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今回紹介いたしますのはこちら。

「ペイル・ブルー・ドット バトルアスリーテス大運動会ReSTART!」第1巻 高遠るい先生 

実業之日本社さんのJardinCOMICSより刊行です。


さて、「はぐれアイドル地獄変」でおなじみの高遠先生による最新作となる本作。
今までも様々な媒体で様々な連載を重ねてきた高遠先生ですが、本作は20年以上ぶりに再始動した「バトルアスリーテス大運動会」の新たな展開の一角となるコミックとなります!
90年代後半にメディア展開された「大運動会」ですが、いわゆる萌えアニメではあるものの、コメディ要素にスポ根要素、さらにシリアスな物語も用意されていた、ただの萌えでは片づけられない作品となっていました。
そんな作品を基に、高遠先生が描く本作……ただの萌え漫画になるはずもありません!
気になるその内容はといいますと……?



各惑星にある訓練校から選び抜かれた若木アスリートたちが、年1回鎬を削りあう「大運動会」。
過酷なルールのもと肉体の極限まで競い、たった一人頂点に立つ者に栄光の称号を与えられます。
「宇宙撫子(コスモビューティー)」。
その栄光をつかむため、今年も激しい戦いが繰り広げられるのです!!

西暦5100年。
大運動会に出場するための第一歩、USSA(大学衛星)入学をかけた土星圏大会が行われていました。
上位5位までがUSSA入学の刺客を与えられるこの大会、先頭に立つ柳田球美は、ゴールまで残りわずかと言う地点で独走態勢に入っていました。
ですが、球美の表情は一つの余裕もありません。
彼女の心の中には、ただただ焦りと、自分の背筋に走る寒気への不安が満ちていたのです。
あかん、全然あかん、飛ばしても飛ばしても寒気がなくならん。
もっと飛ばさな、逃げられへん!
あいつが来る!!
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ラスト3キロと言うところで、球美を負う第2集団の中から、一人の選手が飛び出してきました。
瞬く間に、球美の後ろにピタリと着いたその選手……ピカリ・ロックランド。
彼女はここまで激しい競争を繰り広げてきたとはとても思えない涼しげな表情を浮かべたまま、球美にささやくのです。
そのまま飛ばしなさい、いい風よけになるわ。
……そんなことを言われて、黙っていられる球美ではありません!
負けるかい!と歯を食いしばり、逃げ切るためのペースアップを行うのですが……それでもピカリは全く球美の背後から離れないのです!!
苦しそうな球美に対し、ピカリはさよなら、と再び囁くと急加速!!
球美をふっとばし、圧倒的な力で1位の座を射止めるのでした。

10日後、USSAに向かう宇宙船の中で、球美とピカリは再び出会います。
早速食って掛かる球美なのですが、おしゃべりのカロリーを温存したら一度くらい私に勝てたかもね、と強烈なカウンターで返すピカリ。
怒りに震える球美をよそに、ピカリ跳ねるから、と無視を決め込むのでした。
……ですが、出発して球美の方がすぐに眠ってしまったようです。
ピカリは一人、窓の外から見える淡青点(ペイル・ブルー・ドット)を眺めていました。
3000年前の人々が、宇宙船で撮影した、土星のリング越しに見える地球にそう名付けた。
あんな小さな青い点が、人類の故郷、すべての生命の源……
微かに光る中の輝きを見て、ピカリはそんなことを考えるのです。
そして1週間と言う長い船旅を終え、地球衛生上に漂うUSSAにたどり着くと……
その心の中の言葉に、こう付け足すのです。
そして、わたしの敵、と。

入学式で、海上中に大きな声が響き渡っていました。
校長、グラン・オールドマンの祝辞が披露されたのです。
校長は、生徒たちにこう語ります。
強くあれ、ただただ強くあれ!
とはいえ、人生の可能性は一つではない。
趣味、恋愛、仕事、家庭、心揺れる日も来よう。
強ければそれでいいのか!?力さえあればいいのか!?
全然いいのだ!!!
古今東西、拡がり過ぎた帝国は錆びた鎖がほどけるように瓦解してきた。
繰り返してはならない、人々の心を繋ぎ厚くするもの、それは力だ!!
持って生まれた肉体に宿る力!
時代を超え受け継がれてきた生命の息吹で、凍てつく大宇宙を、そして全人類の細胞を沸き立たせるのだ!!
それこそが君たちの指名、大家はもちろん宇宙一の称号、宇宙撫子である!!
……そんな暑苦しい挨拶が終わると、今度は新入生答辞が行われます。
答辞を発表する親友清代表は、成績優秀者であるピカリでした。
ピカリが壇上に上がりますと、校長が握手を求めてきます。
ピカリはその手に
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顔面への一発で返答するではありませんか!!
さすがの生徒たちもあ然とするばかり。
校長は怒るでも戸惑うでもなく、はて?と、何故殴られたかを思案しているようです。
そんな校長も含め、一同に「聞きなさい」と言って、ピカリの答辞は始まりました。
いや、それは答辞と言うにはあまりにも衝撃的すぎたのです。
わたしの名はピカリ・ロックランド。
そこに立つ、総合政府閣僚グラン・オールドマンの娘です!
と言っても、あったのは今日が初めて、この男は私の名も知らなければ、母の名を覚えてもいないでしょう。
母は貧しさの中土星の辺境で私を育て、昨年死にました。
宇宙一の称号?そんなものに興味はありません。
しかし私がそれを手にすることで、この男の栄光をわずかでも曇らせることができるのならば!
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8ヶ月後、私は大運動会で宇宙撫子になります!!
波瀾の入学式は終わり、すぐに在校生と新入生による親善試合が行われることになりました。
出場者は新入生代表として、ピカリと、木星圏の大会でピカリと同タイムで入賞したと言うナオミ。
そして、在校生代表の悠季・ルイ・サンサーラ。
彼女は昨年の大運動会で準優勝者と言う実力者です。
本来ならば宇宙撫子が相手をするはずだったらしいのですが、なんでもその宇宙撫子はずっと行方不明なのだとか……
ごめんなさいね準優勝で、と言うルイに、新入生たちは不遜な態度で返しました。
いいよセンパイ、あたし料理は前菜から食うタチだから、とナオミ。
いきなりお腹壊さないと良いけど、とピカリ。
そんな二人を、あら元気ねえ、と瑠衣は余裕の表情で眺めるのです。
……そして、初めてのISSAでの戦いは始まります。
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クラウチングスタートの体勢を取るピカリを見て、グランは笑うのでした。
さすがは我が娘と言っておこう、どこもかしこも極上の仕上がりだ。
しかし娘よ、大学衛星は甘くないぞ……!




と言うわけで、あらたな大運動会の始まりとなる本作。
どうやら本作はアニメ版「大運動会ReSTART!」とは全く違うお話となるようで、原作である「大運動会」の大体100年後のお話となっているようです。
その為旧作のキャラがしっかりと登場することは(今のところ)なさそうで、オリジナルキャラたちによる大運動会までの道程、そして順調にいけば大運動会での戦いが描かれていくのです!
物語運びは高遠先生らしく、シリアスでハードなバックグラウンドを持つキャラたちの、清濁併せ持ったドラマと容赦ないバトルが描かれていく感じに。
主人公も高遠先生作品に付き物の、超強気不遜系の性格となっておりまして、まさしく高遠先生作品!と言える内容なのです!
さらにそこに加えまして、大運動会の版権下でもあるAICさんの版権キャラをカメオ出演……どころか、似た名前だったり、そのものずばりの名前だったりするキャラとしてがっちりと登場させると言うマニア垂涎のファンサービスも!!
高遠先生が日ごろお世話になっている某監督に直接登場させていいかお伺いしたとのことで、ファンの生み出すファンサービスと言う非常に濃いものになっております!!

ピカリの復讐はなるのか、USSAに潜む数々の選手たちの実力はいかなるものなのか、宇宙撫子への道程はどれだけ困難なのか、どんな戦いが行われるのか、数々のキャラクターたちの秘められた背景とは?
そんな本筋に加え、ちらちらと映りこんだり、ガッツリ登場したりするAICキャラクターたちを見つける楽しさなども用意された盛りだくさんの本作。
様々な要素で楽しめる、注目の作品と言えましょう!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!