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今回紹介いたしますのはこちら。

「あらくれお嬢様はもんもんしている」第3巻 木下由一先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。


さて、匡史を追いだすための策略を弄していたはずが、気が付けば匡史の事を考えてもんもんとしてしまうようになった椿。
もはや匡史の事が好き、意外ありえないような気がする椿ですが、それを認めることもできず、かといって匡史に嫌われたくもなく……
今日も今日とて、椿の空回りが行われるのです!!



その日、椿のクラスでは調理実習が行われていました、
メニューは酢豚。
椿は流石のリーダーシップを発揮し、みんなへの指示を的確にだして酢豚を作って行きます。
そして椿は自分の担当、味付けの部分になると以上に貼り切り始めました。
全開の調理実習の時は味見くらいしかしなかったらしいのですが、今回は違います。
とある事件をきっかけにして、最近頓に警戒心の強まってしまった匡史。
その匡史の警戒心を解くため、椿はこの「手作り酢豚作戦」を考えたのです。
酢豚と言うのは色気がありませんが、調理実習のおすそ分けならばそれほど不自然でなく匡史に料理を渡すことができます。
さらに「あーん」してあげれば……自分の「あーん」を断る人間なんて、いるはずがない!
椿はそう考え、この作戦に必勝の予感を抱いていたのでした。
酢豚を食べた匡史はうまいと絶賛し、君の事を誤解していたようだ、もっと食べたい、と椿を誘う。
そして椿は作りに言ってあげてもいいけど、と匡史の家へ向かい、そして二人は夜に体を重ね合う……!!
そんな妄想を働かせてしまう椿、酢豚を煮立たせてしまったりもしますが、なんだかんだ味付けは成功。
パイン入り、と言う結構好き嫌いの別れる酢豚ではありますが、それでもみんながおいしいと絶賛するものができました。
これで私の勝利!!
椿は高らかに笑い、酢豚をもって匡史を探しに走るのでした!

匡史は人気のない場所で、1人本を読みながらおにぎりを食べていました。
相変わらず質素なランチね、今から色取を与えてやるわ!
そうにやつく椿ですが、やはり出て行くにはそれなりの悠希が必要。
迷ったものの、そこは胆力のある椿!
意を決し、コンニチワと声を掛けました。
匡史は、やあ、とだけ返事をすると、いそいそとその場から立ち去ろうとし始めます。
何退散しようとしてんの!と半ギレしながら隣に腰かけますと、何か企んでいるんだろう、うっかり付き合うと痛い目を見るからな、と汚いもを出も見るかのような目で返してくるのです。
相当ムカッと来る椿ですが、ここはぐっと我慢。
今日はあくまで、友好的になるためなんだから……!
そう思いなおし、そっと、
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これあげる、と酢豚を差し出す椿。
意味がわからず、は?と尋ねてくる匡史に、調理実習だったんだけど、これが本当においしくできて、だから……食べて欲しいっていうか……自信作なのよ、自信作!と、ちょっと情緒が安定しない感じで匡史に酢豚を差し出すのです。
……ちゃんと「貴方のために作ったの」と言わなければ、とわかってはいるものの、さすがにそこまでは言えず……
すると匡史、こんなことを言い始めました。
俺もこの前授業で作ったが、うまいな酢豚。
一度具材を揚げる所が上手さのポイントだと思う。
おそらく匡史なりに歩み寄ろうとしてこう言ったのでしょうが……突然自分語りをし始めたように見えた椿、酢豚が上手いと言ったと言うことは、好きってことよね!?と単純に理解!
私のもおいしいから食べて、「あーん」作戦を勢いに任せて実行するのです!!
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マッハでいや結構、と断られてしまいましたが!
本当においしいのよ、おにぎりに置かず欲しいでしょ、あーんが嫌なのね、はいお箸。
あれやこれやとやってみても、いらないの一点張り!
とうとうブチ切れた椿、何なの!?いい加減にしなさいよあんた、毒なんか入ってないわよ、そんなに私の手料理が食べられないの!?と怒鳴り散らしてしまうのでした!!
が、匡史から帰ってきたのは意外な答えでした。
悪いが毒と言えば毒だな。
その酢豚、パイナップルが入っているな。
俺はパイナップルアレルギーがあるので入っているものは食べないようにしている。
授業の酢豚も抜いて作った。
…………全身から精機が抜け、あっそう……と力なくつぶやく椿……
悪かったわね、と呟いて、酢豚を自分で食べ始める椿。
君が食べるのか、と言う匡史の問いに、こんなおいしいんだから残したくないじゃない、と答える椿。
そのテンションと、自ら酢豚を食べている姿を見て、今度は匡史、こういいます。
今日は本当に酢豚を持ってきただけか。
そうか、てっきりまた何か仕掛けてくるのだと思っていたが、すこし誤解していた。
パイナップルが入っていなければいただいたかも知れん。
……そう言えば、アレルギーの事はもちろん、匡史の事を全然知らない、と言うことに気が付く椿。
酢豚じゃなかったらなにが好きなの?と尋ねてみれば、寿司だと素直に答えてくれました。
食べ物じゃなくて好きなものは何なのかと聞くと、そろばんだ、そろばんをはじいていると集中、そして安心できる、心のよりどころだ、と笑顔すら浮かべて答え……
何なのそのそろばん愛……と思わず突っ込んでしまう椿なのですが、今までになく普通に受け答えした今のやり取りで……友好的になっている、と感じてしまいます!
そこで思わず、自分が一番気になっている事……自家発電をするのか、と聞いてしまう椿!!
一気に穏やかムードが終わり、一瞬でその場を立ち去ろうとする匡史ですが、なんとかかんとか冗談だと言ってギリギリその場にとどめることができました。
そこで椿……考えた末、こう尋ねたのです。
どんな人が好みのタイプなの!?と。
さっきの冗談だと言った質問に続き、風紀の乱れる質問をするなと一喝しようとする匡史ですが、あんたの好みを聞いたくらいで風紀なんて乱れない、と鼻で笑う椿。
匡史もそこに反論する気は起きなかったのか、好みのタイプなど存在しない、人をタイプやカテゴリーで好きになどならない、馬鹿らしい……とイケメン感ある返答をしたのでした。
おそらく想像していたものと違った反応が返ってきたのでしょう、ずいぶん分かったようなこと言うじゃない、つまんないヤツ、と憎まれ口を言う椿なのですが、その後です。
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君はどうなんだ?
どんな人間に好意を寄せるんだ?
匡史の方から椿に、こう聞いてきたのです!!
顔を真っ赤にして黙り込み……そして、そんなの関係ないでしょ、ていうか馬鹿らしいんなら聞くんじゃない!と叫んだのでした!!
仕返しだ仕返し、と高らかに笑う匡史。
結局最後は、イヤミクソメガネ!!アホ!!バカ!!と椿が激高して立ち去っていき、イヤミクソメガネでもアホでもバカでもない!と匡史の反論が返されて二人の会話は終わってしまうのでした。
……が。
その後ひとりになった匡史は、こんなことを考えていました。
全くバカバカしい、相もない質問ばかりされたな。
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……あんな事を聞いてどうすると言うんだ、俺は。


と言うわけで、匡史もやっぱり椿のことを意識してしまっていることがわかるエピソードを収録した今巻。
最初こそ匡史を陥れて学園から追い出そうとしていた椿なのですが、今やすっかり、どう見ても匡史のことを意識しまくりになっております。
本人は認めようとしないでしょうが、椿は完全に匡史に惚れていて、もうアプローチをかけているようにしか見えません!
そんな心境の変化もあってか、椿の行動はもちろん、匡史の行動にも変化が見え始める、様な……!?
そのおかげなのか、椿、そして匡史の方にも、今まで見せたことの無かった表情がちらほらと見えてきたような気がします。
今まで見せたことの無い、乙女らしい表情の椿、本当にショックを受けた表情を浮かべる椿、心から嬉しそうに笑う椿。
そして匡史の方も、決して椿には見せることの無かった顔をして見せて……!!
牛歩以上にゆったりとはしているものの、二人の距離は確実に縮んでいる……はずです!!
いつも通りの椿の空回りとよこしまな妄想、周囲の人も巻き込んだドタバタ劇と言う今まで通りのお楽しみもばっちり健在。
椿もどんどん可愛くなっていっている気がしますし……
しっかり楽しく、ちゃんとラブコメもし始めた本作、ますます目が離せませんね!!
……ちなみに巻末には9ページに及ぶ描き下ろしおまけ漫画もありまして、そちらは二人が本格的にイチャイチャします!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!