物と、怪しい企みが渦巻く本作。
風戸達はこの島から脱出できるのでしょうか。
誰が生き残り、誰が死ぬのでしょうか?
恐怖の展開はまだまだ続いて行きそうです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!