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今回紹介いたしますのはこちら。

「異世界行ったら、すでに妹が魔王として君臨していた話。」第1巻 根田啓史先生 

KADOKAWAさんの電撃コミックスNEXTより刊行です。


根田先生は、07年に赤塚賞、08年に小学館新人コミック大賞で相次いで佳作を受賞し、デビューしたアン画家さんです。
デビュー後よりジャンプ系の雑誌で読み切りを発表しつつ、田中靖規先生や堀越耕平先生、佐藤健太郎先生と言った漫画家さんたちのアシスタントを務めていらっしゃいました。
初連載は15年より連載された人気作のスピンオフ、「僕のヒーローアカデミアすまっしゅ!!」。
本作はそんな根田先生は初となる、オリジナル作品の単行本です!

そんな本作、今や流行と言うよりは、いちジャンルとして成立している「異世界転生」モノ。
世界観設定などはよくある異世界転生ものと言っていいものなのですが、タイトルにもあるように大きな独自要素が盛り込まれておりまして……



26歳の会社員、マコトは森の中を走っていました。
彼の記憶では、つい先ほどまで仕事をしていたはず。
毎日仕事に追われる日々を嘆きながら暮らしていたマコトですが、今は……謎の化け物に追いかけられてしまっています!!
周りも全く見覚えのない風景で、わけもわからないまま追われるとは。
遂にバランスを崩してしまったマコトは、思わず化け物に助けてくれ、と命乞いしてしまうのです。
すると化け物たち……何だこいつ喋るぞ、しかもニホンゴだな、とひそひそやりだしました。
むしろ日本語をしゃべっていることに驚くのはマコトのほうなわけですが……ともかく、話が通じると言うことは交渉することもできるかもしれない、と言うことです。
早速マコトは、今まで生きてきた世界で培ったとっておきのスキルの一つ、
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褒め殺しを敢行!!
二匹組の化け物の片方を思いっきりヨイショしてみますと……化け物もまんざらでもないようで、なんだかいい感じに気持ちよくなってくれました。
以前同僚に「優しい公証人(ビューティフルマインド)」なるあだ名までつけられたほどの、マコトの交渉術は、この世界に来ても健在だったようです!
ですがもう一匹の方の怪物は、なんで自分の方は褒めないんだとご立腹の様子。
その事で何やら怪物同士がけんかを始めまして……
その隙にマコトはダッシュで逃走を図ったのでした!!
が。
間が悪いと言いますかついていないと言いますか、間抜けと言いますか。
マコトは逃げることに必死で障害物に気が付かず、頭を木にしたたかぶつけてしまいました。
肝心な時はいつもこうなんだよな……
そんなことを考えながら、マコトは意識を失ってしまうのです。

目を覚ますと、マコトはあの怪物達に連れられて大きなお城に連れてこられていました。
そこで彼を待っていたのは、見るからに異世界感ある、骸骨系のモンスター。
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そのモンスターはこの国の宰相で、名前はデスギウスと言うらしいです。
ここまで来れば流石のマコトも、近年流行りの異世界転生的なアレかと思い至ったようで……
ですがいざこんな立場に立たされれば、夢か何かだとしか思えませんし、夢ならば早く冷めてくれとしか考えられません。
そんな考えで頭がいっぱいなマコトの気持ちなど知る由もなく、デスギウスは何やら本を片手にして勝手なことを言っております。
しかしこのパラメータ、「漂流者」にしてはあまりに貧弱。
漂流者特有の固有スキルは「優しい公証人(ビューティフルマインド)」?
役立つとは思えん、おまけに「不運(バッドラック)」付き。
このカースドランドは力が全て、交渉など暴力の前には意味をなさん。
漂流者は引き立てよと仰せつかっているが、面倒の種になる。
殺せ。

なんで同僚のつけたあだ名を知っているのか、漂流者やら固有スキルやらとは何なのか。
やっぱり夢なんだろう、と思うマコトなのですが……
ギロチンに頭をくぐらせられますと、臭いやら質感やら、未だに痛む気にぶつけた箇所やらが、夢じゃないよと言っているような気がしてきます!
ちょっと待って!万が一あるかも!マジで死ぬ場合あるかも!とその段階になって本格的に慌て出すマコトなのですが、そこまで行っているのですからもう止められるわけがございません!!
係の化け物がギロチンの刃を固定しているロープを斬る……!!と、その時でした!
城にけたたましいベルのような音が鳴り響き、魔王が返って来た、元場に戻れ!と言う声が轟いたのは!!
デスギウスを含め、化け物たちは大慌て。
魔王様が返って来た、ヤバい、酒を片付けて女を帰せ!
予定が終わるまで3日はかかるはずなのに、とバタバタしまくるのです!
ギロチンにかけられる直前のマコトも、王の間が血で汚れているとまずいからとりあえず端に寄せておくことになり、マコトはわけもわからずバタバタを観させられることになるのです。
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よくよく聞けば、お菓子の数があっていない、気付かれたら殺される、などととんでもないことも言っていますし……
魔王だなんてRPGの世界かよ、お菓子の数が会わないで殺されるとかどんな王様なんだよ、と心の中で突っ込みながら端に寄せられるがままのマコト。
すると、程なくして魔王が帰ってきました。
デスギウスはまだ落ち着き切らないままのテンションで、クーデターの鎮圧はどうしたんですか、と魔王に尋ねます。
あんなの10秒で片付くっての、それより何か問題は?とあっさりと返す魔王、問題がないならとりあえず政務やるから報告書を出して、と言いながら玉座に座りました。
……そこでマコトは、この異世界に来て一番驚くべき事実に気が付くのです。
その傍若無人で極悪非道っぽい魔王……
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2年前忽然と消え、行方不明になって、ずっと探し続けていた、妹のミサキだったのですから!!!


と言うわけで、一味違う異世界転生ものとなっている本作。
異世界転生で先人がいると言うのももはや珍しくない感じになっておりますが、その先陣が行方不明になっていた妹で、しかも魔王として異世界の一国の王として君臨していると言う設定は珍しいのではないでしょうか!
どうやら妹のミサキは、異世界にやって来た際に強力な固有スキルを得たことと、持ち前の強い気持ちと凄い頑張りで頭角を現し、転生してからの2年ほどで一国の王になりあがった様子。
魔王が妹だったおかげで、マコトはとりあえず生き延びることができることになるわけですが……
ミサキには魔王としてのメンツもある為、いきなり兄だからとべたべたしたり、あからさまな特別扱いをするわけにはいきません!
そんなこんなでマコトは、ミサキのペット的な扱いでこの異世界に住むことになるのです!!
……本当はマコトのことが好きでも、素直になれないいわゆるツンデレさんでもあるのも一因ではありますが……

で、異世界転生の醍醐味である、現実世界でのスキルを活かして無双すると言うアレは……この第1巻ではその片鱗こそ見えるものの、まだまだ無双と言う域には達しておりません。
本作で楽しめるのは、優しいマコトの世話焼き具合と、ミサキの異世界での頑張り、そんな二人のやり取りのほっこり具合……そして、意外(?)にも本格的なバトル要素!
本作の舞台となるカースドランドはいくつかの国がお互いを占領しようとにらみ合いをするような情勢となっておりまして、その均衡が崩れての戦争が早速この第1巻から描かれていくのです!!
異世界のテンプレ展開に、ツンデレ妹とのアレコレ、さらに本格バトルと、様々な楽しみが用意されているわけです!
そして本筋とは別に、この世界での様々なちょっとしたエピソードを描く「サブクエスト」や、本作の本当の始まりを描いた紙版単行本様に描き下ろされたお話と、お楽しみ要素も収録!
お楽しみたくさんな一冊に仕上がっております!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!