bd0
今回紹介いたしますのはこちら。

「バキ道」第8巻 板垣恵介先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、地下闘技場戦士と関取軍団の団体戦が行われている本作。
勝ち負けはもちろんついているものの、それぞれ存分に見せ場を作る対決が続いています。
今巻ではどんな戦いが繰り広げられるのでしょうか!?



予想以上の戦績をあげている、と驚嘆する元金竜山。
あの大相撲、「天才集団」を相手取ってこの戦績は想像もしていなかった、とでも言いたげですが……
2戦目を終えたばかりの独歩はそんな金竜山の言葉に黙ってはいられないようです。
天才集団、大相撲と向き合いよく耳にする言葉だが、ここにいるのも一人残らず天才だぜ、俺含めてな。
努力根性で到達する、そんな陳腐な領域とは別次元の連中だ。
とりわけあの、

兄ちゃんなんかは。
独歩が言うその兄ちゃん……花山薫は、闘いを前にして髪形を整えていました。
その表情からは、戦いを前にしたたかぶりも、恐怖も、一切伺うことができません。
ネクタイを直し、手にした強い酒を一瓶、瞬く間に飲み干し……
これは、花山にとっての「戦いの準備」。
体を温めるウォーミングアップでも、最大のパフォーマンスを発揮するためのストレッチでもなく、身だしなみと戦いの前の一杯(?)が花山なりの最高の準備なのです。

戦いの時はやってきました。
年齢以上の風格を感じさせる花山、彼の前に立つのは角界打撃系の異名を持つ前頭筆頭、鯱鉾。
闘技場に立った鯱鉾は、力士とは思えない、軽くジャンプを繰り返す軽快なウォーミングアップを行っています。
そんな鯱鉾と対極なのが、花山の立ち姿です。
量てはズボンのポケットの中にしまったまま。
メガネも外さず、鯱鉾をただただ見つめるだけなのです。
bd1
鯱鉾は190センチ151キロ、花山は191センチ166キロ。
今までのマッチメイクとは違い、体格にほとんど差はありません。
それどころか、地下闘技場戦士たちの方がやや大きい、と言うのはここまでではじめてでしょう。
とはいえこの程度の体格差は、大相撲にとっては誤差くらいのもの。
両雄は闘技場の中央で視線を合わせるのです!
その段階でようやくメガネを外す花山。
波ならぬ力を持つ鯱鉾ではありますが……さすがに花山には驚かされたようです。
近くで見れば、その顔には普通の生活どころか、相撲を長年取っていてもあり得ない大きな疵がいくつも走っている上、その目からは闘争心や気迫とは違う、花山からしか感じ取れないような圧力を感じさせられるのですから。
その顔を間近で見て、鯱鉾はこう感じたと言います。
コレって、「ぶっ殺し合い」を強いられるんだな、と。
もちろん鯱鉾に「死ぬ覚悟」は……あるはずがありません。
相撲は力士と力士の真っ向からの力のぶつけあい。
命を取られることなどありませんし……そもそも鯱鉾に、花山に殺されてやるつもりなどさらさらないのですから!!
いくら強いと言っても花山は「素人」、喧嘩の達人と言った所で、あくまで素人の中での話。
鯱鉾はそんな相手にやられるはずがないと、高をくくっていたわけです。
……そんな中で、開始の合図が出されました。
鯱鉾は開始と同時に、花山の方へと駆けだしました。
一方の花山はと言いますと……ゆっくりとポケットから両手を抜き、そしていつもの
bd2
あの構えを取ったのです!!
相手に向かって、背中をさらすかのような、大きな大きな振りかぶり。
鯱鉾からすれば、後を向いたかのように感じてしまいます。
そんなことを感じた直後でした。
bd3
鯱鉾の意識が失われたのは……!!

華山の一撃を、思い切り顔面に食らってしまった鯱鉾。
さすがの関取と言えど、あの花山の巨拳をまともにくらってはたまりません。
あえなく地面に大の字になってしまいました!
これで戦いは決着……するかに見えました。
実際、この後すぐさま追撃に向かえば、審判はたちどころに花山を止め、勝利を宣言したところでしょう。
ですが花山は、一切追撃しようとはせず、悠然と倒れた鯱鉾を見下ろしているのです。
……それでもこれだけならば、花山の勝利が告げられてもおかしくはないはず。
ここで勝者の名が告げられないのは……意識がもうろうとしているとはいえ、
bd4
鯱鉾は頭を浮かせ、起き上がろうと言う意思を見せていたからなのです!!
どうやらまだ戦いは終わりません。
花山VS鯱鉾、その戦いは次なる局面へと向かっていきます!!



と言うわけで、三回戦が繰り広げられる今巻。
花山は人気キャラながら、戦績的には今一つ振るわない印象があるだけに、この団体戦でも「地下戦士側に負ける人がいるなら花山か独歩あたりかな」などと思っていた方も少なくはないのではないでしょうか!?
ですが今回の戦いは、今までの花山が戦って負けてきたボス系の相手ではないだけに勝機はあるはず!
ファーストコンタクトでも大きなダメージを与えた花山の勇利は動かないでしょうが、鯱鉾もこのままでは終われないはず!!
決着までを収録した三回戦、見逃せませんよ!!

そして前半に収録されている独歩VS猛剣の決着編も必見です。
前巻でとんでもない一撃を食ってしまった独歩、一気に窮地に立たされることに。
角界の技師の異名を持つ猛剣、その引き出しは関取衆の中でも屈指!
まだまだ様々な技を見せてくる猛剣……油断ならない戦いの結果はいかに!?



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!