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今回紹介いたしますのはこちら。

「やったね たえちゃん!」第2巻 カワディMAX先生 

メディアファクトリーさんのMFコミックスフラッパーシリーズより刊行です。


さて、あの伝説のトラウマコミックのパラレルワールド的続編となっている本作。
たえちゃんの中に眠るもう一人の人格、たえない子が目覚めると、彼女に危害を加えようとするものは、ぬいぐるみのコロちゃんに仕込まれたワイヤーで輪切りにされる……
そんなたえちゃんとたえない子、彼女を守りたい園長先生やお友達のキッカを取り巻く、ハートフルで血生臭い物語を描いていくのです!!




一見すると気弱で人に危害を加えるとは到底思えない少女、小野たえ子。
彼女の周りでは、なぜかいつも人死にが付きまとう……
そんなたえ子のことを不審に思った鷺沼警部は、たえ子の過去を洗いなおしていました。
資料に目を通す鷺沼警部。
彼女の周りで起きる事件、3年前から始まっていたようです。
資料を見直し、何かに気が付いた様子の鷺沼警部。
ですが、資料を見るだけでは決してわからない真実というものがあります。
3年前、たえ子の身に起きたこと。
それは……

たえ子はすべての始まりだった忌まわしいあの事件の後、「愛々ハウス」という児童養護施設に引き取られていました。
そこは教会が運営しておりまして、易しそうな神父さんがたえ子を出迎えてくれます。
伯父さんがなくなって一人ぼっちなんだって?と尋ねてきた神父さんに、たえ子ははいと答えるのですが、でもママが迎えに来るって約束した、と言葉を続けている最中に、言葉を遮られてしまいました。
ひとりぼっちなんだね、もう大丈夫。
今日からは私が親だ、お父さんだと思いなさい。
うちに来た子供たちはみな、家族なのだから。
神父さんは柔和な笑みを浮かべながらそう語り、たえ子を迎え入れるのです。

家族かぁ、今度はいいトコだといいなぁ。
そんなことを考えながら、たえ子は愛々ハウスに溶け込もうと、一緒に暮らす子供たちに話しかけていきました。
ですがそこの子供たちは、何かといえばコロちゃんと会話をしているたえ子のことをよく思っていないようで。
新入りの子変だよね、いつもぬいぐるみとしゃべっててさ、頭おかしいよね、相手しちゃだめだよ、あたおか菌がうつっちゃう……などと、無視を決め込むのでした。
無視されるのはさみしいですが、たえ子にとってその対応はある程度なれたもの。
寂しそうな顔にはなりますが、コロちゃんがいれば……と、耐えることはできるようです。
そんなある時、神父さんがたえ子に話がある、と後で自分の部屋に来るよう声をかけてきました。
日も暮れたころ神父さんの部屋に向かうたえ子。
もしかして、ママが迎えに来たとか?とワクワクしながら神父さんの部屋に入るのですが……
部屋の中で二人きりになった神父さんは、ハァハァと息を荒げ、よだれを垂らしてたえ子の体をなめるような視線で見つめるのです。
やがておもむろに電気を消しますと……
もそもそと何かするような物音が聞こえ、そしてたえ子の顔に「何か」があたるのです。
しゃぶれ。
パパの愛情たっぷり注入してやるからなァ。
そんな人の道に悖るけだもののような欲望をぶつけてくる神父……!!
そして……

気が付くとたえ子は、部屋の隅でかがみこんでいました。
体には別に何の以上もないようです。
いつのまにか寝てしまっていたのか?
たえ子はあたりをきょろきょろと見まわしますと、ベッドが何やらこんもりと膨らんでいるのに気が付きました。
神父様も寝ちゃったみたい、起こしちゃ悪いから帰ろう、お話は何だったんだろう、明日聞けばいいよ、とコロちゃんと話しながら、たえ子はそっと部屋から出ていくのです。
たえ子がいなくなった後、空きっぱなしになっていた窓からふわりと一陣の風が舞い込んできます。
カーテンがめくれ上がり、月の明かりがベッドを照らすと、そこには……
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首を切断され、切り取られた自分自身をしゃぶらされた神父の亡骸があったのでした……

流れ流れて、たえ子は今もその身を寄せるなのはな学園にやってきました。
その時はまだたえ子以外の子供はキッカだけ。
キッカは大喜びしてたえ子を迎え入れてくれますし、園長先生は優しく穏やかです。
いい人達みたいで良かったねえ、とコロちゃんと話すたえ子なのですが、やはりキッカも物言わぬはずのぬいぐるみとお話している様子が気になっているようです。
なにブツブツ言ってんだ?と尋ねてきたキッカに、たえ子は恐る恐るこう答えます。
あ、その、あたし、いつもこの子とお話してて……
ご、ごめん、ヘンだよね……
キッカはそれを聞くと、あっさりとこう返します。
ああ、ヘンだな。
で、それのなにがわりーんだ?
別にいーじゃねーか、ヘンでもよ。
……どうやらキッカは、今までたえ子が知り合ってきた子供達とは違うようです。
たえ子は自然と笑顔になり、すぐにキッカと打ち解けることができました。
園長先生も、今までの保護者とは違い、自分のことは呼びやすいように読んでくれればいい、と何かを強制するようなことはせず……
今度こそ、たえ子の安住の地がもたらされた、かのように見えたのですが……

その夜、晩酌をしようとしていたのでしょうか、園長先生が廊下を歩いておりますと、たえ子が子供部屋を出て、居間で寝ているのを見つけます。
なんで今に出てきて寝ているんだ、部屋に戻すか、とかがみこむ園長先生。
すると、たえ子が夢の中でママを恋しがり、すすり泣いていることに気が付きます。
園長先生はたえ子を部屋に戻すのをいったんやめ……膝枕をしてあげ、彼女の頭をなでながらその場で晩酌を始まるのでした。
穏やかな時間が流れて行く居間。
ところが園長先生の目に妙なものが飛び込んでくるのです。
めくれ上がってしまったシャツのせいで見えていたたえ子の背中。
そこに刻まれた……
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数字の6、でしょうか。
数字の6の、刺青……?
園長先生が首を傾げたその時です。
子供を脱がせてなにするつもり?
後にたえない子と呼ばれる彼女が、顔を出したのは!!
最初は何を言っているのか分かっていない、という様子の園長先生でしたが、すぐにりかいし、ああ、そういうのじゃない、と自分が悪戯をしようとしたりしているわけではない、と表明するのですが……
直後、闇の中に何かがきらめきました。
危険を察知した園長先生はとっさに飛び退るのですが、ほんのわずかに間に合いませんでした、
その右足はコロちゃんから伸びたワイヤーによって
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足首のあたりで切断されてしまったのです!!!
ゴミは総持寺なきゃね。
その乏しい表情の奥に、漲る殺意を感じさせるたえない子。
園長先生はすかさず傷口を縛り、切断された方の足を晩酌用のアイスペールに入れて冷蔵保存!
そして、片足しかないにもかかわらず、たえない子の仕掛けてきた追撃を避けて見せたのです!!
哀しい子だのう、その歳でそんな殺人技を身につけて。
いや、ある意味幸せか、よの理不尽に抗う術を持っとるのは。
……鋼糸使いか、昔何度も殺りあったわ。
そんなことを言いながら、戦闘態勢を取る園長先生。
たえない子は、ならこれが最後ね、今から輪切るから、と冷たい視線を向けるのですが……
園長先生は言いました。
ワシはお前の保護者だ、危害を加える気はない。さっきのも誤解だ。
ただな、
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そんな素敵な殺人技見せられたら、闘りあいたくなってしまう……!
当初のおだっやカナ顔はどこへやら。
園長先生は鬼のような笑いを浮かべ……
そして、たえない子も再び構えるのです。
やっぱり大人は皆ゴミクズね。



というわけで、たえ子と園長先生、そしてキッカの出会いのエピソードを収録した今巻。
このあと、たえない子と園長先生の戦いはさらに激化し、たえない子の底しれない強さが発揮されていきます。
いきなり園長先生の足を切断してしまうような最悪の遭遇となった二人ですが、現在ではこの出会いが嘘のように仲良しで過ごしています。
果たしてこの後たえ子と園長先生とキッカはどうなっていくのでしょうか?
3人が今の関係に近づいて行くまでの様子がこの後明かされていくのです!!

そんな注目の過去編が明かされたわけですが、肝心のたえない子が何なのかという謎はいまだ残されたまま。
それが明かされるまでにはもう少しかかるのかもしれませんが、げんっ台ではそれどころではない大事件が起こりつつあります。
第1巻で報いを受け、無残な最期を遂げた次郎。
その兄である一郎が、たえ子たちへの復讐に動き出しています。
次郎はたんなる(?)外道でしたが、一郎はそれを上回る外道、であるだけではありません。
人知を超えた異常な力を持っており、たえ子ですらひょっとすると……と言うレベルの危険さを孕んでおります。
さらに今巻のラストでは、一郎の意外すぎるある事実が明らかになり……!!
仕事人系の外道退治のお話かと思われていた本作ですが、もしかするとこの後、バトルものになって行くかも知れない予感が匂ってくるのです!!

ちなみに今巻も独特のシュールなシーンや、謎の個性を持つキャラクターの登場など、脱力シーンもしっかりしゅうろく!
あの「やったねたえちゃん!」の続編的作品として発表された当時、皆さんが予想出来るはずもなかった物語になって行く本作、今後もいろいろと見逃せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!