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今回紹介いたしますのはこちら。

「いじめるアイツが悪いのか、いじめられた僕が悪いのか?」第1巻 原作・君塚力先生 作画・日丘円先生 

スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスONLINEより刊行です。


君塚先生は05年に小学館さんの漫画賞、12年に集英社さんの漫画賞を受賞し、その後スクウェア・エニックスさんに発表の場を移し、「第三次性徴期、大塚くん!」「妖怪の賃貸事情」などを連載。
その後漫画原作メインに活動をシフトし、同時にコメディメインだった作風もサスペンスメインに変えられました。

日丘先生は03年にスクウェア・エニックスさんの漫画賞を受賞し、デビューした漫画家さんです。
その後04年に「仕立屋工房 Artelier Collection」を連載開始。
7年にわたる長期連載となり、ドラマCD化なども果たす人気作となりました。

そんなお二人がタッグを組んで描く本作は、同じくお二人がタッグを組んだ前作、「僕の名前は『少年A』」に引き続き、サスペンス系の作品となっております。
本作ではそのタイトル通り、「いじめ」をメインに据えた物語となるようですが……?



2021年5月下旬、とあるホテルで同窓会が行われていました。
第3中学校2000年度卒業生、とのことで、中学卒業以来会っていないものからすると実に20年ぶりの再会と言うわけです。
20年も経てば人は変わるもので、地味だった女子が綺麗な大人の女性になっていたりする一方で、かつて生徒会長だった男子がパリッとしたスマートなイケメンになっていたりと、イメージ通りの変化をしている者もいました。
そんなスマートなイケメン、鈴木は一人の女性を見つけると声を掛けました。
彼女は庄司と言い、今回の同窓会の幹事を務めています。
よかった、来てくれないかと思った、と胸をなでおろす庄司。
いや来るよ、だって俺進行役じゃん、とにこやかに笑う鈴木に、20年部位だから集まるか不安だったんだよね、と庄司は胸をなでおろすのです。
この3年2組は集まりがいい、昔から結束力が強いクラスだったし……などと話しているうちに、ほとんどの参加者が集まったようです。
壇上に登った鈴木が挨拶をしていますと……突然会場がざわつき始めました。
そのざわつきの理由は……そこに、来るはずがないと思われていた人物がやって来たからです。
相沢雄一。
皆がめかしこむ中、ただ一人ラフと言いますか、貧相と言いますか、そんな服装で現れた彼は……
中学時代、鈴木を中心にした酷いいじめを受けていた過去があります。
本来ならば相沢は、クラスの皆のことを思い出すのも嫌なはず。
どうしてここに顔を出せるのか、と一同はざわつくのですが……
鈴木はと言いますと……全く動じることなく、挨拶を続けるではありませんか!
流石といいますかなんといいますか……
参加者たちの中のざわつきが止まらない中、フリータイムになると、相澤のもとに一人の女子が駆け寄って行きました。
相沢はちゃんとその女子が元クラスメイトの高野であることがわかったようで。
高野は、やっぱり覚えてるよねと焦り、こんなことを言い始めます。
ずっとあの日々の事を後悔してたんだ、いつか謝りたいと思ってた。
実際に手を出したわけじゃないけど、本当にごめんね……!
その言葉を聞いている相澤の頭には、「実際に手を出していない」高野が自分にしてきたことがよぎっていました。
蔑みの視線とともに、今こっち見てきたんだけど、マジきしょい、目腐っちゃう!と罵声を浴びせてくるその姿が。
だと言うのに高野は、今私結婚して子供もいるんだ、すごく幸せなの、でももしまだ相沢くんがウラン出たりしたらって……と無神経な言葉を並べるばかり。
相沢はそんな高野に、笑顔とともに、恨んでなんかないよ、と返すのです。

一安心する高野ですが、ざわつきは止まりません。
やがて鈴木が相澤の方へとやってきて、耳を疑うようなことを言ってきました。
会えてうれしいよ、3学期の途中だったか、お前が学校に来なくなったの。
寂しかったよ、みんな相澤と一緒に卒業式迎えたかったんだぞ?
……相沢をいじめ出したのは、そもそも鈴木です。
卒業までのヒマつぶしでいじめようぜ、と言いだした鈴木が、同じ口でこんなことを言うなんて……!!
流石のクラスメイト達もぞっとするのですが、そんな皆が誰も聞こえないほどの小さな声で、相澤はこう言いました。
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変わってなくて安心した。
そして相沢は、笑顔を浮かべながら握手に応じるのです。
僕も鈴木くんに会いたかった、と。

ですがそんな性格の鈴木が、それで終わらせるはずがありません。
相澤を人の少ない場所まで連れて行き、何しに来たんだ、と詰め寄ってきたのです。
何も答えない相沢に、そういうとこだよ、便器に頭を突っ込まれたり、顔面にボールをぶつけられたり、ゴミを食べさせられたりしても抵抗しなかった、何か元気ないんだよな、と勝手なことを言いながらため息をつく鈴木。
抵抗してたらいじめは収まったと?と相沢が尋ねると、鈴木は臆面もなくそうなったんじゃないかな?と答えました。
結局さ、
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いじめられる側にも原因ってあるんだよ。
その言葉を聞いた瞬間、相澤の表情は固まります。
にやりといやらしく笑う鈴木は、表情硬いぞ、と相沢をまた小馬鹿にするように言うのですが……
相沢は、僕、笑顔は得意なんだ。
知ってるでしょ?
そう言って、笑うのでした。

鈴木はいい仕事につき、綺麗な奥さんと可愛らしい高校生の娘を持っています。
一晩明けて鈴木は、相沢の貧相な服装を思い出し、再び笑いました。
正直お前を思い出すことすらなかったが、みすぼらしい服装だったな。
これが現実だ、人生逆転なんてそうそう怒らない、敗者はずっと廃車のまま。
ありがとう相沢、お前のおかげで朝から気分がいいわ。

……そんな幸せの絶頂の中にいると思われていた、鈴木、の娘、詩織。
彼女が学校にやってきて、下駄箱を開けますと、そこにはゴミとともに「死ね」「キモい」などと書かれた紙片が突っ込まれていて……!!
まただ。
絶望とともに始まる詩織の学校生活……
誰にも相談できず、いつも通りを装いながら友達と一緒に教室へ向かう詩織。
そんな彼女に、おはようと声をかけるものが現れました。
彼女のクラスの担任である教師、
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相沢が……!!!
相沢は詩織を呼び出し、嫌がらせを受けていないか、と問いかけます。
最近教科書がなくなったり変なことが起きているとのことで、いじめを心配して声をかけた、と言う事の様子。
詩織はそれでも、考えすぎ、嫌がらせなんて受けてない、みんなと仲良くやってるよ、と笑うのです。
そんな彼女に、相沢は

実をもって小さな嫌がらせも放っておくと大変なことになることを身を持って体験している、と傷だらけの腕を見せながら言うのです!!
学生の時にある男にやられてね、と言う相沢に、詩織は涙を浮かべながら言いました。
ひどいよ、こんなことできるなんて。
人間じゃない……!
相沢はにこやかに笑いながら答えました。
何か起こった時はすぐに相談してくれ、先生が全力で守るから、と。
ですがその笑顔の裏では、こんなことを考えていたのです。
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「結局さ、いじめられる側にも原因ってあるんだよ。」
ねえ鈴木くん。
君は自分の娘にも、同じことが言えるかい?




と言うわけで、何やら恐ろしい復讐劇が始まる予感の数本作。
いじめられた相手の娘の担任となる、と言うこの状況、偶然できたものではないでしょう。
おそらく相沢は、鈴木に復讐するためにこの状況を作り上げたはず。
いじめられている人物が、まず最初に頼ろうとする人物の、いくつかの選択肢に入るであろう担任教師と言う座についた相沢は、同じいじめと言う苦難を味わった過去を明かすことで、さらに自分を頼るに足る人物に見せることに成功しています。
このまま上手く行けば、相沢の思うがまま詩織を操縦することもできるかもしれません……
が、この詩織がいじめられている、と言うことは、いじめている者がいるはず。
それは相沢自身なのでしょうか、それとも何者かがすでに詩織をターゲットにしていて、その状況を利用しているのか?
あるいは、そのイジメている相手も相沢によって操られているのか……
なんにせよ、相沢の復讐は始まります。
いじめに苦しめられた相沢は、その苦しめられたいじめによって復讐するのか。
そしてその復讐は、どのような形で終焉を迎えるのか……
今後の展開から目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!