今回紹介いたしますのはこちら。
「チェンソーマン」第9巻 藤本タツキ先生
集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。
さて、デンジを狙う刺客たちの襲来から巻き起こった怒涛の激戦が決着した前巻。
ですがその代償は小さくなく、多くの犠牲を払うことになってしまうのでした。
あの激戦を経て、アキは片腕を失い、パワーは闇の悪魔恐怖症に陥り、天使の悪魔は両腕を失ってほぼ戦闘不能になってしまいました。
ついでにコベニもとうとう退職してしまいまして、特異4課は大幅な戦力ダウンを強いられてしまいます。
そんな戦いの後に訪れた、つかの間の休息の時間。
アキはデンジやパワーと、騒がしくも穏やかな日常を過ごしていたのですが……
そこで、未来の悪魔からとんでもない未来を見させられるのです。
アキとパワーは、デンジにグチャグチャに殺される。
その後、悪魔に最も恐れられる悪魔が現れるだろう。
あまりに不穏な未来のビジョン。
自分が死ぬ覚悟はできているアキと言えど、その予言を平気で受け流すことなどできず……
アキは見舞いがてら天使の悪魔を訪ね、その事を明かしました。
と言っても、天使の悪魔に助けを求めた……と言うわけではありません。
アキが死んだ後のことを話に来たのです。
両腕がなくなった公安デビルハンターは退職勧告を受けるものの、天使の悪魔は悪魔です。
いくら人間に友好的と言っても、悪魔ですから……最悪処分されかねません。
そこでアキが取り出したのは、一通の封筒でした。
それは、アキと岸辺による推薦状です。
キツネの悪魔や未来の悪魔のように、公安と契約をすることで生き続けることができるかもしれない、と考えてわざわざ持ってきてあげた様子。
天使の悪魔はそれを見て、こんなことを言いました。
ふーん、優しいじゃん。
僕を看病してくれた人に聞いたよ、早川アキは公安一の悪魔嫌いだって。
噂とはずいぶん違うみたいだ。
……アキの胸中にはどんな思いがよぎったのでしょうか。
天使の悪魔のそんな言葉に応えることなく、こう言い残して立ち去ろうとするのです。
明日銃の悪魔へ会いに行く。
これで会うのが最後かもな、と。
流石にこのまま見過ごすことはできない天使の悪魔。
マキマなら詩を回避する方法を何か知っているかもしれないから、と一緒に相談に行ってくれることになりました。
マキマはどうやら一人で海にいるとのこと。
明日中の悪魔に会うと言うのに、何故今海にいるのか?
天使の悪魔は、何も考えてないか、いやなこと考えてそうだよね、などと言いながらマキマの下へと向かうのです。
その道中、天使の悪魔はアキがデンジに殺されない方法を一つ提案してきました。
それは……公安をやめてはるか遠くに逃げる、という案です。
デンジが追いかけてきたらもっと逃げて、地球の裏まで逃げればいい。
そんな天使の悪魔の言葉は、冗談にも聞こえますが……天使の悪魔からすれば真面目な提案。
アキは天使の悪魔と違ってどこにでも行けるん赫ラ、普通の仕事をして人間らしい生活をするのもいいだろう、というのです。
確かにその選択肢も悪くはないのかもしれません。
ですがアキは言うのです。
俺はいい、ここにはデンジもパワーもいるし、マキマさんも……
最近はあまり話題に上りませんでしたが、アキもマキマさんに好意を寄せています。
天使の悪魔は興味がわいたのでしょうか、なんでマキマを好きになったのかとアキに尋ねてきました。
なんでって、とすぐに答えようとしたアキ。
ちょうどその時、2人はマキマのいる所へ到着します。
手を振ってくるマキマに手を振り返す間、アキの頭の中には疑問がわいていました。
なんでマキマを好きになったんだっけ?
アキはマキマにお願いします。
未来の悪魔と話をして、死期が近いことがわかりました。
デンジとパワーだけは、生きて幸せになって欲しいんです。
弟が死んだのは俺のせいでした、今度は俺の力でどうにかしたい……
マキマさん。
どんな悪魔と、どんな契約でもします。俺に、力を貸してください。
アキがマキマに求めたのは、目前に迫る死から逃げる方法ではありませんでした。
今や家族となった、デンジとパワーを助けるために、アキはマキマに願ったのです。
マキマはそんなアキに答えました。
それじゃあ、
私と契約しようか。早川君の全てをくれるなら、私が力をあげる。
早川君、これは命令です。
契約すると言いなさい。
その時突然、天使の悪魔に記憶がよみがえってきました。
本当ならば絶対に忘れるはずのない、痛ましい記憶が。
それは以前、天使の悪魔が最初にいた場所での記憶。
その島で天使の悪魔は、そこに住むやさしい住民たちに言葉をしえてもらい、家を立ててもらい、海のもぐり方を教えてもらい……そして、愛してもらい、愛しました。
そんな平和に暮らしていた天使の悪魔の下に、マキマがやって来たのです。
君の力を私に見せて。
そう言ってくるマキマに、天使の悪魔は、僕の力は死を読んでしまうからイヤだ、ときっぱり断ります。
すると今度はマキマ、こう言ったのです。
君の力を私に見せて。
これは命令です。
……気が付くと、あたりはすっかり日が暮れていました。
あれ、なんで夜になってるんだ?
何が起きたかわからない天使の悪魔に、マキマは、君はいい力を持ってるね、と囁きます。
いつの間にか……天使の悪魔は、その力を使っていました。
天使の悪魔は、島の人たちを
その力の犠牲にしてしまっていて……!!記憶がよみがえった天使の悪魔。
その目の前で……アキはマキマの命令に、従ってしまっていました。
アキは、マキマとの契約を結んでしまい……!!
というわけで、大きく物語が動き出した今巻。
前半ではアキとデンジとパワーの日常が描かれていき、アキがマキマに頭を下げて二人を救おうとするまでに至った理由の一端がわかる内容となっています。
激戦の後にそう言ったコミカルな日常パートをはさんで、やって来たマキマとの「契約」。
この後物語は、とんでもないスピードで進んでいきます!
本作の契約と言うのは、基本的に悪魔と人間が結ぶもの。
マキマがそれを言い出したと言うことはつまり……!?
今まで幾度も人知を超えたレベルの力を見せてきて、人間ではないかmのしれないと思われて来たマキマ。
とうとうこの第9巻で、その正体が明かされることとなるのです!!
さらに驚くのはそれだけではありません。
連載開始当初はラスボスかと思われていた銃の悪魔がこの後早くも登場!!
アキが明日会いに行くと言っていた銃の悪魔と、この後本当に会ってしまうわけです!
いよいよヴェールを脱ぐ銃の悪魔。
そして、その後にはさらにさらにとんでもない出来事が待っていて……!!
「衝撃の展開」に関しては右に並ぶ者はいないほど衝撃の展開が繰り広げられてきた本作ですが、今巻はその中でも最大の衝撃の展開が描かれます。
今巻、いつにもまして必見と言わざるを得ません!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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