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今回紹介いたしますのはこちら。

「旅ぎゃる!日本じゅーだんチャリきこー」第1巻 川喜田ミツオ先生 

角川書店さんの角川コミックス・エースより刊行です。



川喜田先生は17年に角川漫画新人大賞で佳作を受賞し、デビューした漫画家さんです。
その後読み切りの発表を経て、本作で連載デビュー、そしてめでたく初の単行本刊行となりました。

そんな川喜田先生の描く本作は、そのタイトル通りギャルが旅する作品です。
ですがその旅は、意外と(?)道険しい旅のようで……?




北海道。
自然豊かなこの地で、死がない営業マンの田中は休日を楽しんでいました。
彼は日々の仕事で蓄積するストレスを、休日自転車に乗ることで解消しているのです。
その日もひとしきり汗を流し、休憩がてら昼食を取ろうとしていたのですが……
静かな山で一人昼食を取るという、彼の至福の時間を邪魔するものがあらわれたではありませんか。
露出度の高い服装で、大股をひろげて道端に座り、何やら大きな声で電話している女性……いわゆる、
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ギャルが!
おまけに電話が終わると、ネイルを塗り直し、何やら体に丹念にスプレーを振りかけている彼女……
なぜこんな人通りもあまり多くないこんな山道の道端にギャルがいるのか?
そんな疑問がわきますが、田中からすると今は静かに昼食を取ると言うことの方が重要。
関われば面倒なことになるかもしれませんから、もう少し進んでから食事をとろう、と一旦取り出した携帯食をしまいなおし、先に行こうとするのです。
するとその時、そのギャルの方から話しかけてきました。
おじさん、斜里町ってこの道であってる?
普通に道を聞かれた田中、普通にこの峠を越えて行けばつきますと先を指さして教えてあげました。
ギャルはそれを聞きますと、おじさんもこの先の峠に行くのか、と確認し、一緒に行こうと言いだすではありませんか!
ピッチピチのJK、道端ミチカと名乗ったそのギャル。
自分は自転車だから一緒に行くのは難しいだろうと断ろうとした田中なのですが、なんと

ミチカも自転車で来ていると言うではありませんか!
ミチカが乗って来たと言うそれは、長距離旅行に向いた、重い荷物を積むこともできる頑丈なランドナーと言うタイプの自転車でした。
そのチョイスは女子高生にしては渋い……と思った田中ですが、よくよく見れば車体やヘルメットが思いっきりビーズなどでデコってあるのです!
おまけに車体が黄色いから「バナナちゃん」と名付けたなどと言いますし、もう渋いんだかなんなんだか……
やっぱり関わり合いになりたくないと思った田中、「旅はみそ漬け」だよ?jなどと食い下がって来るミチカをよそに、一人で行くのが好きなので、と彼女を振り切って先に行くのでした!

逃げるようにひとしきり走った田中、これくらい来ればいいだろう、と足を止めて今度こそ昼食を取ろうとします。
ところがミチカ、田中についてきているではありませんか!
田中!と大きな声で呼びかけて来るミチカ!
田中は再び逃げ出すのですが、逃げても逃げても彼女は追いかけてくるのです!!
何なんだアイツ、ギャルのくせに!あんな山の作法も知らん奴に邪魔されたくない……!
とにかく距離を離そうとペダルをこぐ足に力を籠めようとするのですが、その時田中の体から突然力が抜け始めました。
ハンガーノックです。
栄養補給をしないまま激しい運動を続けたため、身体が燃料不足の様な状態になってしまったのです。
これはもう何か栄養分を補給しない事にはどうにもなりません。
落ち着いての食事を諦め、先ほど食べようとしていた携帯食をとにかく口にしようとするのですが……しまったと思っていた場所をいくら探しても出てこないのです。
どうやら先ほどしまった時にきちんとバッグに入っていなかったようで、落としてしまったようです……
止む無く道端に座り込み、体力の回復を図ることにした田中。
せっかくの休日なのに最悪だ、とうなだれる田中なのですが……
そこに再びミチカがやってきました。
お前の落とした飯、届けに来たぞ!といいながら!!

……実際は追いかけてくる道中で食べてしまっていたミチカ。
そんなミチカですが、そのお詫びとばかりに田中におかゆを作ってふるまってくれました。
そのあたりに生えていた野草を入れたと言うそのおかゆ、恐る恐る口に運んでみると……意外にしっかりと美味しくできております。
意外にしっかりしてるんだな、という田中に、ギャル偏見!いけないんだ!と口を尖らす未知かなのですが……初めて見た時に香水をつけたりしていたから、関わりたくなくて逃げたと素直に答えます。
ですがそれも思い込みだったようで、香水だと思っていたそれは虫よけのハッカ油なのだとか。
さらに話を聞いてみると、なんとミチカは鹿児島から自転車で旅をしてきたのだ、と言いだしまして……!!
鹿児島から自転車で、ここ北海道に!?
どう考えても無茶な旅です!
ですがミチカはこともなげにこう言いました。
この先の町に親友がいるんだ!
そいつが結婚するって言ってきたんだ。
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そしたらミチカが祝わないわけにはいかないっしょ!
何でもミチカはものすごく乗り物に弱い体質とのことで、自転車以外の乗り物に乗るとものの30秒でリバースしてしまうのだとか。
まあこの無謀な旅を始めたのは、最初は4~5日で着くと思っていたうえ、めんどくさくなったらやめればいいかと軽い気持ちもあったかららしいのですが……
道中はいろいろあったのでしょう。
ですがミチカは、笑顔で言うのです。
いろいろ楽しかったよ、この自転車をくれた人たちにも出会えたし、映えポイントもいっぱい回れた。
初めてのことがいっぱいでドキドキでさ。

だから今では自転車旅がめっちゃ好きなんだ!
そんなまっすぐな彼女を見て、申し訳なさが沸き上がって来た様子の田中。
お詫びと言うわけでもないかもしれませんが、ミチカをある場所に案内してくれました。
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田中がいつもここに来るたびよっていると言う、男鹿の滝へ!
マイナスイオン全開でマジ映えるわ、こんなとこ教えてもらっていいのかと写真を取りまくるミチカ。
すると田中は照れくさそうにこう答えるのです。
いつもは一人で楽しむんだが、「旅はみそ漬け」っしょ?と。
……ミチカはもともと自分が言った言葉だと言うことも忘れ、なにそれ、と笑うのですが……!

そして二人は別れました。
田中の携帯には、半ば強引に撮られた、ミチカとのツーショット写真が保存されています。
目的地を目指し走り始めたミチカに、田中は最後にこう言いました。
今度会ったら、もっと旅の話を聞かせてくれ!
ミチカは振り返り、笑顔で答えます。
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超おけまるー!!



というわけで、ギャルの自転車旅を描いていく本作。
物語は彼女が目的地に着く直前からスタートするのですが、第2話で物語のスタートから描く方式で物語は始まります。
こう言った作品では、主人公が最初から自転車に詳しかったり、本人の区塚ない才能があったりするわけですが、本作はそう言うものは一切なさそう。(まあ北海道まで行けている時点で体力的な才能はあったと思われますが!)
自転車旅自体は第2話で始まるのですが、スタートから大層躓きまくります!!
本人の言う通り、軽いノリで、ほぼ着の身着のまま始めてしまった自転車旅。
勿論そんなスタートを切って、すんなり旅が進むはずはありません。
トラブルと言うのもはばかられる、そりゃそうだよねと言う問題が立ち上がり、心が俺走尾になったりもするのです。
が、そこでミチカの一つの才能が発揮されます。
それは、彼女の持ち前の明るく誰にも分け隔てない性格が招くものなのか……人に出会い、仲良くなれる才能!
彼女は数々の人々と出会い、助けられ、時には助けながら旅を進めて行くことになるのです!!

そんな本作ですが、観光地の紹介などの旅ものとしての要素もふんだんに盛り込まれています。
なにせミチカ、乗り物酔いがひどすぎるために今まで旅をしたことがなく、まともに地元鹿児島から出たことすらないのです。
彼女にとって観光地的な場所はどこもかしこも映えスポット!
彼女が観光を楽しんでいく様も見どころの一つになっているわけです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!