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今回紹介いたしますのはこちら。

「デスホテル」第1巻 ハセガワM先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。



ハセガワ先生は90年代前半ごろから活躍されている漫画家さんです。
デビュー当時は「長谷川清」、その後2000年ごろから「鮪オーケストラ」に改名しましたが、しばらく活動があまり見られない時期もございました。
ですが18年ごろから現在のペンネームに改名し、ホラー漫画にチャレンジ。
19年に単行本「マリアの棲む家」が刊行され、迫力ある作画で読者を驚かせてくれました。

そんなハセガワ先生の、実に25年ぶりとなる巻数表記のある単行本となる本作。
「マリアの棲む家」に引き続いてホラー漫画となっておりまして、そのタイトル通りホテルを舞台にした作品になっているようですが……!?




いわゆるラブホテルである、ホテルボナール。
急にシャワーが熱湯になった、テレビも急に音が出なくなった、などと言って怒鳴りつけ、土下座を強制させる乱暴な客に、店長の尾崎は平謝りしていました。
宿泊代はいただかなくて構わないと言うとようやく彼らは引き下がってくれたのですが、最後までその目つきが気に入らないなどと悪態をついて去って行くのです。
姿が見えなくなると、クソ、バカップルが、と負けじと文句を言うのですが……そこに心配になった従業員の中島さんが様子を見に来ました。
店長は「いつものこと」だからっ大丈夫だと言うのですが、中島さんは「いつものこと」だからこそ不安な様子。
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この303号室、もう使わない方が良いんじゃないですか?
中島さんはそう言うのですが……

ちょうどその頃、フロントで受付している秋山のもとに、1人の女性客が現れました。
気付けばいつの間にか、フロントの視界のせまい窓口の前に立ちはだかっていた女性客。
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何も言わない彼女に、何かありましたかと尋ねるのですが……
髪の毛もボサボサ、服も薄汚れ、顔も長い前髪と大きいマスクでよくわからないその女性客、ぶつぶつと「304号室に止まりたいんですけど」と繰り返すばかりなのです。
君の悪さを感じながらも部屋の使用状況を見ると、304号室は「売り止め」、つまりホテルの都合で撃販売を中止している状況になっています。
ハッキリそう言うのもあれですから、秋山は今お客さんが使っている、となりの303なら10分ほどで正装が終わって入れる、そもそも後ろにあるパネルで光っている部屋が今利用可能ですよと説明。
ところが女性客、それを聞くとぶつぶつ言いながら、部屋も選ばずそのまま出て行ってしまうのでした。

店長が事務所に戻ると、そこには昨日は言ったばかりの新人従業員、新木恵は座っていました。
なんだか真面目で清純そうなイメージを受ける彼女に、店長は素直に君みたいな子がこんな場末のラブホテルで働くなんて不思議だ、とストレートに尋ねるのです。
すると新木、何やらわけありげな表情で、私は清純なんかじゃないです、と答え……
事務所が奇妙な空気になり、沈黙に包まれてしまったその時、秋山がやってきました。
不気味な女性客があの304に止まりたいって言い続けていて、報告する秋山。
一応体裁上空調の故障で売り止めなのだと言うことになっているようですが、その事を聞くと店長はただでさえ良いとは言えない表情をさらに真っ青にして……押し黙ってしまったのでした……

その後、備品の整理をしながら、新木は中島さんに304の件を聞いてみることにしました。
本来売り止めは本当に整備のために使えない場合や、お客さんがたくさん入っているように見せかけるために設定するのだそうです。
ですが、304だけは例外で、ずっと売り止めになっているのだとか。
その理由は、となりの303がアレだからなんじゃないか、と中島さんは言うのですが……
と、そんな話をしているうちに、303にお客さんが入った報せのアナウンスが入りました。
303、実はその筋では有名な心霊スポットなんだそうで。
今日入ってきたカップルも、そのうわさを聞きつけてやって来たようです。
霊感が無いものなら大丈夫だが、霊感が鋭いものが303に10分もいれば、礼に鳥殺されてしまう、と……!
女の方は霊感ゼロだそうで、男も多分ゼロだ、とのこと。
部屋に入って10分は優に経っていますし平気だろう、と二人はお風呂でいちゃつき始めるのでした。

そして二人は、お風呂の中でツーショット写真を撮影。
心霊写真でも取れたら面白いなと思って撮ったようですが、映し出されたのは
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見知らぬ中年男性と、顔をぼこぼこに腫らした女のツーショットだったのです!
自撮りした写真が別人になるなど、どう考えてもあり得ません。
まぎれもない心霊写真なのですが、そもそも今写真を撮ったのも心霊写真を撮るためなのですから、いわば願ったりかなったりと言ったところでしょう。
盛り上がってしまった二人、じゃあ今度はHな心霊動画撮っちゃお、と動画を撮影し始めるのです!
……二人はまだ知りませんでした。
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外階段を上り、あの不気味な女性客が、304号室に止まりたいんですけど、とつぶやきながら自分達の元に近づいてきたことを。
そして……304号室側の壁に、奇怪な黒い染みができつつあったことを……!!!



と言うわけで、ラブホテルを舞台にしたホラー漫画となっている本作。
こう言った、連載ホラー漫画と言うのは、一話完結型のオムニバスになっていることが多いもの。
ですが本作はオムニバス的に恐怖譚を描き続けながら、第1話から登場する謎の女性客「ミウラミラ」を一本の軸として物語が動いていくことになるのです!!
主人公となるのは新人の新木恵。
彼女は「自分は清純じゃない」と言ったわけですが、それにはとある理由がありまして。
その理由は、彼女が持つある特殊能力に由来しまして、その特殊能力がおそらく今後「ミウラミラ」と対峙するための鍵となるのでしょう。
ですがこの第1巻の時点では、ただひたすらにミウラミラの恐怖、ホテルボナールに蔓延する怨念が描かれていくことになるのです!
その毒牙は何も知らない客だけでなく、従業員たちにも降りかかっていき……
「泊まらせて」の声とともにやって来るミウラミラ、そのおぞましさは、ハセガワ先生の迫力満点の筆致でその恐ろしさをさらに色濃く見せてきます!
じわじわ襲い来る恐怖をご覧ください!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!