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今回紹介いたしますのはこちら。

「裏バイト:逃亡禁止」第3巻 田口翔太郎先生 

小学館さんの裏少年サンデーコミックスより刊行です。




さて、和美とユメが大金を入手するため、危険な裏バイトに精を出す本作。
ユメの危険を臭いで感じ取る能力と、和美のドライな判断のおかげもあり、最悪の結末だけは逃れ続けてこられました。
そんな二人の次なるアルバイト先は……?



和美とユメの所属している会社に、直接の依頼が来たとのこと。
ユメと和美、そして和美の後輩で底抜けにアレな性格の橙、さらに初対面の緑澤を加えた4人で向かったその仕事は、探偵事務所の助手でした。
依頼主である八木と言う探偵、4人にはある人物の尾行をして欲しいと言いだします。
その人物とは、「吾妻史郎」。
映画やドラマ、CMにも引っ張りだこの大スターの尾行を、絶対にばれないようにしてほしい、とのこと。
ずっと同じ人物が尾行していたらすぐに気が付かれるから二人一組で、連絡用にこの携帯を使って、といろいろ段取りを組んでくれていた八木。
尾行は絶対に見つかるなよ、見付かったら死ぬと思ってね!
そう笑って、4人を送り出すのでした。

和美がペアになったのは緑澤でした。
緑澤は和美にいきなり謝りだします。
私がペアですみません、こんな根暗女と嫌ですよね、私なんでこんななのって生まれた時までさかのぼって考えたんです、きっと凶星のもとに生まれついたんです、などとひたすら愚痴りまくる緑澤……
さすがの和美も唖然としてしまいますが、ちょっと変わった人物の相手なら和美も慣れたもので。
愚痴をスルーし、吾妻史郎の姿を発見すると、尾行を始めるよう促すのです。
吾妻史郎の後ろ姿を見た緑澤、ホントだ、すごいかっこいい、私みたいな女に付けられて可哀想、と和美の静かにしろと言うジェスチャーを見てもかまわずつぶやき続けます。
重ねて注意してようやく静かにはしてくれた緑澤。
なんとか尾行を始められました。
順調に後を追う事一時間、突然吾妻史郎の足元あたりから奇妙な鳴き声が聞こえました。
後を追いながらそれを確認いたしますと、その声の主は……猫でした。
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内臓をはみ出させ、亡骸となったばかりの猫。
その最後の断末魔の声だったようです……

そうこうしている間に、ユメと橙組に引き継ぎとなりました。
ユメと橙は吾妻史郎の姿を確認。
アレがアズマシローかー、スゲー、テレビで見るヒトだー。
アズマシローマジでアズマシローなんスね、テレビのまんまッスわアズマシロー。
橙の能天気な声と裏腹にユメは、クッサ!と一目見るなりその不吉な予感に顔をゆがめるのです!
ピタリと動きを止めてしまったユメ。
橙がそんな様子を心配……いや、なんで動かないのか理解できない感じで、早く行きましょうよ、見失っちゃいますよ、と声を掛けます。
と同時に、近くを通っていた通行人が、今の吾妻史郎じゃない?と会話を始めていました。
二人組の女の子の片方が吾妻に気が付いたようで、もう一人はよく気づいたね、などと言っていたのですが……
直後、
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気が付いた方の女の子がトラックに轢かれてしまったではありませんか!!
一転して絶叫に包まれる街……
ユメと橙は呆然とその場に立ち尽くすのでした……

夜の十時を過ぎ、今日の仕事は終わりました。
一同は無事一日目の仕事をこなしたわけです。
一同「は」。
吾妻史郎を追いかけていた間に遭遇した、不可解な事故。
あれはやはりこの仕事と関係がある事なのでしょうか?
和美やユメがそう考えてしまうのは、尾行中に感じたある事実にも原因があるのです。
それは、何時間も尾行していたにもかかわらず、
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真後ろの姿しか見ていない事。
何時間も追いかけていれば、真正面から見ることはなかったとしても、何かの拍子で斜めだったり、横向きだったり、様々な角度の姿を見かけるのが当たり前のはず。
なのに真後ろの姿しか見えていない……
しかもそれに加え、真後ろしか見えていないにもかかわらず、「吾妻史郎である」と4人が全員自然に確信していたのも妙。
ゲーノージンだからオーラでわかるんだろうと橙は言うのですが……

気のせいだ、後しか見てないってことは気付かれて無いってことだ、君たち才能あるよ、ラクショー過ぎて歯ごたえ無かったらすまんね!
もろもろのことを相談してみても、八木はあっけらかんとそう言って一同を送り出します。
一同は引き続き吾妻史郎の尾行を続けるのですが……
その尾行中、
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「空中で死んだ」としか思えないカラスが、吾妻史郎の背後に落下してきたのを見て……
やはりこの尾行には、何かが、それも、死に直結する何かがある事を確信することとなるのでした……



と言うわけで、新キャラを加えた探偵助手編を収録した今巻。
今までも様々な怪異に出会い、その度に死と紙一重の危険に遭遇してきた和美とユメなのですが、今回の事件はまた毛色が違うようです。
今までの事件のほとんどは、どこか特別な場所に行ってみたり、特別な儀式に参加させられたりと言った、特別な要素がありました。
ですが今回のバイトは、ごく普通の街中。
吾妻史郎を追いかけていると言う点以外は全く変わったところがないどころか、むしろ尾行していない人や生き物に被害が出ているとは……
誰もが知る有名人であるはずの吾妻史郎ですが、これは一体どういうことなのでしょうか。
本当に彼は吾妻史郎なのか?それ以外の何かなのか?
そしてそもそも誰が何のために吾妻史郎の尾行を探偵に依頼したのか……?
得体のしれない恐怖が描かれるこのシリーズ、最後の1ページまで目が離せません!!

そんな本作らしい恐ろしさが堪能できるシリーズの他にも様々なバイトに挑んでいく今巻。
就任したモノが1週間たつと決まって逃げるように辞めてしまうと言う「学校用務員」。
常連のみが入ることの出来る秘密の温泉の掃除をする「温泉宿スタッフ」。
とあるリスナーの執拗な質問攻めにあう「ラジオ局AD」。
いずれも本作ならではの恐怖とシュールなギャグ、そしてまだ裏に隠されている各個人の物語も少しずつ進んでいく、見どころ満点の内容なのです!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!