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今回紹介いたしますのはこちら。

「HITS【ヒッツ】」第1巻 原作・柴田ヨクサル先生 作画・沢真先生 

小学館クリエイティブさんのHCヒーローズコミックスより刊行です。


さて、無念の打ち切り+最終巻が電子のみと言う結果に終わってしまった、柴田先生+沢先生による「ブルーストライカー」。
そんな両先生が再びタッグを組み、今度は「東島丹三郎~」が掲載されている月刊ヒーローズで連載を開始したのが本作です!
今回の作品は、ただでさえ独特(?)な柴田先生作品の中でもさらに毛色の違う作品のようで……?




君、カワイイ。
コスプレなのでしょうか、メイドさんを前にした男がそう褒めちぎっています。
動画撮っていい?追加料金払うから。
本当にうまいもの食った時って、ただただ「ウマイ」としか言えないだろ。
カワイイ、君は今まであった生き物の中で一番カワイイ。
男から出てくる賛美の言葉を聞いたメイドさん、ホント?そんなにカワイイ?と確認してきます。
カワイイが過ぎるよ、逆になぜ今まで君のような美少女がここまで育って、今僕の目の前にいるのかが謎、ホント不思議、と彼の口から称賛の声が止まることはないのです。
が、そこでメイドさんはとんでもないことを尋ねてきました。
殴りたい?
私を殴りたいでしょ?
「殴りたい?」って聞いた瞬間、ギンギンじゃん。
……興奮を隠し切れない男は……そこでメイドさんを睨み付けながら、質問し返すのです。
いやまさか、なんで?俺のこと、知ってるの?
その問いかけに、メイドさんは
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暴行連続殺人馬でしょ。
そんな言葉と、ナイフで返答するのです。
頭に深々と刺さったナイフ。
もう男が助かることはないでしょう。
メイドさんはそんな男に、ごめんね、と謝りながらウィッグを脱ぎ捨て……男なんだ、とカミングアウト!
殺された男は……オトコ、でも、カワイイ、そう言って絶命するのでした。

メイドさんこと、富田結途(トミタユズ)は殺し屋です。
今日も鮮やかに仕事をこなしまして、早速師匠でもある同業者で同居人の駒谷に仕事亞無事終わった報告をします。
すると駒谷、トミタにこんなことを言いだしました。
いまから試験があると思う、殺し屋の昇級試験みたいなものだと思うよ。
トミタくんみたいなダントツ若い人材をスカウトしたい組織があってね、キャリアアップの試験って感じだよ。
……あまりキャリアアップに興味の無いトミタは、今のままで別にいいと言うのですが、試験をする側はそんなトミタの気持ちなど考慮してくれないようで。
とにかく試験はやるみたいだ、と小俣には告げてくるのです。
その試験の内容は……「今から会うやつを殺せ」と言う物騒ながら、殺し屋らしいものでした。
駒谷ですら詳しい内容は全く知らないその試験、本当にやるのかと戸惑っている間に
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そのターゲットと鉢合わせしてしまうのです。
ターゲットは……どう見ても、自分……!?
ぎょっとするトミタですが、相手であるもう一人のトミタも同じようにびっくりしています。
僕!
僕がいるんだ、僕僕僕!!
僕がいる、僕だ!!
あまりの驚きにボキャブラリーがなくなったトミタ、電話口で駒谷にひたすらそう繰り返してしまいます。
ですが相手の自分がナイフを持っているのが見えましたので、とにかく構えなければやられてしまうかもしれません!
携帯を手放し、ナイフを取り出すトミタ!
それでもまだ決心はつかず、お見合いをすることになるのですが……
しばらくのお見合いの後、トミタの「待った!」の声と同時に、戦いは始まりました!!
ナイフを振るってくるもう一人のトミタ、その一撃をスウェーして避けるトミタ。
すかさず下からナイフを突きあげるように振るうトミタなのですが、もう一人のトミタはナイフを持っていない方の腕でキャッチして防ぎます!
そしてもうい一人のトミタは右手のナイフを持ち替えて振り下ろそうとするのですが、今度はトミタが空いている手でその手首をつかんで防御!
お互いナイフを持った手が使えなくなり、足での攻撃に切り替えようとするものの、それもお互いが同時に膝を放ってぶつかり合い、ここでも決め手にはならず。
ですが膝蹴りがぶつかり合った衝撃で距離が生まれたため、またナイフで攻撃を仕掛けるのですが……
先ほどと同じように膠着状態に。
二人はお互いの顔を見つめ合い、僕か……とつぶやくと……またナイフを構え、二人は交錯!!
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どちらかの、あるいは両方の体を切り裂いたのか、2人は同時に倒れこむのでした。
するとそこに、黒服の男がやってきます。
相打ち……?と、つぶやきますと、トミタの一人が立ち上がり、誰?と黒服に尋ねます。
勝った方が合格だ、君はうちの組織に入るんだ。
黒服はそう言うのですが、何の説明もなく組織に入れと言われても、素直にOKするはずもないでしょう。
やだよと答えるトミタに、黒服は銃を突き付けながら、君はもう「知った」んだから、断る権利はない、と迫ります。
どうしても説明してくれない黒服に、組織に入るのはイヤだ返すと……黒服は容赦なく、銃弾をトミタの心臓にぶち込むのでした!!
……が、トミタは死んでいません。
トミタは防刃防弾の服を着こんでいたのです!
一人?仲間とか来てないの?
ボクを殺す気なら、説明ないなら……
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殺すけど。
防刃と言うことは、先ほどの交錯で倒れたのも演技だったと言う事!
黒服が柔を撃つよりも早く、二人のトミタの投げたナイフは的確に降ろ服の額に突き刺さったのでした!

トミタは駒谷を呼び出しました。
ほどなくしてやって来た駒谷に、先ほど始末した黒服の処理を頼み……そして、この謎の多すぎる「試験」についての説明を求めるのです。
しっかり説明してもらいますよ。
これは何?
そう言って、トミタはもう一人のトミタを指さして駒谷に尋ねるのです、が……
うおっ!なんでトミタくんが二人いるんだよ!?と、駒谷もびっくりするばかりなのでした……!




と言うわけで、主人公のトミタが二人になると言う幕開けとなった本作。
駒谷はこのことを良く知らないものの、どうやら駒谷に仕事を持った来る「上」とでも言うべき者達はその実態を知っている様子。
とりあえずすぐにトミタをどうこうするつもりはないようですが、だからと言って安心はできません。
二人のトミタと駒谷は、改めてトミタが始末対象にされないように、暗殺者の仕事を請け負っていくしかなさそうです……!

そんなトミタが二人になった謎に迫るストーリーとともに、暗殺者としての仕事の模様も描かれていくことになります。
ヨクサル先生作品だけに、登場する暗殺対象も曲者ぞろい!
殺しのターゲットにされても仕方のない悪党、と言うのは間違いないながらも、先生らしさ溢れる一癖も二癖もある連中が続々登場するのです!
今巻の後半ではその曲者のターゲットとの戦いが描かれることになるのですが……
第1巻で戦う相手としては、いや、第一巻で巻き起こる出来事としてはかなりスゴイものになっておりますので……
ヨクサル先生節が冴えわたる本作、必見なのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!