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今回紹介いたしますのはこちら。

「数字であそぼ。」第5巻 絹田村子先生 

小学館さんのフラワーコミックスより刊行です。


さて、夏休みが終わり、後期が始まってもまだまだ数学の迷宮で彷徨い続けている横辺。
今巻でもその険しい道は変わらないようで……?



ある日の事。
北方とともに自転車でちょっと遠くまで出ていた横辺なのですが、用足しをしている間に自転車が撤去されてしまっていたのです。
北方が留めても大丈夫だと言ったから留めたのですが、結果はこのありさま。
北方は、この自転車の町で駐輪場が少なすぎる京都市が悪いとは思わないか、と行政に文句を言うのですが……そんなことを言っても当然どうにもなりません。
止む無く保管所に取りに行くことにするのですが、保管所は少し遠い二条。
バスに乗って行こうかとも思ったのですが、今は学生の修学旅行者が多い時期。
電車の方がいいだろう、と二人は駅に向かうのでした。

その道中、二人は二人組の修学旅行生と思しき女子に話しかけられました。
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朝堂院本舗六角店ってあっちですか?
そう聞かれたものの、二人は一向にピンときません。
結構有名な和菓子屋さんのカフェの様なのですが……この二人、そちら方面には疎いのです。
とはいえ、地図をグルグル回してその店の場所を探すなど、放っておくのもなんだか可哀想。
スマホなども修学旅行中は持ち込まないように禁じられしまっているそうで……このままでは辿り着くことができるか怪しそうです。
仕方なく北方が地図を見てみますと……すでに彼女達、逆に向かって歩いているようで。
その事を教えてあげまして、彼女たちは逆に歩き出すのですが……やっぱり不安。
横辺は自分が検索してあげて教えてあげようか、とも思うのですが……そこで北方、思いがけない人物を見つけました。
それは以前家庭教師をしてあげた、和菓子屋の娘、紗耶でした。
彼女なら件の朝堂院本舗を知っているに違いない。
そう考えた北方、紗耶にこの修学旅行生を案内してやってくれないかとお願いすることにしたのです。

ですが何でしょうか、修学旅行生の女の子の髪を縛っている方、成美はなぜか紗耶に妙に高圧的なのです。
朝堂院本舗入ったことがないようなことを言う紗耶を、小馬鹿にしたような態度を取るばかりか、住所を教えてもらったらわかると返せば、京都の住所って漢字ばっかり並んで古臭い、と住所にまで文句をつけてくるのです。
京都市中京区六角通高倉東入ル南側堀之下町……
確かに他の地域ではなかなか見ない長さの住所ではありますが。
そうすると今度は紗耶がやり返します。
へーえ、こんなにわかりやすいもんないしなあ、漢字よう読まはらへんのやね。
さすが京都の方、まだ中学生なのに堂に入った返しではありませんか!
早くもバチバチと火花が散る紗耶と成美!
成美の友人である梢が流石にこの空気はまずいと察し、ごめんね、教えてくれませんか、と手を合わせて紗耶にお願いしてきました。
紗耶はそれならばと京都の住所のルールを教えてくれました。
住所のルールさえ知っていれば、地図が無くても必ず目的地にたどり着けるそうで。
その朝堂院の住所で生きますと、東西の「六角通」に面していて、すぐ西に高倉通があり、堀野下町の南側にある見せ、と言うことになるのだとか。
聞いてみれば、通りの名前さえ覚えていれば確かに簡単!
感心する梢(あと横辺と北方)に気を良くした紗耶、わからないみたいだから案内してあげる、と笑うのです。
……が、そこで再び成美が噛みついてきました。
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じゃあお願いしようかな、私達東京から来たから田舎のことはよくわからないの。
……またまた一気に冷え込む空気。
横辺と北方はその場から逃げ出したくなるのですが、紗耶がそれを許さず、同行しろと命令……
この地獄の空気にさらされることになってしまうのでした。

何も話さず現地まで向かうのもなかなか耐えづらいモノ。
紗耶の友人である詩織が、常識人な梢の方に話しかけて行きました。
旅行はどの辺を回ったのか、と言う質問に、奈良京都と行って今日は最後の自由行動だと答えをもらうものの……
そこでも成美、3泊もいらなかった、どこ行っても寺や神社やぼろい建物ばっかり、奈良なんか岩・岩・岩、何が楽しいんだろ、とものすごいことを言ってきました。
紗耶もものを知らないとそうなるんだ、可哀想だけど仕方ない、お子様にはまだ早い、とやり返し……

その後も二人のバトルは続きました。
ドンドンヒートアップしていってしまい、とうとう二人は臨界点を突破!
最終的には、なぜか横辺たちに
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京都の女と東京の女とどっちがいい!?と半ギレ……いや、完全にキレて尋ねてきたのです!!
どう答えていいかわかりませんし、どう答えても待っているのは地獄……
テンパりまくった横辺は、とっさにこう答えたのです。
数学ができるほう、と……!

そこで二人は数学の問題で雌雄を決することになりました。
北方によって、中1レベルでわかる問題が出題されます。
1000キロ乗せられるエレベーターがあります、100キロの人は何人乗れるでしょうか。
……答えは当然10人、ですがいくらなんでもこの問題は小学生レベルでしょう。
本当の問題は、この後なのです。
では、-100キロの人は何人乗れるでしょうか。
……二人はすぐさま、-10人、と答えました。
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北方は指でバツの字を作り、ブッブー、と間違いを告げるのです。
意地悪問題だ、と横辺は心の中で呟きます。
そんなことを当然知らない二人、だって最初の問題が1000÷100で10だから、当然次の問題は1000÷マイナス100で-10人、のはず……!
戸惑う二人に、北方がヒントを出しました。
100キロの人と50キロの人だったら、どっちがたくさん乗れると思う?と。
考えるまでもなく、50キロの人の方が多く乗れるはず。
そこで気が付いたのは、梢でした。
-100キロは0キロより軽いんだ、かなりたくさん乗れるんじゃないの、と。
確かにそんな気はしますが、どう考えても1000÷マイナス100はナイナス10。
これが違うなんてありえない、と成美は焦るのですが……
その計算は正しいよ、と北方が太鼓判を押すのです。
何かおかしい、変な感じがする。
モヤモヤする紗耶ですが……
その横で、詩織が答えに近づくのです。
ひょっとして、立てた式がそもそも間違ってる、とか?
すると北方、そのとおり!と頷いて……!
その答えとは……!!
……まあ冷静に考えればわかるのですが、その答えにも数学ならではのディープな世界が秘められています。
その答えにたどり着くのは誰なのか!?
京都と東京、どっちが勝つのか!?
気になるその結末は……



と言うわけで、今巻も数学をテーマにしたあれこれが描かれていく今巻。
紹介したお話はもちろんの事、他のお話でもそこはぶれません!
フリマに出ることになった横辺たちはひょんなことから寄木細工を手に入れ、思わぬ展開になって行くお話。
行方不明の早乙女先生を探していたら思わぬ場面に出くわしたお話。
横辺たち数学専門に生きてきた(?)者達が「料理」で大苦戦するお話。
世見子とまふゆがなんと合コンに参加するお話……
そんな様々なお話が収録されております!
数学要素は専門的なものからすぐに理解できる物まで様々ですし、それを抜きにしても楽しいコミカルな日常がたっぷり!
横辺をはじめとしたダメな大学生の日常に、数学の深淵をちょっぴり覗き込める本作、今巻も絶好調!
今まであまり活躍を見せていなかった早乙女先生が活躍(?)したり、紹介したエピソードのようにもう出ないかなと思っていたキャラクターが再登場したりと、今まで以上にたくさんの見どころが用意されているのです!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!