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今回紹介いたしますのはこちら。

「髑髏は闇夜に動き出す サードシーズン」 TETSUO先生 

少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。


さて、人の怒りや絶望に住まう闇と、その闇に憑りつかれたものの復讐劇を描いていく本シリーズ。
巻数表記がなかった本作が、なんとサードシーズン刊行となりました!
ファーストシーズン、セカンドシーズンと、理不尽な凶行に怒り、復讐に燃えた男たちを描いてきたわけですが、本作では果たして……?


シャワールームから出てきて、髪を乾かす女性。
おっとりとした印象を受ける彼女、髪を乾かし終わると、肌のお手入れをして電気を消しました。
そしてベッドに入ると、程なくした静かな寝息を立て始めるのです。
何事もない一日の終わり。
……彼女にとっては、そうでした。
静まり返った部屋。
彼女が寝ているベッドの下から……
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一人の男が這いずりだしてきたのです!!
作業服に帽子をかぶった男が!!
男はゆっくりとあたりを見回してヘアバンドを手に取ると、持ってきたビニール袋の中へ。
そしてそれをバッグの中にしまうと、女性が唸りながら寝返りを打ちました。
布団がめくれ上がり、露わになる彼女の太もも。
男はその足に手を伸ばし……たかと思うと、めくれ上がった布団を直してあげました。
そしてヘアバンド一つを取っただけで後は何もせず、まるで最初から何もなかったかのように立ち去るのでした。

時間は少し遡ります。
その女性が近くの大野自転車店と言うお店を訪ねていました。
すみません、自転車見てもらえませんか?
そう声をかけると……背後から店員らしき男が現れました。
作業服に、帽子の男……!
あの部屋に忍び込んでいた、いや、のちに忍び込むことになるあの男ではありませんか!
男、大野は弁当を買いに出てたんだ、と背後から現れた理由を説明。
そして、もし時間があるなら、腹ペコだから弁当を食べてからの修理でもいいかな、とにこやかに尋ねてくるのです。

女性は嫌な顔一つせず、先にお弁当を食べることを許してくれました。
そんな出来事もあって話しやすい雰囲気になりまして、大野は彼女にいろいろと尋ねます。
彼女が今年から大学生だと言う事、町のことがわからなかったが、目の前に自転車屋さんがあって助かったと言う事。
そんなことを教えてもらうのですが、大野は、駅前にショッピングモールができてから、店も僕も古いだけで何の値打ちもない骨とう品みたいなもんさ、と自虐。
すると彼女、私は好きですよ、懐かしいこの漢字、子供のころ近所に会った自転車屋さんによく似てる、とにっこり笑ってくれるのです。
……後ろを向いている大野の顔色はうかがえません。
ほどなく作業は終わりました。
問題だった修理箇所の他、サドルも傷んでいたからサービスで取り換えた、とのこと。
彼女はお礼を言って、自転車店を去って行きました。
……大野はそれを見送りながら……サドルをしっかりと抱えるのでした……

別の日、彼女がアルバイトしているレストランに大野がやってきました。
お冷のお替りを頼む大野のもとに彼女が向かい、そこで彼女は大野に気付いた様子。
偶然だね、僕もこのファミレスにはよく来てるからよろしくね「白石さん」、と声をかける大野。
なんで名前を知っているのか、と驚くのですが、そもそもファミレスの制服に苗字の描いたプレートが付いているのですから何の不思議もありません。
その制服すごく似合ってるよ、たまらないね。
……そんな不気味な言葉をつぶやく大野。
しかしすぐ、ごめんねセクハラ親父みたいなこと言って、と冗談めかして笑うのでした。
その後大野は店から出て行きました。
大野に白石が話しかけられていたのを見ていたバイト仲間が、クレームでもつけられたのかと聞いてきたので、近所の自転車屋さんで、よくこの店に来るらしい、と説明をしたのですが、バイト仲間は見たことがない人だけど、と首をかしげます。
とはいえ時間帯やシフトの関係であまり認識していないと言うこともよくある事。
あまり気にせず、白石はバイトに打ち込むうちに、その会話を忘れて行くのです。
……が。
ファミレスの外の木陰から、じっと白石を見ているものがいました。
そう、大野です。
大野はデジカメを手にし、白石の様子を見つめながら、写真を撮り続けていたのです……!!

その後も大野は白石をストーカーし続けます。
ファミレスで働いている様子を撮影し、隙を見て彼女の自転車をパンクさせて店に来るよう仕向け、そしてある時はピッキングして大胆に彼女の部屋のベッドの下に身を隠す……!
そうしているうちに、1年が経とうとしていました。
撮り続けた写真、少しずつ手に入れた彼女のこまごまとした品物やあの時のサドル。
そのころにはそれらがたっぷりと溜まっていました。
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運命の出会いから1年、君なしじゃボクは生きていけない。
わかってくれるだろ?
もうすぐ、君に僕の全てを見せてあげる。
そういって、大野は偏執的に笑うのでした。

そんなある日の事、白石は友人に誘われ、アイドルグループ「NEW・WAVE」に会いに行くことになりました。
友人が熱心なファンで、ファンクラブ限定企画に当選し、直接会えることになったのだとか。
付き添いを一人連れてきていいとのことで、一人で行くのは流石に……と、友人は白石を誘ったようです。
そのイベントが行われるホテルに行くと、マネージャーが出迎えてくれまして、ホテルの一室へ。
中に入ると、正真正銘、本物のNEW・WAVEの5人が待っていました!
感動に打ち震える友人ですが、彼らはリラックスしろよと二人にお酒をすすめてきます。
ですが彼女達はまだ未成年、お酒を断るのですが……よくよく見ると、机の上に違法薬物らしきものも見え隠れしています!
なんだか恐ろしい気配を感じ始める白石なのですが、その時彼女と友人を彼らの内の一人が抱き寄せ、こう言うのです。
俺は未成年でもアリだよ。
じゃあ二人とも脱いで、と!!!
なんだかきな臭くなってきました。
大丈夫、朝にはちゃんと帰してやるから。
そう言って二人をにらむ彼らの様子を見ると、どうやら冗談などではなさそうです!
NEW・WAVEのリーダーである小野田だけはそれを止めようとしますが、他の4人は全く取り合わず……!!
白石が促し、二人はとにかくその場から逃げ出そうと駆け出します!!
友人を何とか部屋の外に押し出すことができたのですが、先に逃がしたおかげで白石は彼らにつかまってしまいました!!
いよいよ本気で恐ろしくなった友人は、白石を助けることもせずその場から逃げ出します。
彼女が逃げたことに気が付いた小野田は、少し迷ったあと、彼女を追いかけて……

友人はそのまま逃げ切ったようです。
小野田がロビーにいたマネージャーに彼女が逃げてこなかったと聞くのですが、マネージャーは気付かなかったとのこと。
ちょうどその時部屋に残っていたメンバーから電話がかかってきまして、小野田とマネージャーが部屋に戻りますと……
そこには、
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物言わぬ死体となった白石がいたのです……

とんでもないことをしでかしたNEW・WAVE。
ですが彼らは今飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドルグループで、ここで彼らがこんな事件を起こしたことが明るみになればその損失は計り知れません。
悩んだものの……マネージャーは、この事件を隠ぺいすることに決めてしまいました!!
白石の荷物を改めて住所を確認、そして死体を彼女の部屋へ搬送。
部屋を荒らされたように偽装すると、彼女はホテルでNEW・WAVE似合って何もなく家に帰り、そこで強盗に襲われた、と言う設定を作り上げたのです!
友人にばらされたら全て台無しですが、そこもマネージャーには考えがある様子。
マネージャーには、全てを闇の中に葬る算段ができているのでしょう。
偽装工作を終えると、マネージャーと彼の交錯を手伝った小野田は速やかにその場から去って行くのですが……
……静かになった白石の部屋の、ベッドの下から……
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あの男の手が、這いだしてきたのでした……!!



と言うわけで、今までのシーズンとは一味違う味付けが施してあるサードシーズン。
今までの主人公は家族などを殺された善人でしたが、今回は勝手に恋い焦がれていたストーキング相手の復讐に燃えるストーカー、と言うとんでもない主人公となっています!
今までの主人公達は善人だっただけに、復讐にもある程度の抵抗があったはず。
ですが今回の主人公である大野は、白石が全てだと言うほど心酔しきったストーカー。
その愛の対象を殺した存在がいることを知れば、烈火のごとくなどと言う言葉では生易しい勢いで怒りを燃やすはずです!!
そして復讐相手もまた、今までとは少し違った方向ではありますが、ヘドが出るほどの大悪党です!
今まで以上に残忍な復讐劇にあること間違いなしのサードシーズン。
一体どんな凄惨な復讐となるのか?
一人だけ悪事を止めようとしていた小野田もその復讐の牙にかかるのか?
そして、今までのシーズンではすべてを出し切って死んでいった主人公たちと同じような結末を、子の大野も迎えるのか……!?
血と悲鳴が飛び交う復讐劇、必見です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!