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今回紹介いたしますのはこちら。

「悪鬼のウイルス」第1巻 原作・二宮敦人先生 漫画・鈴丸れいじ先生 

TOブックスさんのコロナ・コミックスより刊行です。


二宮先生はかつて隆盛を誇った携帯向け小説投稿サイトで人気を博し、09年にプロデビューした小説家さんです。
ホラー小説で頭角を現した二宮先生ですが、その後はノンフィクションや推理小説、医療をテーマにした作品などなど、様々な作品を手掛けておられまして、本作のようにコミカライズされた作品も少なくありません。

そんな二宮先生作品を、「地獄恋」「あえじゅま様の学校」等でスマッシュヒットを飛ばす鈴丸れいじ先生が漫画化したのが本作です。
ポップでありながら、人間の残忍な側面も同時に描く作風を得意とする鈴丸先生だけに、このタッグに期待してしまうところですが……!?




秘境駅のその先にあるという、石尾村。
智樹はオカルト好きの颯太に誘われ、夏休みを利用して仲の良い幼馴染グループで短剣に向かうことになりました。
今は廃村になっていると言う石尾村、外部につながる唯一の橋が5年前に壊れてしまってから未だに直されていないとのこと。
俄然怪しい雰囲気が漂う石尾村ですが……実は近くまで、数時間に一本くらいの割合で電車が来るとのことで、完全に隔離されているわけではないとのこと。
正直を言えば智樹はそれほど興味がわかないのですが……
颯太とその恋人である奈々枝は何やら盛り上がっていますし、智樹に好意を寄せている様子の日名子も乗り気な様子。
仲良しグループでちょっとした旅行、と考えれば、智樹はそれだけでOKなのです。

日名子が自分に好意を持っているのはうすうす気づいていた智樹ですが、実は彼の方は奈々枝に密かな思いを寄せていました。
颯太がいなければ、などと考えてしまうこともあったのですが……そんな邪な思いを振り切り、今は4人での冒険を楽しむことにするのです。

道中豊かな自然を楽しみながら、石尾村を目指す一同。
特に大きな問題もなく石尾村の入り口までたどり着くのですが、その入り口に腰ぐらいの高さでロープが張ってあるのです。
……入るな、という事なのでしょうか?
とはいえ何の注意書きもありませんし、ここまで来てなにもせず帰るのも……
颯太は大丈夫だろうとそれを乗り越え、三人もそれに従うのです。
ほどなく、颯太はこの村の建物の多くがひどく老朽化していることに気が付きました。
ロープが張ってあるのはおそらく、いつ建物が壊れてもおかしくないため危険だから、ということだろう、と納得する颯太。
そのまま歩いて行きますと、子供がよく遊ぶ「ケンケンパ」用のマルが道路に描かれているのが見えてきました。
……よく考えると、チョークなどで描いたこのマル、雨でも降れば簡単に消えてしまうはず。
ということは、この村にはまだ誰かがいると言う事なのでしょうか……?
周りを見回すと、石段を登っていった上の方に、比較的新しいアパートがあるのが見えました。
早速行ってみますと……
十数名と言ったところでしょうか、子供たちがアパート前に集まっているのです。
話しかけてみようと思った矢先、颯太がそれを静止。
何か変だから様子を見よう、と息をひそめ、草むらの中に実を隠すよう指示します。
よく見れば、一人の女の子を他の子供たちは囲んで、責めているようにも見え……
いじめだろうか?助けたほうがいいのか?
そうこうしていますと、冷や汗をびっしょりと書いて、涙まで流していたその少女が、子供たちの輪を掻い潜ってその場から逃げ出したではありませんか!!
少女は智樹たちがいる方に走ってくるのですが……その直後でした。
少女の頭が、
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四人の目の前ではじけたのは!!!
あたりー。
体格のいいランニング姿の少年が、猟銃の様なものを構えています。
その銃口からは、煙が立ち上っていて……
その少年が、少女の頭を撃ったと言うのでしょうか……!?

智樹たちは少年たちに見つかってしまい、銃を突き付けられ……そして、監禁されてしまいました。
ランニング姿の少年、ヨウは何か気に入らない事があれば全く躊躇なく銃を放ち、気に入らない相手を消してしまうような危険な人物のようです。
ですが、黒い長髪の少女、マイの言うことはある程度聞くようで、彼女のおかげで智樹たちが理不尽に殺されることはありませんでした。
ですが、だからと言って助けてくれるわけではありません。
智樹たち4人の持ち物をすべて没収すると、中から学生証を取り出して確認。
そして、4人の生年月日を確認すると、颯太と奈々枝、そして智樹と日菜子を別々の部屋へ連れて行ったのです。

智樹と日菜子はどうやらアパート内にある牢獄に連れて行かれる様子。
ですが本格的に閉じ込められる前に、急用ができたようで、仮に手近な部屋に入れられました。そこにはぐったりとした女性と、一人の男がいました。
その男、シンは何かこの村の事情を良く知るもののようで。
智樹と日菜子の会話から、一緒に来たメンバーが別々にされたことを察知し……その原因を教えてくれたのです。
それは、現時点での年齢。
颯太たちはまだ誕生日前で17歳、智樹たちは今年の誕生日を終えて18歳。
それが理由のようです。
シンは早くも智樹たちを連れて行くために子供たちが戻ってきていることに気が付き、手短に必要なことを伝えます。
いいか、お前らの友達は大丈夫だ、それより自分たちの心配を知ろ。
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通気口。
ここから脱出したきゃ、ぶち込まれる部屋では通気口をぶんどれ。

その後すぐに智樹たちはその仮部屋を連れ出され、2人が過ごすことになるらしい部屋に連れて行かれてしまいます。
異臭が満ちるそこは、いくつかの衝立と、その衝立の間で蠢く人の気配、そして簡易トイレがあるだけの部屋です。
智樹たちを連れてきた少年は、智樹たちをそこに入れるついでとばかりに、部屋に大きな袋を投げ入れました。
おーい、餌だぞ、と少年がいいますと……
衝立の影から
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見る間に数名の大人たちが現れ、奪い合うように袋の中の残飯同然の食べ物を貪るのです!
さらにそのうちの一人は日名子を見るなり興奮し、生きないのしかかって腰を振り始め……!!
止めようとする智樹ですが、それより先に少年がその男を鉄パイプで思い切り殴りつけました!!
てめえ、何勝手なことしてだよ!!
怒りのままに男を痛めつける少年、その男がまともに立てないほど殴ると、満足して立ち去って行きました。
幸い日名子は無事でしたが……このわずかな時間で、この村から一刻も早く脱出しなければならないことは嫌と言うほどわかりました。
智樹はすぐにへ撃矢を見回し、通気口を見つけですと、すかさずその場をキープします。
そして智樹は……俺の考えば正しければ……とつぶやき、通気口に向かって話しかけたのです。
シン、智樹だ、聞こえてるんだろ?
……しばらくして、通気口から声がきこえてきます。
少しは頭が回るようだな、合格だ。
聞こえてきたのは、シンの声でした。
そしてシンは言うのです。
まず必要な情報を教えてやる。
ここでは、
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大人は全員家畜だ。



というわけで、衝撃の幕開けを迎える本作。
どうやら廃村と思われていた石尾村には未だ人が住んでいて、支配しているのは子供のようです。
さらに、大人たちは皆牢獄に閉じ込められ、あのヨウをはじめとした少年たちに管理されているのです。
この後、まずこの村の異様を描き続けて行きます。
大人たちが監禁され、させられている「仕事」。
颯太と奈々枝が強いられるとんでもない行為。
大人に対し、あまりにも容赦のない子供たち……
そんな閉鎖されたも同然の空間で、子供による恐怖の監視生活を送らされる……だけならば、比較的見かける気のするサスペンスものと言えるでしょう。
ですが本作はそれだけではない仕掛けが用意されているのです。
それは、大人が監禁されている理由です。
子供たちは、やむなくと言っていいある理由で大人たちを監禁していまして。
そして子供たち自身もまた、刻々と近づいてくる「その時」に怯えてくれしていることがわかるのです!
さらにそんな中、極限状態である人物に異常が……!?
狂気の村で追いこまれながらも、逃げ出すすべを探す智樹たちは、脱出することができるのでしょうか。
村を支配する恐怖の正体は何なのか。
予測不可能の恐怖はの脱出劇は、まだまだ始まったばかりです!!

巻末には描き下ろしのおまけ漫画も収録。
本編ではやりにくいサービスシーンや、鈴丸先生らしいシュールさとおぞましさの同居したシーンが楽しめるこちらも必見ですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!