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今回紹介いたしますのはこちら。

「レモンエロウ」第1巻 古町先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。



古町先生は18年にちばてつや賞で佳作を受賞し、デビューした漫画家さんです。
ちばてつや賞以前にもヤンがマガジンをはじめとした漫画賞で何度か奨励賞を受賞したとのことで、初連載初単行本化作品となる本作はそんなヤングマガジンで奨励賞をもらった作品を、自らの手でリメイクされた作品です。
気になるその内容はと言いますと……?



夜も更けたころ、コンビニにやって来た男二人。
稲井有と田中は、ここに人と会うためにやってきていました。
稲井を待っていたのは、二人組の男たち。
彼らは稲井の姿を見ると、お疲れさまっす、と挨拶をしてきまして……双方の取引が始まったのです。
稲井が手にしていたアタッシュケースに入っていたのは……
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大人向けビデオと大人用のおもちゃ。
主演女優は「天使愛(あまつかあい)」で、その天塚の名作ビデオとのことで、男たちは大興奮!!
ですがそれはブツがステキなものだから、だけではありません。
男たちは……こう呟いたのですから。
見付かれば、殺されますよ。
……ですが稲井はあくまで冷静。
じゃあ、いらない?と穏やかに問いかけますと、男2人は土下座してほしいです、と懇願!
思い出で自家発電するのも、創造だけで自家発電するのももうこりごりなんです、と頭を地面にこすりつけるのでした。
しかし問題は……このブツの値段です。
恐る恐る男たちが値段を尋ねますと、稲井はとんでもない額を提示してきたのです!!

……さかのぼる事三年前。
日本のエロス文化は根絶されました。
超少子高齢化社会で「つぼ型」になると予想れていた人口ピラミッドは、その予想を超える「キノコ型」に。
高齢者5人を若者一人で支える時代になってしまいました。
そこで政府は少子化を打破するため、国中から性的興奮を促すものをすべて撤廃する、と言う法律を施行したのです!
つまり、自分で発散したりするなら、行為を行って子供を作れ、と、そう言うわけです。
結果、エロスなものを商売にしていた会社やお店は次々廃業。
わずかに残ったエロスなサービスを行うお店も、高い税金が課せられ、国の管理下に置かれてしまいました。
エロスは……国の奴隷になってしまったのです……

そんな中稲井は、残された資産を販売する仕事をしています。
勿論違法、バレれば捕まるだけでは済まないでしょう。
そんなリスクを冒して、男二人に渡された子のエロスなビデオ、提示した金額はこうでした。
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気持ちでいいよ。
……もちろん男たちもこのブツが凄いものだとわかっていますので、気持ちと言っても困ってしまいます。
ですが結局、稲井が何となく指示したのであろう金額……わずか1000円で取引をしてしまったのです!
稲井はこう言います。
エロ旗金を得る手段じゃない、と。

稲井がこの仕事をするようになったのは、やはり3年前のあの出来事がきっかけです。
その当時からエロスなビデオを賛美していた稲井、そう言うビデオ販売店でアルバイトまでしていました。
その溢れ出るエロスビデオへの愛ゆえ、お客さんの信頼も厚い稲井、そのチョイスは抜群だと言うことで、ソムリエと呼ばれておりました。
そんな時に法律で決められてしまった、エロスなコンテンツの廃絶……
稲井は涙し、絶望に暮れたのです。
あんまりにもあんまりな法律に、デモが起こったりもしましたが、やはりもうどうにもならないようです。
施行が近づくにつれ、法律を守ろうとする者達は次々にそんなアイテムを捨てて行き、バイト先のお店も無くなってしまい……
それでも、稲井は田中とともに、エロスビデオ談義をするためにいつも待ち合わせるトイレで待っておりました。
ですがそこにやって来たのは、クラスの不良ども。
今までも人目をはばからずエロスビデオを弄っていた稲井に苛立っていたようで、これを機会に因縁をつけに来たのです。
不良はいきなり稲井を殴りつけると、持っていたビデオをキャッチ。
俺らで処分してあげよう、と稲井のカバンの中に詰まったビデオまで手にして、勝手に捨てようとして……!!
そこで、稲井は思いだしたのです。
自分は何者でもないことを。
そして……いままでどれだけ、エロに救われてきたかを!!
稲井は不良を殴り返します。
そして、奴らが火をつけてしまったエロスなビデオを構わず手に劣って抱きしめ……
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ならば次は、僕がエロを救う。
涙ながらにそう宣言したのでした!!

そんなこんなでいま、稲井は田中とともにレンタルビデオ屋でアルバイトをする生活にいそしんでおりました。
ですがここはただのレンタルビデオではありません。
灯台、天然記念物、寺院、学校……その地図記号を使った暗号を提示すると、禁じられているエロスなビデオを貸し出してくれる、闇レンタルビデオ店だったのです!!
夜はほとんど途切れることなくお客さんがやってきます。
次から次へと変態が来るじゃないですか、と思わず絶叫する田中に、深夜は「性のゴールデンタイム」だからな、と嬉しそうに答える稲井……
そんな二人のもとに、男を連れた若い女性がやってきました。
女じゃん、かわいい、などとその女性を見て反射的につぶやいてしまう二人。
彼女は二人に、こう話しかけました。
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稲井有21歳、お前をAV所持及び使用の疑いで逮捕する・
女性の手には、警察手帳がしっかりと握られていて……!!




と言うわけで、エロス文化が根絶やしにされた世界を描く本作。
この世界で、稲井はレジスタンスの様な活動をしていました。
そんな彼のもとに、第1話で早速警察がやってきてしまう……と言うスタートを切ることになったわけですが、もちろんここですんなりつかまるわけもないでしょう!
ここから稲井は、エロスを守るための戦いを続けながら、この女性取締官の相武から逃げ、さらに様々な人物と取引をしていくことになります。
稲井の前に現れる客や取引相手は曲者ぞろいで、様々なトラブルの引き金になってしまうのですが、物語を左右するのはそれだけではありません。
既に名前が出ているあの人物が(この世界では)とんでもないことをしでかそうとして稲井たちがざわつくことになってみたり、相武も負けじととんでもない執念と過激さで捜査を加速させていったり……
相武の異常なまでのエロスに対する憎悪はただごとではなく、その源泉として彼女の過去に何かがあったと考えるのが自然。
そのあたりが今後の物語の鍵になる……かもしれません!
そんな物語の主軸になるドラマに加え、本作ならではのエロスなアイテムを使ったピンチの脱出方法などのギャグ要素も見逃せない所!
今後の予想が全くつかない本作、もう読者にできるのは見守る事だけでしょう……!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!