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今回紹介いたしますのはこちら。

「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」第16巻 長田悠幸先生・町田一八先生  

スクウェア・エニックスさんのビッグガンガンコミックスより刊行です。




さて、タピオカズのツアーファイナルで、とうとう衝動が抑えられなくなってしまったジミ。
大衆の前で、未完成だった最期の曲をかき鳴らし……!!


ツアーが終わった後もタピオカズのスケジュールはびっしりです。
そのスケジュールの確認を行っているタピオカズ一同なのですが、どうも全員上の空。
その原因は……もしかしなくても、あの一曲の精でしょう。
しばらくするとおもむろにギターをかき鳴らし、あの曲を弾くギターのみっちー。
ですがしばらく弾いていると……何度完璧にコピーして弾いても、あの静かな劇場の爆発、みたいなタッチが出せないんだ、と下唇を噛んで悔しがるのです。
感情をあまり表に出さない彼がこうもはっきり悔しがって見せているように、あの一曲は相当な衝撃をもたらしたのです。
久保田もまた、物憂げな表情を浮かべながらつぶやくように言いました。
俺も、あれからずっと頭ん中でリピートしてるよ。
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本田先生があんなすさまじいギターを弾けるなんて……

衝撃を受けたのはタピオカズだけではありません。
BLUCK BUSの面々は、今度SHIORI EXPERIENCEとのタッグで出すスプリットアルバム用の新曲をすべて一から作り直す、と鬼気迫る勢いで意気込みます。
赤潮潮流やドリルヒルズもあの曲の凄さを認めつつも、自分たちにしか出せない音、自分たちでしか作れない曲で勝負をしようと決意。
そして兼業バンドだったガーターキーは、仕事をやめてバンド一本で勝負しようと決意して……

そんな各方面に影響を与えたSHIORI EXPERIENCEの面々は……
真夏の部室でとろけるような暑さに唸っておりました。
今は夏休み真っ最中。
紫織の夏期講習が終わるのを待って練習をしようと言うことになっているのですが……
クーラーなんてもちろんなく、頼みの綱の扇風機も故障。
いつも涼しい顔の光岡を除く他の面々は息も絶え絶えなのです。
そんな中で一同、ある話題に触れはじめます。
それは……3年生が卒業したら「SHIORI EXPERIENCE」はどうなるのか?と言うことです。
目黒と川崎以外のメンバーは3年生、普通の3年生は今まさに受験のための追い込みの真っ最中。
ですが最近の忙しさゆえに、そんなことを考える余裕もなかった、と台場。
井鈴もまた、受験のこととか考えなきゃいけない時期なのはわかっていたけど……と、やはり勉強などはしていなかった様子。
光岡は流石と言いますか、ちゃんとツアー中も勉強をしていたそうで、涼しげな表情。
しかしその涼しげな表情のまま、こう続けるのです。
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いずれにぜよ、このバンドは続けたい、
……そこに関しては皆の考えは一致しています。
一同はあの暑い夏のことを思い出して……そして、台場は思いを口に出しました。。
本当にこの夏のツアーは、夢みたいだったよな。
今まで生きてきて、一番楽しかった。
勿論タピオカズさんのおかげだし、この夢の時間がずっと続くほど世の中甘くないってのもわかってる。
けど今なんの迷いもなく恥ずかしげもなく言いたい。
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俺はバンドで生きて行きたい。
みんなで曲作って、アルバム出して、日本中ツアーして、また曲作って。
卒業してもずっとさ、そんな風に生きて行けたら最高だと思わないか?
一同の脳裏に浮かぶのは、あの紫織の奏でた曲と、観衆の盛り上がり。
あの感動と衝動を味わえば、もうそれを忘れられないのは無理のない事でしょう。
……と、そんな時、部室に紫織がやってきました。
遅くなって申し訳ありません。
そう呟く紫織の顔は、なんだかいつもとムードが違います。
そしてまっすぐアンプの方に向かい、ギターを取り出しながら言いました。
実は皆さんにお話しなければいけないことがあります。
そして、お話する前に聴いていただきたいんです。
あの曲を。
あの曲。
それを聴けるとなると、一同は色めき立ちます。
あれ聴いてから合わせたくてうずうずしてたんスよ、いつの間にあんなどえらい曲作ってたんだよ、早く聴かしてよ……
そんな皆の声を聴きながら、準備を終える紫織。
そして、彼女はこう言ったのです。
最初は私、本田紫織が弾きます。
……最初は、とはどういう意味なのか。
光岡がその事を訪ねますと、紫織ははっきりと言うのです。
私が弾いた後、同じ曲をもう一度……
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ジミ・ヘンドリクスが弾きます。


と言うわけで、いよいよメンバ0にすべてを明かすことになった今巻。
ですがこのカミングアウトは、この後待ってい来る更なるとんでもないカミングアウトへの序曲でしかありませんでした。
稀代の名曲を序曲とするそのカミングアウトとは……?
何度か大きな波があった本作ですが、今巻で起きることは本作の中でも最大かその次には大きいであろう大事件!!
本作の物語ががらりと変わって行くであろうこのとんでもない出来事、皆様の目でご確認ください!!
そのとんでもない出来事に向かうまでの様々なイベントも、本作らしい感情を揺さぶるドラマチックな描写で描かれていきます。
激動の展開から新たなる旅立ちへと向かっていく本作、今後の展開からも目が離せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!