「侵略好意」第3巻 犬背九二郎先生
小学館さんの裏少年サンデーコミックスより刊行です。
さて、商店街で新たな宇宙生物、カイトと出会ったイソラとアキヲ。
ですがこのカイト、どうやら今までであって来た宇宙生物とは違うようで。
地球人のふりをして商店街に溶け込んで暮らすカイト、どうやら話し合いの余地がある宇宙生物の様なのですが……?
カイトから、協力関係を結ぶための要求を聞いていたイソラ達。
少しばかり意外なその要求を、なんとか受け入れられそう……と思っていた矢先のことでした。
その場に、今まで幾度となく宇宙生物を放って人々を襲わせていた「寄生野郎」こと、ミコトが現れたのは!!
警戒しながらミコトをにらみつける三人ですが、ミコトは相手が三人だと言うのに慌てている様子は一切なし。
今日君たちが倒したおっきな子、けっこう強かったんだよ。
この前の君たち弱かったからほっとこうかと思ったけど、邪魔になったから殺すね。
そう言ってミコトは、「ママ」と呼ぶ宇宙生物の触手を伸ばし、アキヲに攻撃してきたのです!!
驚くべき速度で迫る触手ですが、イソラはアキヲを突き飛ばして攻撃の範囲外に押しやると、なんと射線上に入ってきて触手をキャッチ!
そして話し合おうよ、とミコトに持ち掛けたのです!!
アキヲはそのチャンスを見逃しませんでした。
頑張ってそれを離さないでくれ、と言い残し、ミコトに向かって突進!!
こうしてイソラが触手を抑えている隙に攻撃を仕掛けようと言うわけです!
得意の蹴りを放つアキヲですが、ミコトはもう一本の触手をだしてその蹴り足を難なくキャッチ。
一本だけじゃないの見えてたでしょ、バカみたい、とあきれ顔を浮かべるミコトなのですが、イソラではないのですから(失礼!)アキヲがその程度のことを考えもせず攻撃を仕掛けるわけがないのです!
私だって、
脚がもう一本ある!!そう言って、思い切りミコトの顔を蹴りあげたのでした!!
……が、ギリギリのところで顔をそらし、結局はかすって頬に疵をつけた程度。
その蹴り足も触手につかまれ、アキヲは宙づりにされてしまいます。
3本も使っちゃった、ホントに成長してたんだ。
……そこまでは冷静さを保っていたかに見えたミコト。
ですが頬を触り、傷がついていることを確認すると……
アキヲを地面にたたきつけ、みぞおちを思い切り踏みつけてこう言ったのです。
でも、顔はダメだろ。ミコトは今までのような冷静さを一切失い、感情をあらわに!
痕でも残ったらどうするんだよ、ばい菌が入って顔がぐちゃぐちゃになったら……
この顔は、私の顔は、ママの……!!
凄惨な場面に見えますが、エゴさんはある事を疑問に思っていました。
「殺す」と言ったはずなのに、寄生体ではなく宿主が、だたの暴力を振るっている……?
助けに行こうとするイソラを静止するエゴさん。
それはその様子をしっかりと観察したい……と言う気持ちはないこともないのかもしれませんが、ミコトが感情的になっているのとは対照的に、寄生体の方がしっかりとイソラ達の方を警戒しているからです。
その寄生体は、落ち着いて、こんな傷すぐ治るわ、と自らの力でミコトの顔の傷をなおし、返り血がついちゃうからそこをどいて、とアキヲにまたがっていた彼女をたたせます。
そして触手で止めを刺そうとするのですが、そこでイソラは掴んだままだった触手を力任せに引っ張って妨害!
そしてエゴさんの忠告を無視して飛び出し、アキヲのもとに駆け寄って抱き寄せました!
なんでこんな事するの、なんで人を襲うの!?
そう尋ねるイソラなのですが、寄生体はあっさりとこう答えます。
私はお腹のすいた子供たちにご飯をあげてるだけ。
あなた達もお腹すいたら生き物を殺して食べるでしょ、それだけ。
……この寄生体にとっては、どんな生物だろうと自分たち以外は何でも同じなのでしょう。
そんな寄生体の発言に、アキヲのパートナーであるチモは大きなショックを受けました。
オレ達はただの食物ってことか?
オレの母さんは……みんなも、ただのエサだったってことか?
涙をあふれさせながらそう嘆くチモ。
同じこと繰り返し聞かないでよ、頭がわく瑠て腹が立つ、さっさと終わらせようよ。
ミコトが苛立ちながらそう言いますと、寄生体も同意して触手を伸ばします。
その触手は真っ先に、エゴさんの触手をつかんで封じてきました!
そして残った触手を伸ばしてきたので、イソラはとっさにアキヲを守ろうとするのですが……触手はイソラに向かって伸びてきます!!
自分を守れ、イソラ!
エゴさんがそう叫んだ瞬間……背後から新たな触手がのび、寄生体の触手を払いのけたではありませんか!
そう言って……とうとうカイトが間に割って入ったのでした!!
と言うわけで、突如襲来したミコトと戦うことになってしまったイソラ達。
カイトの助けも借りられそうで、数の上では優位に立ったと言えるでしょう。
ですがミコトと寄生体の力は想像以上。
三人を相手にしても全く引けを取らず、イソラ達は苦境に立たされてしまうのです!
そんな戦いをきっかけに、物語はクライマックスへと向かっていきます。
カイトの正体や、アキヲとイソラの関係が掘り下げられていき、さらにあのキャラクターが再登場。
そしてその間もミコトの攻撃は止むことがなく、闘いはさらに過熱していきます!!
果たしてミコトと寄生体の凶行を止めることはできるのでしょうか?
どんな相手でも話し合えば友達になれるかもしれない、と信じるイソラですが、ミコトに対してもそれを実行しようとするのでしょうか?
イソラの最高で最悪な特徴である、異常なまでの思い込みは戦いでも、日常生活でも発揮されていきます。
イソラのその行動に様々な人物が困らされ、また心を動かされ……
この第3巻でもイソラのその行動は健在!
緊迫の戦いとともに、彼女の行動も必見ですよ!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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