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今回紹介いたしますのはこちら。

「衛府の七忍」第10巻 山口貴由先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。


さて、徳川家とその猛威によって命を奪われ、怨身忍者と化した化外者たちの戦いを描いていく本作。
ですがその関係性に変化が現れ始め……?



カクゴと伊織は、身分の違いなど関係ない、化外者の安らぎの地だと言う「トコヨノクニ」を探し旅をしていました。
手がかりを手繰り寄せ、そして辿り着いたのは悴者の町と呼ばれる集落にやってきます。
ですがどうやらここは、求めていたトコヨノクニではなさそうです。
いつなにをしでかすかわからないような危険な香りを漂わせる輩ばかりがうろついている、危険な町。
ここに来る前に会った関所にいた役人も行っていたのですが、まともな人間が来る町ではありません。
天下泰平の世の中になって、稼ぎ場所を失った狂犬の溜まり場。
伊織はこの町をそう評します。
とはいえカクゴたちも居場所のないものであるのは間違いないところ。
居場所のない者同士仲良くやって行こう、と言うのですが……

カクゴ、早速酒場でもめ事を起こしてしまいます。
ちゃんと酒を楽しみたかった伊織はご立腹。
そして、結局トコヨノクニなんてあるわけがない、おとぎ話よ、とシビアな現実にむきあうのです。
ですがカクゴは、おとぎ話のような大昔からの言い伝えと言うのは、本当を隠している、と断言。
連れてってやるよ、おとぎ話の向こう側に。
そう伊織にはっきりと宣言するのでした。

ちょっといい感じになる二人ですが、そこに一人の男が近づいてきました。
怒りを肩に担いだ、半裸の褐色肌の男……
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霹鬼、タケルです!!!
勿論タケルが同じ怨身忍者である事を知らないカクゴたち。
ですが、自分たちと同じ化外者であることは感じ取れます。
タケルの方は、すでにカクゴたちに何かを感じ取っている様子。
獅子の声が聞こえた、お前の力を溜めさせてもらう。
雄たけびをあげるとともに、腹に浮かび上がる獅子の顔をあらわにするタケル!!
こうなればカクゴもわかります。
タケルが同じ鬼であること。
そして、戦いを挑んでいることに!!

二人の戦いは短いものでしたが、すさまじい攻防のある一戦でした。
戦いはお互いが「鬼」であることがわかったこと、そして庵の鶴の一声で引き分けとなりました。
そして戦いが終わった後、二人はタケルの隠れ家へ。
野犬の肉をふるまってくれるタケルなのですが、伊織は犬の姿焼きはまじギブ、とのことで箸が進みません。
代わりに煙草を進めてくれましたので、それをありがたく頂戴しまして。
あまり遠くに行くなよ、というカクゴの声を背中に、外へ一服しに向かうのでした。
二人きりになったところで、カクゴはタケルがはるばるこんなところまで何を目的に来たのか、と尋ねてみます。
するとタケルは言うのです。
「ニライカナイ」。
身分の檻の無い国がここにあると聞いた、と。
……ニライカナイとトコヨノクニ。
あまりにも似通った二つの地が、同じ場所にある、と言う言い伝えがある……?
おとぎ話の中の話にすぎないと思っていたトコヨノクニの話が、にわかに現実味を帯びてきたのです!!

伊織は煙草の煙をくゆらせながら、一人呟いていました。
流石にないだろうな化外者の安らぎの地。
伊織やさしいから乗っかってあげるけど。
そんなことを言っておりますと、再び伊織のもとに見知らぬ男がやってきます。
釣りざおを背負った体格のいい男。
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何か遠くからお前のうろこが光って見えた、と言うその男。
地元の漁師かと尋ねてみますと、神州の海ならどこも言っている、とのこと。
一応、この辺りで化外者の村とか聞いたことがないかと尋ねてみた庵ですが、やはりその男も聞いたことがないとのこと。
ただ、化外者がきらきらの衣で待っている所なら知っている、と言うではありませんか!
まさかそこが探し求めていたトコヨノクニだと言うのでしょうか?
表情を明るくする伊織なのですが、その男の次の言葉を聞いて顔色を変えました。
竜宮っつーとこだ。
昔行ったことあんだわ。
伊織は一応確認。
竜宮って乙姫がいるあの竜宮?
あんたってもしかして……
その男の、そーだ、と言う言葉とほぼ同時に、
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伊織の飛び蹴りが男の顔面に叩き込まれました!!
ですが男は眉一つ動かしません。
どしたいきなり、と聞いてくる男に、伊織は敵意をむき出しにし、腰の得物に手を掛けつつ言いました。
桃太郎も金太郎も人喰いだって聞いてる、お前はその一味だろ、浦島太郎!
直後……浦島は伊織の口に指を突っ込み、やすやすと持ち上げたではありませんか!!
えっれー生きのいい鮎だな。
連れてったるわ竜宮。
浦島の指は、伊織の体の自由を奪うツボに食い込んでいます。
伊織の体はピクリとも動かず、浦島のなすがまま。
浦島は悠々と伊織を担ぎ上げて浜に向かいますと、海の中から潜水艦の様なものが出てきました!
これこそがおとぎ話の中の「亀」。
浦島太郎はこの亀にのって、竜宮城まで言ったと言うわけです。
そして海中を進んでいくと、やがて見えてきたのは
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海中に没する巨大な巨大な屋形船。
この屋形船が浦島の言う竜宮で……
竜宮は、地上で許されない欲望を満たすためにある、海底娼館なのです!!
海深くある竜宮城。
ここに連れ去られてしまえばいかに怨身忍者と言えども追いかけることは不可能……!
果たして庵の運命はどうなるのでしょうか!?



と言うわけで、竜宮編が幕を開ける今巻。
なのですが、本作は何と今巻で完結となります!!
ラストエピソードと言うことで、日本三大太郎(?)が総登場し、さらにこのあと日本中に散っていた鬼たちがこの地へと集結していきます!!
次々に集まる鬼たち。
深海の竜宮城。
浦島太郎と乙姫……!
この壮絶な戦いとなる気配が満ち満ちている竜宮編、まさかの展開が待ち受けています!!
突然の完結となった本作、果たしてどのような結末を迎えるのか?
徳川家との決着は?
桃太郎と金太郎は?
化外者たちの安らぎの地はあるのか……?
誰しもが絶句するであろう衝撃のラスト、皆様の目でご確認ください!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!