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今回紹介いたしますのはこちら。

「異世界ちゃんこ」第6巻 林ふみの先生 

竹書房さんのバンブーコミックスより刊行です。


さて、グローリー・エンペルでのあれこれがひと段落着いた前巻。、
グローリー・エンペルでの目的は達成し、新たな旅の道連れも増えたのですが、やはり高良山の帰還方法は見つけることはできず……?



一同はオーレンダムに戻ることになりました。
やはり高良山は人間を召喚する呪文でこちらに来たわけです柄、魔法を学問にしているオーレンダムの神島の「学院」に頼るのが一番ではないか、と言うことになったのです。
来るときはかなり大変だった道中ですが、帰りはそれほど急がないと言うこともあり、だいぶ楽ちんな道中です。
帰り道に使うのは、普通の旅人も利用する街道ルート。
街道伝いにモンスター避けのまじないが施されておりまして、モンスターから襲われる心配がないのです。
景色でも見ながらのんびり帰ろう、とと一同は街道を歩き始めるのでした。

日も暮れたところで、野営することになった一同。
お腹もすいてきましたし、水の補充などもしたいですし、近くにあると言う泉に向かうことになったのですが……
そこで気になるものを見つけます。
無人の馬車です。
しかも、中に積み込まれた荷物もそのまま!
この街道、モンスターは出ませんが、人間の往来は自由……と言うことは、盗賊なんかは出てくるわけです。
このままでは盗賊の格好のまと。
早くどうにかしてやりたいと、あたりを見回す高良山……森の中に、何やらきらめくものがある事に気が付きました。
ちかちかと明滅しているように見えるその光。
何なんだとそれを見ていると……なんだか、頭がボーッとしてくるような……
気が付けば高良山は、その光に向かって駆けだしていました。
それに気が付いたカリーン、どうやら高良山の以上の原因に心当たりがある様子。
やばいやばい、ストップ!と声をかけるものの、高良山は全く止まりません!
ちょっと黙っててくれ、俺はあそこに行かないと……
高良山の頭の中は、そんな考えでいっぱいになってしまっているようです。
カリーンたちは必死に高良山に追いすがり、四人がかりで何とか高良山のバランスを崩して足を止めることができました。
地面に倒れた高良山、その衝撃でようやく勝機を取り戻した様子。
なんだ急に、とあたりを見回す高良山。
するとそこで、高良山を操った光の正体がわかるのです。
それは
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泉に住むモンスター、イーヴルイール!!
動くモノならば人間だろうとモンスターだろうと丸のみにしてしまうと言う、巨大なウナギの様なイーヴルイール、最大の特徴はその尻尾にありました。
尻尾できらめく細かな光。
それで獲物を催眠状態にして、おびき寄せるのです!!
そうこうしている間に、またイーヴルイールによっておびき出された人間が二人泉にやってきました。
その二人はまっすぐ泉に身を投じ、そのまま沈んでいってしまいます。
このままでは溺死してしまう……!
高良山は二人を大声で呼ぶのですが、目覚める気配はありません。
そしてイーヴルイールが二人の体を巻き取り、ギリギリと締め上げ始めるではありませんか!
このままでは溺れ死ぬよりも先に、イーヴルイールに絞殺され、マルのみにされてしまいます!!
すぐさま高良山は駆け出し、二人を救いあげようと手を伸ばします。
ですがイーヴルイールはそのウナギのような見た目通り、全身が強いぬめりで覆われていまして。
そのぬめりで二人をつかむことすらできないのです!
どうすればいいのか……頭を働かせる高良山、すぐさま次の手を考えつきます!
上がだめなら、下からなら……!
高良山は泉の中に潜り、二人を締めあげているとぐろ部分の中心、
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閉められている二人を思い切り打ち上げたのです!!
イーヴルイールのぬめりも手伝い、二人はポーンと空中に投げ出されます。
空中に舞った二人は、フランカの魔法で見事キャッチ。
すると獲物を奪われたイーヴルイールは怒り心頭で、高良山に牙をむいて襲い掛かってきました!!
紙一重でカミツキをかわした高良山、イーヴルイールのひれをキャッチ!
これならば比較的滑らないようで、イーヴルイールの体にしがみつくことができました。
ですがこれからどう戦えばいいのでしょうか。
イーヴルイールはものすごいスピードで泉の中へともぐって行きます。
ただでさえ決定打が与えられない相手に、その上水中で……となるとますますどう戦っていいかわかりません。
ですがその時、泉の中に水の玉の様なものが不自然に漂っていることに気が付く高良山。
それは急激に上昇し、イーヴルイールの頭に直撃!!
そのまま噴水のように巻き上がり、イーヴルイールの体を宙に舞わせたのでした!!
どうやら今の水の玉はイーリスの魔法の様子。
水中では打つ手の無かったイーヴルイール相手の戦いですが……空高く舞い上がれば、
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後は地面にたたきつけるだけ!!
高良山の見事なうっちゃりで、イーヴルイールの意識を奪うのでした!!

その後しっかり止めを刺し、ウナギよろしく目打ちまでして完全勝利を収めた高良山。
落ち着いたところで、あの二人組もちょうど意識を取り戻したようです。
話を聞けば彼ら、裕福なことで有名なグルシカ王国から、ある任務を帯びてグローリー・エンペルに向かっていた道中だったとのこと。
無事任務を再開できると喜ぶ二人、高良山たちにお礼を言うのですが……
それよりなにより、やっぱりごはんでしょう!!
なにせ今回は、ウナギが手に入ったのですから!!
異世界のウナギはどんな味がするのか?
高良山にかかれば間違いないものができるでしょうが……
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そんな時でした。
高良山と言う名前、モンスターを食べると言う他にはあまり聞かない行動。
それを聞いて、グルシカ王国の二人の顔色が密かに不穏なものになったのは……!!




と言うわけで、新展開を迎える今巻。
このグルシカ王国の二人との出会いが、物語が今までにはない展開に向かっていくきっかけとなるのです!!
今までの本作は、あくまで高良山は来訪者、事件に巻き込まれはするものの、大きな騒動の中心にいることはあまりありませんでした。
ですがこの後始まる新展開は、間違いなく高良山が騒動の中心!
一体なぜそうなるのか、どう展開していくのか?
新展開に注目です!!

そんな新展開もあり、今回の料理はこのウナギ料理ともう一品に絞られます。
今回はウナギの後に作られる料理も、人間世界の中のある動物に近いモンスターを使った、祖の食材ならではの料理となっておりまして。
特徴的な味を持つ料理が連続して登場し、読む方も味の想像がしやすく、一層食欲がそそられること請け合いですよ!

新しい展開に変わらずおいしそうな料理、ついでに大相撲で頑張っていたころの高良山のエピソード、そして林先生大ショックの件が語られるあとがきと、盛りだくさんの一冊!
今巻も見逃せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!