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今回紹介いたしますのはこちら。

「姫ヶ崎櫻子は今日も不憫可愛い」第1巻 安田剛助先生 

メディアファクトリーさんのMFCキューンシリーズより刊行です。


さて、「じけんじゃけん!」の安田先生の最新作となる本作。
安田先生と言えば、様々な作品で様々な魅力を持つ女性キャラと、その女性キャラの恋愛模様をコミカルに描いていらっしゃいました。
今回も勿論魅力的な女性キャラが登場するわけですが、そのタイトルから察されるように、なんだか可哀想な目に遭いそうなキャラのようで……?


アラ!夏樹、起きろぉー!
フライパンをお玉でたたきながらそう怒鳴りつける、絵に描いた様な「幼馴染ムーブ」をしているのは、姫ヶ崎櫻子。
今日もお隣に住む幼馴染の三森夏樹を起こしに来たのです。
そんな櫻子に起こされ、ようやく目を覚ました夏樹は、櫻子と並んで学校へ向かいます。
……そこで唐突に始まる、夏樹のモノローグ。
その内容はこんなものでした。

俺の名前は三森夏樹、ごく平凡な高校一年生だ。
平凡な成績に、平凡な運動神経、平凡な容姿、そして平凡な毎日。
それは高校生になっても変わらないと思っていた。
そう、彼女と出会うまでは……

そんなモノローグとともに、夏樹の前に現れたのは……
それは黒い長髪が印象的な、切れ長の瞳のミステリアスな美女でした。
風の音とともに、夏樹の胸にも何かの音……恋に落ちたような音が響いたようです。
夏樹が主人公ならば、このままよくあるラブコメが始まったのでしょう。
実際その時、階段の上に立っていた彼女の下着を見る形になってしまっていまして……プラスにしろマイナスにしろ、こう言ったイベントで印象が強くなるのもこう言った漫画によくある事です。
……が、この漫画の主人公は櫻子の方でした。
は??
えっ?えっ?なにこのカンジ。
うそでしょ、惚れた?
急に?今であった女に?
そんな馬鹿な……いや、こいつ完全にやられた顔してやがる……
じゃあ……
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わ、私は!?

「負けヒロイン」と言う属性があります。
例えば、容姿端麗で文武両道、そのうえ幼馴染で巨乳金髪ツインテール、と言う様々な要素がぶち込まれているにもかかわらず、負けが確定している不遇のヒロインのことです。
当て馬、噛ませ犬、エロ要員、そんな呼び方もあるようなないような……
姫ヶ崎櫻子は、そんな属性を持ったヒロインなのです!

そもそも自分の様な超絶美少女幼馴染が毎朝直々に部屋まで起こしに言ってやってる毎日のどこが「平凡」だっつーのよ!とモノローグに対してにまで怒りの収まらない櫻子、自分がどれだけ恵まれてるか自覚して素直に今まで尽くしてくれた幼馴染選んどきなさいよ!と半泣きでぼやき続けます。
そんな彼女の気も知らず、なになに、ゲームの話してんの?と話に参加しようとしてくる夏樹……
櫻子はそんな彼に、うっせー、バカ、死ね!と文句を言いながらパシパシ叩くしかできないのでした……

今日から私は勉強に生きる、と決意する櫻子。
授業中、この問題解ける人、と言う先生の問いかけに率先して応じ、壇上へ上がって板書を行います。
ところがここで櫻子の属性が発揮されてしまいました。
スカートがめくれ上がって、パンツが丸出しになってしまっていたのです!
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まさに「エロ要員」……!
最初は何も気が付かず、問題をすらすらとく自分にざわついていると思っていた櫻子ですが、友人からの囁き声での指摘でようやく自分がおパンツ丸出しである事に気が付きます!
真っ赤になって慌てる櫻子なのですが……すぐに直さなければと言う思いと同時に、「気付いた事」に気付かれたらよけい惨めな思いをする気がする、「気付いてませんけど」って感じで冷静に乗り越えたほうが、恥ずかしくないのでは?と言う思いが湧いてきてしまうのです!
なにせプライドの高い櫻子、気付いてないふりを決め込むことに。
せいぜい見ればいいじゃない、これくらい恥ずかしくもなんともないんだし、と自分に言い聞かせるものの、その気合が形となって、おしりにきゅっと力が入ってしまうのです。
それを見た男子たち、すげえ食い込んでる、とざわつき始め……
早く終わらせて席に戻らなければ、と焦るとますます慌ててしまい、板書をするチョークが折れてしまいました。それを拾い上げようとすると、当然おしりをつき出してしまうような形になるわけです!
今のはマジヤバい、丸見えだった、もう一回しゃがまないかな、と言う男子の声が聞こえてきます。
もう櫻子の頭の中はメチャクチャです。
見るな、と言う男子たちへの思いと、くそ、と言う怒りと、もうやだ、と言うやりきれなさと……そして、夏樹も見ているだろう、できれば他の人に見られている姿を見られたくなかった、と言う悲しさ……
それが限界に達しようとしたその時、夏樹が立ち上がったのです。
姫ヶ崎さん式間違えてるみたいなんで、俺も手伝っていーッスか?
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そう言って壇上に立ち、ささっと櫻子のスカートを治してあげたのでした!!

夏樹のおかげで致命傷一歩手前で救われた櫻子。
ですが彼女の胸中は複雑です。
あんなやさしさ見せといて、別に私のことが好きとかじゃないのよね。
別の女に一目ぼれしてんのよね、衝撃じゃない?
ほんとに優しかったら、好きでもない女に優しくすんなっての!
なんかイライラしてきた逆に!!
そう言うと、おもむろに窓の方へと駆け出し、外に向かって思い切り叫ぶ櫻子。
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でも好きぃぃいいいーッ!
抑えきれない夏樹への思いの丈を、空に向かってぶちまけるのです。
……そのおパンツはいまだ丸出しのまま。
負けヒロイン属性をこれでもかと発揮する姫ヶ崎櫻子は、今日も不憫で、可愛いのでした……




と言うわけで、自分が負けヒロインだと自覚してしまった櫻子の日常を描いていく本作。
負けヒロイン属性持ちだとわかったからと言って、すんなり諦められるはずもない櫻子。
この後もなんやかんやと夏樹にアプローチを駆けて行くのですが……なにせ櫻子ですから、素直にその気持ちを明かすことはできませんし、望まないラッキースケベイベントを巻き起こしまくってしまうわけです!
本作の主人公として、負けヒロインとして、さらにエロ要員としての職務(?)を全うする櫻子の可愛らしく、コミカルで、不憫な様子をたっぷりと楽しめますよ!!
……とは言いましても、実は櫻子、不憫なだけではございません。
夏樹とあのミステリアス美女、榊雪菜は着々とラブコメらしい展開を重ねて行くのですが、2人が瞬く間に恋に落ちて行く、蚊と言えばそうではありません!
櫻子と夏樹の間にもキッチリと数々のイベントが起きますし、榊の予想とはちょっぴり違うキャラ設定が明かされ、さらに櫻子ともちょっと意外な関係性が築かれていくことに!
櫻子はあくまで負けヒロイン属性持ちで、負けヒロインだと自分で思っているだけで、必ずしも負けヒロインであるとは限らないようなのです!!
そしてその実態は、今巻の終盤で明かされることに……!
このお話が、櫻子がただただ不憫可愛いだけではなくなっていきそうなその展開、必見としか言えません!!

そして巻末には、数々の漫画家さんたちの寄稿が寄せられております。
「長瀞さん」のナナシ先生や「デンキ街の本屋さん」の水あさと先生をはじめとした豪華執筆陣による櫻子さんの艶姿が楽しめるこちらも見逃せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!