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今回紹介いたしますのはこちら。

「十字架のろくにん」第2巻 中武士竜先生 

講談社さんのKCDXより刊行です。


さて、家族を殺した憎きいじめっ子5人組に復讐を始めた俊。
最初のターゲットとして千光寺に照準を合わせるのですが、自分に復讐のためのイロハを叩き込んでくれた祖父の「改心していたら見逃す」と言う言葉がのしかかり……



千光寺への復讐が終わった俊。
ですがまだ彼の戦いは終わりません。
次のターゲットは、右代悠牙。
一見すると爽やかなイケメンにも見える悠牙ですが、その実際の内面は……

とあるカラオケボックス。
その一室で、複数名の若者がたむろしていました。
そんな中でリーダー格になっているのがほかならぬ悠牙です。
取り巻きの女からちやほやされ、悠牙はそれが当たり前という表情で過ごしているのですが、彼の携帯がメッセージを受信すると、「客からだ」と言い残し一人部屋から出ていきます。
メッセージの内容は、客1、今日1800、15本行けます?という、それを見ただけでは何のことだかわかりづらい暗号めいたもの。
どうやら悠牙、こうしてやり取りをして、カラオケボックスにいる女性たちを斡旋する組織的な闇の商売を行っているようなのです!
悠牙が控えている女性たちにいくらで行けるかと尋ねると、一人の女性が私行けるよと言ってそのまま「仕事」へ。
サンキュー、助かる、と彼女を見送る悠牙なのですが、そこにもう一人部屋から出てきた女性が声をかけてきました。
私、もう瓜辞めたいの。
大学の学費も貯まったから……
悠ちゃんには感謝してるんだよ?
そんな彼女に、悠牙はにこりと笑いかけ、ちょっと外で話そうか、と彼女をカラオケボックスから連れ出し、人気のない路地裏へと連れて行きました。
そして悠牙はいきなり彼女にキス!
戸惑いながらもされるがままになる彼女ですが……悠牙、とつぜん彼女の舌を噛んで捕え、すぐに指で挟んで掴んだのです!
そしてあの笑顔など想像もつかない悪鬼のような形相でにらみつけながら、
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瓜をやめたい?
一生やめれねぇよ?
そう脅したのでした!!
さらに悠牙はライターの火を彼女の舌に近づけ、変なことを言う舌は燃やした方がいいな、とやけどを負わせます。
オレが選んでやった客使って楽して稼いて、やめたいからやめますでやめれると思う?
別に大学行ってもかまわねえよ?でもこれからも俺が来いと言ったら来い、行けと言ったら行け。
そう脅してさんざん怯えさせた後は、すぐに抱きしめ、俺にはお前が必要なんだ、と情に訴える悠牙。
こうしてアメとムチを使い分け、女性たちを都合のいい駒として使っているのでしょう。
最後のとどめとばかりに、これからはやめようとしてるやつがいたら率先して止めてくれよ、と駒がお互いを監視する仕組みまで作り上げるのです。
と、その時、悠牙の携帯にメッセージが届きます。
仕事かとそのメッセージを見ると、差し出し主は……至極京。
あのいじめグループの、リーダーです……!

そんな悠牙の最近の様子を調べていた俊。
様々な悪事を現在進行形で行っている悠牙ならば、何の憂いもなく始末をつけられそうです。
問題はどうやって悠牙を追い詰めるか。
不良達と繋がりなんて持っていない俊は、その足がかりさえないことに頭を悩ませるのですが……
そこに、来客を示すチャイムが鳴り響きました。
出てみれば、そこにいたのは二人の男女。
彼らは橋田署刑事課の安西と太田と名乗ります。
安西は4年前の事件の時にもあった刑事なのですが……
その事でまた来たとでも言うのでしょうか。
ですが安西はこんなことを言いだします。
俊くん、千光寺のこと、「どうかしちゃった」?
千光寺くんが失踪する直前、俊くんとよく話していたという情報が入ってね。
なんで自分をいじめてた子と仲良くしてたの?
……安西の遠慮のない質問に、俊はため息交じりに答えました。
「いじめられてなんかない」って4年前も言ったじゃないですか、と。
俊が復讐を遂げるためには、警察はむしろ邪魔。
彼らに報いを与えるのは、自らの手でないと意味がないのですから……!
安西はわずかな沈黙の後、そうだったね、と一呼吸置き、今度はこんなことを聞くのです。
ではもうひとつ、一般論の話をしよう。
もし事故でなく、両親を殺し、弟を植物状態に追いやった人間がいるとしたら、どうする?
自分にとっては意味の分からない質問ばかりする太田は、きょとんとするばかり。
安西は太田のことなど無視し、君ならどうする?と、答えを待ち続けるのです。
そんな安西に、俊が返した答えは……
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殺しますね。
もしそんな奴がいたらですけど。
……そう、恐ろしいまでのさっきのこもった瞳で答えたのでした!!

結局その場は、その場にやって来たおじいちゃんによって解散になりました。
ですが安西が俊を疑っているのは間違いないでしょう。
彼が今後、俊の周りを嗅ぎまわるのも間違いなさそう。
ですが俊は、一向に慌てる様子はないのです。
何も証拠は残さない。
その自信が、俊にはあるのです。

一方、悠牙はいじめっ子グループで集まっていました。
京が一同を集めたその理由は……千光寺の件です。
千光寺が消えた、5人の誰かが何の予兆も報告もなしにかけるなんてありえない。
考えられる可能性は3つ。
1、生きていて連絡できるがしていない。
2、生きているが何らかの理由で連絡できない。
3、死んでいる。
……3の可能性を聞くと、一同に戦慄が走ります。
そして4人のうちの一人が、千光寺は4年前の漆間とのことで何か思い詰めているようだった、と口を開きました。
漆間……俊は四人からすれば、ただのいじめのターゲットにすぎません。
俊が何かをしたのかと言うものもいたのですが、すぐにアイツがそんなことできるはずない、と打ち消してしまいました。
……が、京だけは違います。
誰にも聞こえないくらいの小さな声で、3だ、とつぶやくと、一同に解散を宣言。
一人その場をさっさと立ち去っていってしまうのです。
完全無欠を自負していた京が、唯一取りこぼした「もの」。
それが、こうして姿を現した……
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今日は一人、静かに微笑むのでした!

数日後。
悠牙は仲間の不良達にある人物を紹介していました。
あの女性たちの一人の紹介できたと言う新入りだそうなのですが……
その新入り、あろうことか
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千鶴だったのです!!


と言うわけで、悠牙編がスタートする今巻。
千光寺は最初の復讐相手と言うこともあり、多少痛い目は見たものの、比較的イージーにとらえることができました。
今巻の冒頭部では、千光寺にたっぷりと復讐をしますので、そちらも必見と言った所ですが……
ともかく問題は悠牙です。
千光寺以上にあくどい性格をしている悠牙ですが、最大の問題は取り巻きが多くいる事。
ダーティーな連中とのつながりも少なくはないでしょうから、千光寺とは比べ物にならないほど復讐を遂げるのが難しいでしょう。
そこに来て、なぜか悠牙のもとに働きに来たと言う千鶴。
彼女の存在が、俊にとって助けになるのか、枷になるのか……!?
どちらにせよ、ただでは済まない戦いになりそうです!

今巻の見どころはやはり悠牙のゲスぶりとなるのですが、千鶴の動きにも注目です。
なぜ彼女が働きに来たのか、悠牙の下で何が起きるのか?
そして俊に対して彼女がとる行動とは……?
千鶴の行動にも注目必須です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!