今回紹介いたしますのはこちら。
「チェンソーマン」第10巻 藤本タツキ先生
集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。
さて、マキマの正体が判明し、銃の悪魔との戦いになだれ込んだ本作。
銃の悪魔の力は強大でしたが、多大な犠牲を払いながらもそれほど労せずして撃破してしまいました。
しかしその戦いで、デンジはあまりにも大きなものを失ってしまい……
デンジは銃の悪魔との戦いの後、今まで通りの日常を送り始めた、かに見えました。
ですがふとした瞬間に、闘いによって生まれたトラウマに苛まれ、デンジの心はボロボロになってしまっていたのです。
そんなある時、街中で偶然出会ったマキマ。
彼女に導かれるまま、デンジはマキマの家を訪ねることになりました。
マキマの家には犬がたくさん。
たくさんの犬は、マキマにものすごく可愛がられています。
その様子を見て、デンジの心の中に沸き上がってきたのは……
マキマの犬になりたい、と言う感情だったのです。
一応はそれを受け入れてくれたかに見えたマキマ。
ですが、そのおかげでわずかながら気持ちが軽くなったデンジを再び失意のどん底に叩き落とす出来事が起きてしまうのです……
目の前で巻き起こったその出来事。
デンジは、夢か何かか、と呟いて、呆然としてしまいます。
寄る辺ないデンジが頼れるのはもはやマキマだけ。
マキマさ……マキマさん、これ、ユメ?
そう問いかけますと、マキマはデンジの青ざめて冷や汗でびっしょりな顔をしばらく見つめて……
ごろんと寝転がり、デンジを膝枕にするような体勢になりました。
予想もしなかった行動に戸惑うばかりのデンジ。
マキマはと言うと……くくく、と静かに笑い始め、そして
今まで見せたことの無い、幸せで嬉しそうな表情で、大笑いするではありませんか!ただただ呆然とそれを眺めることしかできないデンジ。
やがてマキマは少し落ち着きをとりもどし、笑った笑った、と涙をぬぐいます。
すると、デンジに上着を脱ぐよう指示し、上半身裸になったデンジに再び膝枕。
そして……マキマはとんでもないことを言い始めたのです。
君が普通の生活をする代わりに、ポチタは君に心臓を揚げる。
私は考えたんだ、どうすればその契約を破棄することができるかって。
どうすればデンジ君が普通の生活ができなくなるくらい、一生立ち直れないくらい傷ついてくれる飼って。
それはとても難しいことだよね、だってデンジ君はポチタとしてた生活でも十分幸せに感じてたから。
だからまず最初に、デンジ君をうんと幸せにすることにしたの。
仕事を用意して、美味しいものをたくさん食べさせて、仲良くなってくれそうな家族も用意した。
そう言う幸せをデンジ君の普通にして、それから全部壊すの。
いままでマキマがデンジに「してくれた」ことは、全てマキマがデンジを絶望させるための事だった。
ただでさえぐちゃぐちゃだったデンジの頭の中は、この衝撃の言葉でさらにグチャグチャになってしまいます。
どうしてそんな……
やっとのことでそう絞り出すと、マキマはまたとんでもないことを言うのです。
罪を償う時が来たんだよ。
私、君の昔のことを調べたんだ。
子供の脳ってすごいよね、いやな記憶を扉の向こうに隠しておくことができちゃうんだから。
生きるために扉の奥に隠したんだよね?
そうじゃないと、普通の生活ができなくなっちゃうから。マキマの言う、「嫌な記憶」。
その記憶は……デンジが夢に見る、あの扉の中に封印されていました。
誰かの声がそう囁き続けた、あの扉の中に。
ですがその言葉はもうデンジには届きません。
絶望に打ちひしがれたデンジの耳に届くのは、マキマの声だけ。
容赦なく開かれる扉、その中から溢れ出るものとは……!!
と言うわけで、マキマの真の目的が明らかになって行く今巻。
マキマが行った恐ろしい行為に絶望し、明かす真実に打ちのめされ、そして扉の奥のモノに戦慄するデンジ。
自分では、どんなことがあってもすぐに立ち直ると思っていたデンジなのですが、やはり今までの戦いや、出会いの中で変わっていったのでしょう。
デンジはこのまま、マキマの思惑通り、ポチタとの契約を手放してしまうのでしょうか……?
この後物語は急展開!!
予想外の展開がウリの本作ではありますが、そんな中でもまさに予想外と言わざるを得ない、とんでもない展開が待ち構えております!
まさかの展開と言う言葉すら優しい驚きの展開は、読者の皆様を驚愕させてくれること間違いなし!
シリアスなだけではなく、こんな時だと言うのに久しぶりに披露されるシュールなギャグシーン、そしてまさかのキャラクターの再登場などなど、目まぐるしく展開が変わって行きます!
混沌としていく本作……何と次巻で最終巻!!
一応第2部の連載がもう決定はしているのですが、物語は第1部が完結を見ることとなるのです!!
デンジとマキマの、チェンソーマンの物語は果たしてどんな結末を迎えるのか?
そんなクライマックス直前の混沌極まる今巻も、必見です!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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