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今回紹介いたしますのはこちら。

「鉄鍋のジャン!五行クンの楽しい香港生活」第1巻 西条真二先生 

富士見書房さんのドラゴンコミックスエイジより刊行です。


さて、打ち切り的なエンドを迎えてしまった「ジャン!!2nd」でしたが、またまた戻ってまいりました。
今までは正当続編、子供世代の続編、そしてパラレルワールドのスピンオフと展開してきたジャンワールドでしたが、本作は意外にやっていなかった1キャラにスポットライトを当てたスピンオフ作品です。
それもなんと、インパクトはあったもののワンシーズンの敵役にすぎない、五行道士の過去と言う意外すぎる内容の、です!!
その独自のキャラ設定故、他の敵キャラたちに比べるとその後も少しだけ出番があったり、「2nd」では娘も登場したりした五行ですが……その性質はまぎれもなく悪党!!
それもジャンの様な勝つための手段を選ばないようなワル要素のある人物ではなく、殺し屋的な仕事もしていた本気の悪党です!!
そんな悪党の過去を描く本作、気になるその内容はと言いますと……?



伍行壊、18歳。
九龍城の一室に住まう彼の寝床に、一匹のハトがやってきました。
窓のさんにおいてあった餌を目当てに来たようですが……五行、死んだように眠っているふりをして、ハトがやってくるのを待っていたのです!
すかさずとらえると、
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五行は裸エプロンで朝食の調理を始めたのでした!!

ご機嫌で調理を進めていた五行ですが、そこに突然女性が訪ねてきました。
相永燁(あい えいか)……五行の住むこの家の大家の娘であり、「裏の仕事」の仲介役です。
相が訪ねてきたのは、滞納している家賃の回収……と言うのもあるのですが、その家賃を払うための裏の仕事の紹介のためです。
相に連れられてきたのは、二人組の女性。
五行は朝食を食べながら話を聞くが、自分……「裏五行」へ依頼すると言うことは人殺しの依頼だと言うことがわかっているのか、とまず確認をします。
すると女性たちは大粒の涙をこぼしながら、私たちをおもちゃにしてもテアそん嗚呼の男を殺してください、とその依頼内容を話し始めたのでした。

顔色一つ変えず、鳩のミンチのスープと骨付き素揚げ「喼汁生炸鴿」をぱくつきながら話を聞く五行。
涙とともに語られる話は、こんなものです。
金融会社の会長、「全栄鳳」に彼女達の父は金を借り、失踪。
二人にとんでもない利子を加えて返済を迫るものの、当然二人に払うことなどできません。
そこで全は、2人を奴隷のように扱い、身も心も凌辱し始めるのです。
全は二人を開放する気などなく、地獄の様な日は今でも続いている……
とそんな感じの話でした。
五行はとりあえず依頼を受けたようですが。彼女たちのことを全面的に信頼したようではありません。
相もあらかじめ調査はしていたようですが、父親がいないと言うこと以外は今一つ話の信ぴょう性ははっきりしない、とのこと。
五行は愛にもう少し二人に事を調べるように頼んだ後……「研究室」に向かうのでした。


そしてその日はやってきました。
全の経営する会社では、ビル一棟まるまる使って「女」を商品にしたパーティーを開いています。
あの二人もその中で、男たちの欲望の目を向けられていました。
全はご満悦の表情で、客人にどんどん飲み食いしてくれと声を張り上げています。
おい料理人、料理と酒を切らすなよ、とすぐそばにいた料理人に命令するのですが、その料理人こそが

新人料理人として潜入していた五行だったのです!!
五行は早速、今回の自信料理だと二つの料理を紹介します。
赤と白の「二色鍋」と、「龍沙阿膠糕」。
高麗ニンジン入りの辛い赤と、大根入りの白湯鍋の白、二つの味が楽しめる二色鍋と、一見ヌガーに似ているものの、氷砂糖と阿膠で作っているために咲く策の食感が楽しめるという龍沙阿膠糕、その二つをぜひ食べてくれと言う五行ですが……
一方であの二人の女性には、龍沙阿膠糕に毒がある、二色鍋の赤の高麗ニンジンがその解毒剤になっているが、白の鍋を食べるとその解毒効果が消えて死んでしまう、と耳打ちしたのです。
二人は全に誘われ、料理を食べることに。
そして二人は……間近で全が阿膠糕を食べる様子を見たのです!!
このまま何も食べないでいるのはあまりに不自然。
全と、会場にやってきていた客たちは次々に阿膠糕を口に運び、そして二人も食べます。
毒が入っているなどと思うはずもない客たちは、ゴマやナツメ、クルミの風味が豊かで、サクサクの食感がいいリズムを作っている、氷砂糖のすっきりとした味わいがあるのに阿膠の獣臭さはない、と大絶賛です。
皆食ってるわヒヒジジイどもめ、お前たちはもうじき死ぬと言うのに、とほくそ笑む二人の女性ですが……問題はここから。
女性二人は予定通り二色鍋の赤だけを食べて解毒しようとするのですが、そこで全も二色鍋に目をつけ、赤の方を口にするのです!!
これもうまいと絶賛する全ですが、このままでは毒が消えてしまうはず。
何とか白も食べさせて毒消しをさらに消さないと、と二人は白鍋を取りわけで全に進めるのですが……
なんと全、白鍋は嫌いだから食べない!!今まで食べたこともない、ときっぱり食べない宣言をしてしまうのです!!
このままでは全だけ生き延びてしまう!!
二人は心の中で絶望するのですが、その直後のことでした。
全が
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顔の穴と言う穴から血を吹き出し、倒れたのは!!
そして、客たちも同じように血を吹き出してバタバタと倒れて行きます。
一方で、同じようにいろいろ食べたのに死んでいない客や社員もいる様子。
一体なぜこんな風になっているのか、疑問が浮かぶ二人ですが……全が死んだことは間違いないわけで。
二人は、自分たちは全と愛人契約を結んでいるから、あいつの財産は私達のものだ!と密かにほくそ笑むのです……が!!
今度は
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二人の顔からも大量の出血が見られるではありませんか!!
もうろうとする意識の中、2人に声をかけてくるものがいました。
もちろん五行です。
五行は、やはりお前たちは嘘をついていたんだな、がっかりだよ!と二人に津Fげてから、今回の料理の説明を始めました。
解毒剤のくだりは、全くの嘘。
あの料理全てに、五行が特別協力に精製した「麻黄」が大量に入っていたのです。
麻黄はもともと力の強い生薬で、虚弱体質や肥満体質の人間には毒になります。
そしてその毒性は、違法薬物の常習者に劇的な効果があると言うのです!
今こうして倒れ、死に瀕しているのは皆薬を常用していたもので、平気なのは薬を使わなかった普通の者。
警察が調査しても、薬物の過剰摂取としか思えないようになっている……!!
そして五行、今度は二人のついていた嘘に言及を始めます。
二人の父は失踪したのではなく、死んでいて……二人は保険金をたっぷり受け取っている。
このパーティーにも積極的に参加し、薬も金もたっぷり手に入れていた……
遂には父親に続き、全まで殺して更なる大金を得ようとしたのです!!
最後の力を振り絞って口汚く五行を罵り始める二人。
そんな二人に五行は、さらにと度目の言葉を吐き捨てました。
報酬の後払い分を取っぱぐれるから。先に二人の部屋の金庫から抜いておいた。
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死人に金はいらないだろ、全部俺が使ってやるよ!
調査してもやっぱり相当な極悪人だった全、嘘の復讐劇をでっちあげた二人、どちらも五行膳で殺してもちっとも憐憫の情が浮かんでこない。
ことわざにもあるだろう、「人を呪わば穴二つ」ってな。
お前たちはその事技そのままの人間だよ!!

九龍城の五行道士、伍行壊。
神をも毒殺する男、と囁かれる彼は、大金を手に入れてにんまりと笑うのです。
そして大手を振って相に滞納していた先月分の家賃を払うのですが……
相は冷たい表情でさらに今月分、ついでに来月分、と奪い取っていきました。
終わってみれば結局、五行の手にはほとんど金は残らず……
じゃ、また頑張って働きなさい、五行。
五行はそう言って立ち去って行く愛の後ろ姿を見送るほかないのでした土佐……



というわけで、「裏食医」五行道士の若かりし日を描いていく本作。
いわゆる仕事人タイプの作品になる本作ですが、悪に対し、また違ったベクトルの悪である五行が裏五行の料理による刃を振るうと言うお話になっております。
勧善懲悪ならぬ「完全懲悪」がテーマ(?)らしい本作、この後も仕事人家業をしていく……のですが、早速第2話からジャンシリーズらしい料理バトル的な展開になって行きます!!
ですがなにせ本作は五行道士が主役。
まともに「どっちがおいしいか」などと言う料理勝負が始まるわけもなく、どっちの「薬効」が強いか、という戦いになって行くわけです!!
連載誌がヤングドラゴンエイジと言う青年誌だけあり、エロスやバイオレンスな描写も上等!
お下品なギャグも盛り込み、ちょっとアダルト(?)なジャンに仕上がっているのです!!

そしてこう言ったスピンオフ作品には欠かせない、本編とかかわりのある人物も登場します!
早速第2話のラストから登場するのですが……その人物、名乗った名前とビジュアルがどうも一致しないような……?
かつて「2nd」で存在と名前が明かされたその人物、その正体や目的は何なのか!?
五行の活躍とともに、こちらも見逃せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!