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今回紹介いたしますのはこちら。

「さわれないのよ、さわこさん」 松林佑先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。


松林先生は19年に本作で連載デビューした漫画家さんです。
当初本作は短期集中連載だったのですが、好評を博し、のちに連載化。
単行本1冊分になるまで連載が続き、この度めでたく待望のコミックスが観光されました。

そんな本作、とある女子と男子の日常を描いた作品となっております。
ですが主人公となる女子には一つの大きな弱点がありまして……?



成宮くん、付き合ってください!
人気のなくなった教室で、成宮は手賀さんにそう告げられていました。
いきなり言われてしまった成宮は硬直してしまいます。
一体なぜこんなことになったのか?
物語は、入学式までさかのぼります。

入学したばかりの成宮は、高校での部活勧誘の活発さに驚くばかりでした。
両手いっぱいに勧誘のチラシを抱えながら、中学とはまるで違うなと感慨に浸っておりますと、一陣の風が成宮のチラシを一枚飛ばしてしまいます。
ひらりと落ちたチラシは、女生徒の足元へ。
彼女はそれを拾い上げ、成宮の方を振り返り、あなたの?
と問いかけてきました。
うん、と生返事で返す成宮、その目は彼女に釘付けになってしまっています。
かわいい、顔も、スタイルも、手袋も……ん?手袋!?
どこをとっても美少女な彼女でしたが、なぜか寒いわけでもないのに薄手の手袋をしています。
そんな成宮の戸惑いもどこ吹く風、彼女はそっと萎える宮の両腕と胸の隙間にチラシを差し込み、じゃあねと立ち去っていったのでした。

そんな彼女、手賀紗和子と成宮は同じクラスなばかりか、席まで隣でした。
成宮はずっと彼女のことが気になって仕方がありません。
勿論可愛いと言うのも理由の一つなのですが、彼女の一番目を惹くポイントはそこではないのです。
例えば体育でバレーをしたときなど、彼女に向かってボールが飛んできたかと思うと、なんと打点の高いハイキックでダイレクトに返球!!
見事相手側のコートに叩き込んだ、と言うシーンもありました。
それだけならまだスゴイの一言で終わったのかもしれませんが、彼女の活躍にハイタッチを求めたクラスメイトに、ありがとうとだけ言ってスルーするではありませんか。
いや、まだそれだけならばまだクールなキャラだと解釈できなくもありません。
ですが、購買でパンを買う時の手賀さんは、購買のおばちゃんから差し出されたお釣りを受け取らず、しばらくためらったあと、財布の口を開いて直接ここに入れてくれ、と頼んでいたのでした。

一体彼女はどうしてこうしているんだろう。
そんなことを考えていますと、その手賀さんが消しゴムを落としてしまいます。
拾ってあげようとしますと、ちょうど彼女も拾おうと手を伸ばしていまして、二人の手が……と言っても、ほんの指先がかすかに触れてしまいました。
瞬間、
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手賀さんはほほを染め、ビクンと体を震わせて手を引っ込めて……!!
奇妙な反応をみて、大丈夫かと尋ねる成宮。
手賀さんは何かいいづらそうにうなずき、机の上に置いておいてくれる?と答えます。
……手賀さんは周りを避けているのでしょうか。
そうではないような気もしますが……

何やら二人は奇妙な縁に結ばれているようで、日直まで一緒になり、2人で掃除をすることになりました。
会話が弾まず、気まずい気分を味わう成宮、何か会話をしないと、と言う事ばかり考えて上の空になってしまいます。
携帯を落としてしまったことにも気づかずに。
すると今度は手賀さんが拾ってくれまして、これ落としたよ、と成宮に手渡してくれます。
ありがとう、と答える成宮なのですが、その後改めて、もう一度はっきりとありがとう、とお礼を言いました。
何で2回?と不思議そうに尋ねてくる手賀さんに、成宮は入学したときチラシを拾ってくれたけどお礼が言えてなかったから、と説明。
すると手賀さん……憶えていない、とのこと……
それでも、そんなことを覚えてるなんて優しいんだね、と笑ってくれたのです。
そして今度は手賀さん、成宮に言わなければならない事がある、と言いだしました。
一体何を……と言うそのタイミングで、成宮の携帯が何やら受信したようで、バイブレーション機能が働き始めました。
瞬間、手賀さんは
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あんっ、と声をあげ、身体を振るわせて携帯を落としてしまったのです!!
もしかして手賀さんは手を怪我でもしているのだろうか?
思い切って尋ねようとする成宮なのですが、もしかして気付いた?と手賀さんはそれを遮ります。
そして、自分の口からカミングアウトしたのです。
成宮くんが気付いている通り……
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私、手が敏感と言うか、性感帯なの……
…………全く予想していたい答えが返ってきました。
成宮は素直に、怪我とかそっち方面かと思ってた、と答えますと、手賀さんは墓穴を掘ったことに気が付き、顔を真っ赤にしてもじもじしてしまいます。
その様子も可愛い、と眺めていた成宮ですが……
そんな成宮に、手賀さんはこのタイミングであのセリフを言ったのです。
成宮くん、付き合ってください!と……!!
その言葉には続きがありました。
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この、私の手に。




と言うわけで、手賀さんの敏感過ぎる手を、なんとか日常生活が送れるようになるまで「付き合う」ことになった成宮。
少し触れただけで声が出てしまうほど敏感な手賀さんの手を人並みにするには、それこそ並ではない努力が必要でしょう……!
しかも成宮からすれば、一目ぼれ同然の手賀さんがいちいちなんだかエロスなしぐさをするのですからたまったものではありません!!
果たして手賀さんは十人並の手を手に入れることができるのか!?
成宮は紳士的な協力者を貫くことができるのか!?
二人の関係は……!?

そんな感じのお話になるわけですが、やはり本作の目玉は手賀さんの可愛らしさでしょう。
手であれこれ触れた時のリアクションの数々はもちろんの事、この徐の乙女らしい側面が垣間見えるのも注目したいところ!
成宮に対しての感情も徐々に変わっていくようで、ラブコメ的要素もばっちりです!!
さらに中盤ではちょっと気になる新キャラも登場し、物語がより進んでいくことに。
しかもその新キャラもなぜか手が敏感なようで……!?

ちょっと変わったアプローチのエロスありラブコメ、全1巻でしっかりとまとまって完結まで描かれております!
2人がどうなっていくのか、皆様の目でご確認ください!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!